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ジュエリー修理・リフォームの用語集|地金・割金・ロウ付け・石座・覆輪・空枠・新品仕上げの意味と、見積もりのどの行に出るか

更新 2026年10月24日・出典の最終確認 2026年10月25日

地金とロウ材と石座と模型(イメージ)

ジュエリーの修理・リフォームの言葉は、材料・つなぎ方と作り方・石の留め方・仕上げの4つに分かれます。見積もり書では、材料は「地金代」、作業は「加工代」、石は「石留め」、磨きは「仕上げ」の行に出てきます。

見積もり書のどこに出るか

リフォームの費用は、いくつかの行の足し算と引き算でできています。ある工房は、費用をリフォーム費用=加工代+追加地金代+追加石代−下取と示しています。

見積もり書の見本(リフォームの場合)数字は仮

  1. ①地金代足りない金属を足す代金地金・割金・K18・Pt900 の言葉が出る
  2. ②加工代溶かす・つなぐ・形を作る作業の代金ロウ付け・レーザー溶接・鋳造・鍛造・ワックスの言葉が出る
  3. ③石留め石を留める作業の代金(1石ごと)石座・爪・覆輪・彫り留め・パヴェ・メレの言葉が出る
  4. ④仕上げ磨き・メッキの代金新品仕上げ・ロジウムメッキの言葉が出る
  5. ⑤下取り元の金属を買い取って引く額その日の相場と、石を外した重さで決まる

地金代は、日によって変わります。ある石留めの専門店は、ジュエリーの価格は地金代と加工賃で決まり、地金代は国際相場と為替で日々変わると説明しています。見積もりをもらった日と注文する日が離れると、地金代が変わることがあります。

加工代は1行にまとめる店と、工程ごとに分ける店があります。ある工房のフルオーダーの見積もり例では、加工代が「ワックス手作り」「キャスティング仕上げ」「石留め」「ロジウムメッキ」の4行に分かれ、合計は51,500円(税抜き・K18の地金持ち込みで制作費のみ)でした。行が分かれていれば、どの工程にいくらかかるかが読めます。

材料の言葉:地金・割金・純度

言葉 意味
地金(じがね) 素材の金属
割金(わりがね) 金やプラチナに混ぜる金属
純度・品位 金やプラチナの割合
K18・Pt900 純度の表示

地金は、ジュエリーや貴金属製品の素材・原料となる金属のことです。見積もりの「地金代」は、新しく足す金やプラチナの代金です。

割金は、貴金属を目的の品位・硬さ・加工しやすさ・色に調整するために加える金属です。K18なら75%が純金で、残り25%が割金で、ある専門店は、残りは銀や銅などの割金と説明しています。

割金は、修理の仕上がりにも関わります。ある工房は、サイズ直し用のロウ材と元の地金の割金が合わない問題もあると書いています。ピンクゴールドのように割金で色を出した金は、つなぎ目の色が合いにくくなります。金が黒ずむのも割金のせいで、金に混ぜた銀や銅(割金)が酸化・硫化して、黒ずみやくすみが出ることがあるとする店もあります。

下取りの額は、純度と重さで決まります。ある宝飾店は、下取りは石を外した地金重量×当日相場、外した石は返却としています。刻印の記号の読み方は指輪・ネックレスの刻印図鑑にあります。

手元の品で何ができるかは、写真を送って工房に相談できます。

つなぎ方と作り方:ロウ付け・溶接・鋳造・鍛造・ワックス

指輪の継ぎ目とロウ材と模型(イメージ)

加工代の行に出る言葉は、金属をつなぐ方法と、形を作る方法です。

言葉 意味 よく出る作業
ロウ付け ロウ材を溶かしてつなぐ サイズ直し・チェーン
レーザー溶接 一点に熱を当ててつなぐ 石の近くの修理
鋳造(キャスト) 溶かして型に流す 作り替え
鍛造 打ち延ばして形にする 結婚指輪
ワックス(原型) ろうで形を作り鋳造する フルオーダー

ある工房の説明では、ロウ付けは接合したい箇所にロウ材を溶かし流してつなぐ方法で、レーザー溶接は接合したい箇所にレーザーでピンポイントに熱を加える方法です。レーザー溶接は石の近くを直せる反面、料金が上がります。違いはレーザー溶接とロウ付けの違いで確かめられます。サイズ直しの見積もりでロウ付けの行がどう出るかは、指輪のサイズ直しの料金にあります。

鋳造は、金属を高温で溶かして型に流し込み、冷やし固めて形にする製法です。元の指輪を溶かして新しい形にするリフォームでも、溶かした地金を型に流して作ることがあります。弱点は小さな穴で、ある工房は「巣(ス)」を鋳造した地金の表面にできる、ごく小さな気泡の穴と説明しています。別の工房も、溶かした金属を型に流し込む作り方(鋳造)は、気泡や密度のむらが入り、強度が弱くなる原因ができるとしています。

ワックスは、フルオーダーの見積もりに出る言葉です。ある工房の説明では、ワックス技法は、ろうの一種のワックスで原型を作り、金・プラチナで鋳造する方法。原型の段階で形を確かめられる。原型を見てから鋳造に進むので、形の直しは原型の段階で頼みます。

鍛造は、金属を高い圧力でプレスしたり打ち延ばしたりして形にする製法です。強い指輪になる一方で、後の直しに制限が出ます。ある宝飾店は、鍛造(たんぞう)でつくられた結婚指輪は、大幅なサイズ直しができないとしています。鍛造の指輪のサイズ直しを頼むなら、何号まで直せるかを先に聞いてください。

