指輪が抜けないときは、まず指の色・腫れ・感覚を見ます。色が変わっている、腫れている、しびれるなら、自分で抜くのをやめて医療機関か消防署に相談します。そうでなければ石けん水で滑らせて外してみて、抜けなければ消防署か宝飾店で切ってもらいます。
自分で外すのをやめる目安
指輪で指が締めつけられると、血の流れが妨げられます。医学書は、指輪などで締めつけられると、血の流れが妨げられて組織が壊死する(細胞が死ぬ)ことがあると書いています。次のどれかに当てはまるなら、自分で外すのをやめてください。
消防署の案内も、手や指の変色・腫れ・感覚の異常があれば、医療機関の受診を勧める場合があるとしています。
救急車を呼ぶか迷ったら、電話の相談窓口「#7119」(救急安心センター)があります。救急車を呼ぶか迷ったときに、医師・看護師・救急救命士から電話で助言を受けられる仕組みで、緊急性が高いと判断されれば、119番への転送などをします。総務省消防庁の案内では、#7119は全国42地域で実施とされ、行っていない地域もあります。つながらなければ、近くの消防署に電話します。
自分で外す方法
指の色や感覚に変わりがなければ、自分で外してみます。
- 1石けん水で滑らせる指輪の周りに石けん水を付ける
- 2穏やかに引き続ける強くねじらず、しばらく穏やかに引っ張り続ける
- 3抜けなければやめる痛みが強くなったら、それ以上は引かない
医学書は、石けん水で滑りやすくすれば外せることもあり、それでも抜けない場合は速やかな治療が必要と書いています。
糸を指に巻いて外す方法が紹介されることもありますが、ある宝飾店は糸で抜く方法を試してけがをした客がいたので、この方法は勧めないとしています。医師向けの医学書でも、糸で外す方法について糸で外す方法は、指に切り傷や骨折があるときは控えるべき場合(相対的禁忌)とされると書かれています。指にけががあるなら、糸は使わずに受診します。
石けん水でも抜けなかった指輪を着けたまま、何日も様子を見ないでください。腫れがひどくなると、宝飾店では受けてもらえないことがあります。
自分の品だといくらで直るかは、壊れた所の写真を送って工房に相談できます。
消防署・病院・宝飾店の違い
どこで切っても、指輪は切れた状態で戻ってきます。違いは、指の状態を見てもらえるかと、切れる素材です。
| 切る場所 | 向いている場合 | 行く前に |
|---|---|---|
| 消防署 | 指に強い異常はない | 電話する |
| 病院 | 腫れ・変色・けががある | 受付で伝える |
| 宝飾店 | 指に異常がない | 料金と時間を聞く |
消防署について、消防の公式の案内には次のように書かれています。
- 消防署には、指輪を切る専用の道具(リングカッター)がある。近くの消防署に電話してから行く
- 職員が症状を確かめて、方法を決める。切る必要があるときは、書面に同意のサインをしてから切る
- 指輪の種類によるが、ほとんどの場合はリングカッターで切れる。ただし材質によっては時間がかかったり、切れなかったりする
- リングカッターが使えない時もあるので、行く前に電話で確かめる
- リングカッターは指輪を切る道具なので、ピアスは切れない(医療機関に相談)
同意書の中身は、たとえばある消防組合の案内では、切る前に、指輪の破損について消防署に補償を求めないという誓約書を出す(匝瑳市横芝光町消防組合)というものです。切った指輪の傷は補償されない前提で頼むことになります。
費用は、無料と書いている消防があります。岐阜市は消防署に行けば外してもらえ、料金はかからない(岐阜市)、倉敷市は切断器で切れる(無料)。災害等で不在のことがあるので事前に電話(倉敷市)としています。費用を書いていない消防もあるので、電話のときに一緒に聞きます。
宝飾店でも指輪を切ってもらえます。宝飾店が公開しているリングカットの料金は、確認した4店の最低料金で2,000円から5,500円でした(金・プラチナ・シルバーの指輪。税込・税別が混ざります)。全周に石が並ぶ指輪は、ある店で11,000円〜(税込)です。リングカッターで切れない硬い素材は、同じ店で合計22,000円〜になることが多い(税込)としています。
切る料金を取らない店もあり、ある宝飾店は指輪を切るのは無料とし、別の宝飾店は指輪を切るのは無料で、その後の修理も受けるとしています。その店で切って修理も頼めば、切る料金を半額にするという店もあります。
ただし宝飾店は医療機関ではありません。ある工房も、指の腫れがひどく、触るだけで痛い場合は対応できないことがあると書いています。指が腫れているなら、消防署か病院に行ってください。
切った指輪を直す

金・プラチナ・シルバーの指輪なら、切った所を溶接し、サイズを合わせ直して、また着けられるようにできることがあります。次は、宝飾店や工房が公式サイトに載せた修理例です。他店の公開例で、指輪の素材・幅・石の有無で変わります。
- 切った所を溶接する
- 4,000円
- サイズを5号大きくする
- 4,000円
※ ある宝飾店が公開した修理例です。
| 他店の修理例 | 公開されている料金 |
|---|---|
| 病院で切った指輪のサイズ合わせ | 基本料金6,000円+地金2,000円 |
| 4号伸ばし・石付き・刻印の入れ直し | 29,100円(別途消費税) |
石付き・幅の広い指輪・内側の文字の入れ直しが加わると、料金は上がります。見積もりで、上がる理由を1つずつ聞いてください。サイズ直しそのものの料金は、指輪のサイズ直しの料金で確かめられます。
チタンやステンレスなど、サイズ直しが難しい素材の扱いは指輪のサイズ直しができないときにまとめています。
切った直後に、すぐサイズを測って直すのはやめます。ある宝飾店は、切った直後は、指が腫れたりむくんだりしていることがよくあるとしています。直す期間は、ある宝飾店の目安で切った後のサイズ直しや石の留め直しは1〜4週間ほどです。
写真で分かること、現物で決まること
切った指輪を直せるかの見当は、写真でもつきます。どれだけ地金を足すかと最後の号数は、現物と、腫れが引いた指で決まります。2か所以上切る指輪について、ある工房は太い・重い指輪で2か所以上切る必要があるものは、現物を見てから見積もるとしています。
写真で分かること
- 切り口が1か所か2か所か
- 刻印の素材(Pt900・K18など)と位置
- 石の有無、切り口のゆがみ
現物で決まること
- 足す地金の量と、つなぐ所の厚み
- 刻印がどこまで残るか
- 腫れが引いた後の号数
腫れが引いたら、切り口と内側の刻印が写るように撮って写真で相談すると、直せそうかと料金の見当を聞けます。曲がったり楕円になったりした指輪の直し方は曲がった・楕円になった指輪の直し方にあります。
今日やること
- 1指を見る色・腫れ・しびれを確かめる。どれかあれば、#7119か近くの消防署に電話する
- 2石けん水で試す指に異常がなければ、石けん水で滑らせて、しばらく穏やかに引く
- 3抜けなければ電話する消防署か宝飾店に「指輪が抜けません。素材は◯◯です。切ってもらえますか」と電話してから行く
