ネックレスの留め具にあるひし形の刻印は、中が数字か英字かで意味が変わります。中が数字(750・900 など)で日の丸の印と並んでいれば、造幣局が純度を試験して打ったマークです。中が英字(SN・NS・SK など)なら、作り手の印とされるもので、素材は表していません。
刻印は、留め具のプレート(板の金具)・引き輪・反対側の端の金具に小さく入っています。ルーペかスマホのカメラで拡大して、ひし形の中を読んでください。
ひし形の中で見分ける
| ひし形の中 | 何の印か | 素材が分かるか |
|---|---|---|
| 数字(750・900など) | 造幣局のマーク | 分かる |
| 英字(SN・NS・SK など) | 作り手の印 | 分からない |
数字のひし形は、日の丸の印と並んで打たれています。英字のひし形の隣に「K18」「Pt850」があれば、素材はそちらで読みます。
中が数字なら造幣局のマーク
造幣局のマークは、国の機関が純度を試験して打つ印です。造幣局の案内では、造幣局が事業者の依頼で品位試験を行い、合格した製品に証明記号を打刻するとされています。マークは、日本の造幣局の証明であることを示す日の丸と、ひし形の中の数字の組み合わせです。プラチナには、日の丸と別にプラチナを示す印が入ります。
ひし形の中の数字は、1,000のうち何が金やプラチナかを表します。数字とK(カラット)の対応は、造幣局の表で999=K24、916=K22、750=K18、585=K14、416=K10、375=K9です。2012年4月から、この数字は製品に含まれる貴金属の品位の下限を表す表示に変わりました。
留め具のプレートの見本(造幣局のマークがある例)数字は仮
- ①日の丸の印造幣局が証明した印プラチナには、日の丸と別の印が入る
- ②ひし形の中に「750」金の純度(1,000のうち750)750はK18と同じ。900ならプラチナ900
- ③「K18」作り手が打った素材の表示造幣局のマークがあれば、この表示は省かれることもある
造幣局のマークがなくても、偽物とは限りません。造幣局自身が、任意の制度で、マークのない市販品もあると書いています。反対に、「K18」「Pt900」だけの刻印は作り手が打った表示で、造幣局の案内にもK18、Pt900などの記号は造幣局の証明記号ではないとあります。宝飾業界の表示規定では、造幣局の品位証明刻印がある金・プラチナ製品は、種類と品位の表示を略せるとされているので、造幣局のマークだけでK18の文字がない品もあります。
手元の品で何ができるかは、写真を送って工房に相談できます。
中が英字なら作り手の印
ひし形の中の英字は、作った会社や部品を作った会社を見分けるための印とされています。ある買取店の解説では、SNやNSといった刻印は、金の純度ではなく、メーカーや部品の製造会社が使う識別用の刻印と説明されています。
SN の印については、買取店の解説でSNの刻印は、実際にはNS(エヌエス)と読むとされ、国内の装身具メーカーの名前が挙がっています。ただし、メーカー自身による公式の説明は確かめられませんでした。SK がどの会社の印かも、公式の説明は見つかっていません。どの会社の印かが分からなくても、素材や修理の判断には関係しません。
作り手の印の仕組みは、英国の公的な検定所が説明しています。作り手の印は頭文字と、それを囲む枠の形の2つでできている印で、登録簿の中で同じ印は2つとないとされています。印が示すのは登録した者で、品物の製造者と同じとは限らないとも書いています。
日本の留め具の英字も「誰が作ったか」を表す印として読めば、素材の記号と読み違えずに済みます。ただし刻印の決まりは国ごとに違い、日本貿易振興機構(JETRO)もホールマークに国際的な統一の基準はなく、対象の貴金属や証明する品位は国ごとに違うと案内しています。
素材の刻印との並び方
留め具には、作り手の印と素材の刻印が並んで入っていることがあります。読むのは素材の刻印のほうです。
| 刻印の例 | 読み方 |
|---|---|