石の留め方:石座・爪・覆輪・彫り留め・メレ・空枠

石留めの行に出る言葉は、石をどこに、どう留めるかです。

石座は宝石やダイヤモンド、パールなどの石を取り付けるための台座の部分で、爪は石座で宝石やダイヤモンドを固定する、鉤(かぎ)の形の部分です。爪で留めるか、別の方法で留めるかで、料金と石の外れやすさが変わります。

主な留め方

爪留め

  • 爪で石をはさむ
  • 光が入り、石が明るく見える
  • 爪が引っかかりやすい

覆輪留め

  • 金属の縁で石のまわりを囲む
  • 引っかかりにくい
  • 地金を多く使う

彫り留め・パヴェ

  • 地金を掘り起こして小さな爪にする
  • 小さな石をたくさん並べる
  • 石が外れても気づきにくい

ある工房の用語集では、覆輪留めは金属の薄い縁で宝石のまわりを囲んで固定する技法、彫り留めは地金を掘り起こして爪にする留め方、伏せ込みは地金の中に石を埋め込む留め方です。パヴェは小さなダイヤモンドや宝石を隙間なく並べて留める技法です。

石留めの代金は、留め方と石の数で決まります。他店の料金表を集めると、中石(中心の石)の留め直しは7店の中央値で4,000円、メレ1個の留め直しは7店の中央値で1,100円です(どちらも石代は別で、税込と税別が混ざります)。同じ店で両方の料金を出している3店では、覆輪・伏せ込みは爪留めの1.3〜2倍でした。留め方の選び方は石留めの種類と違いで確かめられます。

彫り留めの小さな石は、外れたときに分かりにくくなります。ある石留めの専門店は、彫り留めの小さな石は、外れても気づきにくいと注意しています。

メレは、小さな石のことです。宝石の鑑別機関のGIA(米国宝石学会)は、GIAは重さ1/5カラット未満の小さなダイヤモンド・宝石をメレーとみなす(定義は国や取引の過程で異なる)としています。見積もりでは、メレの石そのものの代金(メレ代)と、留める作業の代金(脇石留め)が別の行に出ることがあります。

空枠(からわく)は、石の入っていない既製の枠です。ある工房は、セミオーダーは、手持ちの宝石を既製の枠(空枠)に石留めする方法と説明しています。この方法の見積もりは、枠の代金(空枠代)と石留めの代金に分かれます。手持ちの石が枠に合わないと、枠を直す代金が別にかかることがあります。

仕上げの言葉:新品仕上げ・メッキ・バレル

仕上げの行に出る言葉は、表面をどう整えるかです。

新品仕上げは、表面を磨いたり再メッキしたりして、新品のような輝きを取り戻す加工です。指輪の新品仕上げの最低料金は、他店の公開料金を確かめた6店の中央値で2,100円です。ただし、深い傷は消えません。ある工房は、新品仕上げで小傷は取れるが、深い傷は残るとしています。

新品仕上げは、表面を少し削る作業です。あるブランドは、表面の金属を削って傷を消しているので、何度も磨き直すと指輪が薄くなる可能性があると注意しています。細い指輪や薄い指輪は、仕上げの回数を控えてください。

ロジウムメッキは、ジュエリーの表面にロジウムを薄くコーティングする処理です。ホワイトゴールドについて、ある宝飾店はホワイトゴールドはロジウムでコーティングしてプラチナのような白に仕上げると説明しています。料金は、ある工房で3,500円〜(税別・指輪)です。別の工房は、傷や汚れがついたままではメッキがきれいにかからないため、新品仕上げをしてから再メッキするとしています。見積もりに「新品仕上げ」と「ロジウムメッキ」が並んでいるのは、このためです。

バレル研磨は、容器にジュエリーとステンレスのピン・水・洗剤を入れ、磁気で回して磨く方法です。作る工程でまとめて磨く方法で、1点ずつ手で磨く新品仕上げとは別のものです。

言葉が分からないまま決めないこと

「修理」「リフォーム」「リメイク」の言葉の範囲は、店によって違います。見積もりの「リフォーム」が、石を枠に移すことか、溶かして作り直すことかは、言葉ではなく作業の中身で確かめてください。見積もり全体の読み方と料金の決まり方は指輪リフォームの値段で確かめられます。

写真で分かること、現物で決まること

見積もり書と品の写真があれば、言葉の意味と、その行が何の作業かまでは分かります。金額が動く部分は、現物を量ったり見たりしてから決まります。

写真で分かること・現物で決まること

写真で分かること

  • 各行が何の作業か、無くてもよい作業があるか
  • 今の留め方(爪・覆輪・彫り留め)と石の数
  • 刻印から読める素材と純度

現物で決まること

  • 地金の重さと、下取りの額
  • 巣や古いロウ付けの跡があるか
  • 石を外せるか、覆輪にできるか

分からない言葉が入った見積もりがあれば、その写真から、何の作業にいくらかかっているかを説明できます。写真を送って相談するときは、分からない行に印を付けてください。

今日やること

  1. 1分からない言葉に印を付ける見積もり書の、意味が分からない行に丸を付ける
  2. 2行の種類を見る地金代・加工代・石留め・仕上げ・下取りのどれか
  3. 3写真を送って相談する「見積もりの◯◯という言葉が分かりません。この作業で何をするのか、なくてもよい作業かを教えてください」と書いて、見積もり書と品の写真を送る

出典