| K18・750 | 金の純度。1,000のうち750が金 |
| Pt850・Pt900 | プラチナの純度 |
| 18K(Kが後ろ) | 海外で見られる書き方 |
| ひし形の中の英字 | 作り手の印。素材ではない |
宝飾業界の表示規定では、Kは原則として数値の前に置く(海外では18Kのように後ろに置くことがある)とされています。数字が先の「18K」の刻印を受けない修理店もあり、ある修理店は刻印が「18K」のように数字が先にくるものは、表示と中身が違うことがあり、受けられない場合があるとしています。
留め具と鎖で素材が違う品もあります。表示規定では、複数の素材を使った製品は素材ごとに品位を表示(例 Pt900の部位にPt900、金の部位にAu750)とされています。留め具に K18 とあっても、鎖の側にも刻印があるかを見てください。刻印の記号の一覧は指輪・ネックレスの刻印図鑑にあります。
修理で刻印が関係すること
チェーンの修理では、素材の刻印があるかどうかで直し方が変わります。刻印で素材が分かれば、切れた所を熱でつなぐ溶接ができます。刻印がなければ、溶接をしないで直す方法になることがあります。
ある工房は、刻印のないチェーンは溶接せず丸カンでつなぐと書いています。素材が分からない品を受けない店もあり、同じ工房はサイズ直しの案内で素材不明品・品位を示す刻印がない品物は受付対象外としています。
素材の刻印がある
- 切れた所を溶接でつなげる
- 他店の公開料金では、途中の切れの溶接1か所が2,900円から(確認した18店の最低料金の中央値)
素材の刻印がない
- 小さな輪(丸カン)でつなぐ直し方になることがある
- 受けない店もある
- 素材を調べてから決める店もある
※ 中央値は、工房や宝飾店が公式サイトに載せた「〜から」の最低料金を並べたもので、税込・税別・税の表示なしが混ざります。チェーンの太さや切れた数で上がります。
留め具と鎖のつなぎ目の輪が開いただけなら、溶接は要りません。ある工房は、550円(税込)程度・その場で直すとしています。
刻印は修理で消えることもあります。ある買取店は、刻印がない理由の一つにサイズ直しや修理の加工で刻印が消えたことを挙げています。留め具を交換すると、元の刻印のプレートがなくなる場合もあります。刻印を残したいなら、頼むときに「留め具の刻印は残したいです」と伝えてください。切れ方ごとの料金はネックレスのチェーンの修理で確かめられます。
写真で分かること、現物で決まること
拡大した写真で決まるのは、刻印の読み方と、溶接で直せる見当までです。鎖の側の素材と、めっきかどうかは、現物を見てから決まります。
写真で分かること
- ひし形の中が数字か英字か
- 隣に K18・Pt850 などの素材の刻印があるか
- 切れた位置(金具のつなぎ目か、鎖の途中か)
現物で決まること
- 鎖の側が留め具と同じ素材か(刻印が留め具だけのことがある)
- めっきか、中まで同じ金属か
- 熱を加えて直せる状態か
留め具の拡大写真と全体の写真を送って相談すると、刻印の読み方と、溶接で直せる素材かの見当が付きます。そのとき「刻印は残したい」「鎖の途中で切れた」など、残したいものと切れた場所を書き添えてください。
刻印がない・読めないとき

刻印が見当たらない、すり減って読めないときは、まず拡大して撮ります。留め具のプレート・引き輪の裏・反対側の端の金具を、ピントを合わせて撮ってください。
それでも素材の刻印がなければ、素材を調べる方法と、刻印がない品の修理の扱いを刻印がない金・プラチナは本物?で確かめてください。
今日やること
- 1刻印を拡大して撮る留め具のプレート・引き輪の裏・反対側の金具をルーペかスマホで撮る
- 2ひし形の中を読む数字なら造幣局のマーク、英字なら作り手の印。素材は K18・Pt850 などで読む
- 3写真を送って相談する「留め具にひし形の SN の刻印と K18 の刻印があります。切れた所を溶接で直せますか。刻印は残したいです」と書いて、全体と留め具の拡大写真を送る
