バチカンは、ペンダントのトップの上に付いた、チェーンを通す金具です。壊れた・すり減った・チェーンが通らないバチカンは、新しいものに付け替えられます。バチカンだけを替える直し方なら、トップ本体はそのままです。
料金の決まり方
工房や宝飾店が公式サイトに載せたバチカンの交換・付け直しの料金と実例を12件確かめました。額は3,000円から10,000円で、中央値は7,850円です。料金表の最低額と実際に払った額、税込と税別、シルバーと金が混ざった集計なので、自分の品物の見積もりは素材と作業の大きさで読みます。
| 作業の大きさ | 公開例 |
|---|---|
| シルバーの修理・補強 | 3,300円〜/4,500円(税抜) |
| K18・プラチナの交換 | 9,000円/10,000円(11,000円)/15,000円(地金代込み) |
| 太いチェーン用に大きく | 22,000円(税抜)/30,000円〜 |
| 枠のゆがみも直す | 55,000円〜 |
※ 上の2段は12件の集計に入っている公開例。「〜」は料金表の最低額で、実際の見積もりはこれより上になることがあります。税の表示がない額も混ざります。
額を分けるのは、素材と、新しく作る地金の量です。同じ店でも、シルバーの品は安い側に、K18を新しく作って付けた品は高い側に並びます。部品代込みか工賃だけかを分けた一覧は、部位別の修理料金にあります。
部品代と溶接代の内訳
見積もりは、バチカンの部品代と、付ける作業代(溶接)に分かれます。内訳を公開した2件では、作業代のほうが部品代より高くなっています。
- バチカン(Pt900)
- 3,600円(税別・Pt900のバチカン1個)
- 丸カン(Pt900)
- 320円(税別・Pt900の丸カン1個)
- レーザー溶接
- 6,000円(税別・レーザー溶接)
※ ある修理店の1件の実例。地金の相場で変わります。
K18の例では、バチカン5,000円(K18のバチカン1個)に溶接6,000円(レーザー溶接)が加わり、合計11,000円(税込)でした。この例では、使うネックレスが太めなので、大きめのバチカンを選んだとしています。大きいバチカンほど部品代が上がります。
外した古いバチカンは、地金として引き取ってもらえることがあります。ある宝石店の例では、0.1gで231円(当時の相場)でした。見積もりのときに「古いバチカンの引き取りで差し引けますか」と聞けます。
すり減ったバチカン
バチカンは、チェーンとこすれて薄くなります。ある宝飾店は、摩耗して切れたバチカンについて溶接してつなぐこともできるが、また切れるおそれがあるので新しいバチカンに替えたと説明しています。コインの枠のバチカンを作り直した別の実例では、元のバチカンは0.3mmほどまで薄くなっていて、新しく作ったバチカンの板の厚みは0.8mmほどの板で作り直しています。薄くなったバチカンは、切れてトップを落とす前に替えます。
期間は、ある店の案内で2週間〜1か月です。
チェーンが通らないとき

チェーンが通らないときの方法は3つです。ある店は、金具を削って通す、金具を大きく付け替える、ネックレスをいったん切って通してつなぐの3つを挙げています。
バチカンを大きく付け替える
- 今のチェーンをそのまま使える
- 地金代と付け替えの費用がかかる
チェーンを切って通し、つなぐ
- バチカンはそのまま
- チェーンをつなぐ費用がかかる
チェーンを替える
- 細いチェーンや、留め具の小さいチェーンにする
- トップは手を加えない
今のチェーンを使い続けたいなら、バチカンを大きくします。ある工房は大きなバチカンに交換すれば、チェーンは通るとしています。地金を足して広げる方法もあり、ある修理店は幅に合わせたK18を2mmほど足して、チェーンを通す部分を広げたと書いています。大きさは合わせたいチェーンで決まり、ある店は合わせたいチェーンの長さや重さから、バチカンの大きさを割り出したとしています。
チェーンを切って通す方法や、留め具の小さいチェーンへの替え方は、チェーン修理の料金で確かめられます。ぎりぎりで通らないだけなら、小さな加工で済むことがあります。ある店は、通すだけなら2,000円程度でできる場合があると答えています。
自分で広げようとした品について、ある修理店はヒビが入ったり、割れたりする可能性が高いと書いています。
自分の品だといくらで直るかは、壊れた所の写真を送って工房に相談できます。
トップが裏返る・斜めを向くとき
トップが裏返る・斜めを向くのは、バチカンの向きか、付いている位置の問題です。チェーンを替えても直らないなら、バチカンを付け直します。
- 向きを変える:ある店は、向きが違うので、根元のカンから付け替えたと書いています
- 位置を変える:ある工房は、バチカンは、真ん中以外の好きな位置にも取り付けられるとしています
- じかに付ける:丸カン(トップとバチカンをつなぐ小さな輪)を使わずに付けます。ある工房は、丸カンの部分も切って、バチカンをトップに直接付けた実例を公開しています
留め具が前に回ってくる悩みは、原因がチェーンの長さや重さにあることもあります。ネックレスが前に来る・回る原因で分けて確かめてください。
バチカンの種類と、受けられない素材
付け替えるときは、種類も選べます。
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| 固定 | トップに溶接してある |
| 開閉式 | 開いて太いチェーンも通せる |
| 折り畳み | トップの裏に隠せる |
開閉式について、ある店は開閉式のバチカンは、ネックチェーンが付けやすいとしています。真珠をK18の開閉式バチカンでトップにした実例は、トップの加工一式で30,000円(税抜)でした。折り畳み式は、ある店の説明では「折り畳んでトップの裏に隠せる、折り畳みバチカン」で、ブローチと兼用するカメオに使われています。
石が付いたトップでも、付け替えはできる場合があります。ある店は、石が入ったままでも、専用の機械を使えば溶接できるとしています。熱に弱い石や接着で留めた石は、仕様によっては石を外す作業と費用が加わります。
素材で受けられない品もあります。ある店は溶接で直せる素材はプラチナ・ゴールド・シルバーの品だけとしています。別の店はステンレス製や素材不明の品は修理できないと書き、受ける条件をシルバー925製で、宝石・樹脂・メッキがなければ修理できるとしています。メッキのアクセサリーや刻印のない品は、直す前に素材を確かめます。
写真で分かること、現物で決まること
写真で決まるのは、直し方と見積もりの見当までです。額は、バチカンの残りの厚みと、使う地金の量で決まります。
写真で分かること
- 素材の刻印(K18・Pt・925)
- バチカンの形と壊れ方(切れた・つぶれた・開いた)
- 通したいチェーンの太さと留め具の大きさ(並べて撮れば)
- 裏返る原因が向きか位置か
現物で決まること
- 残りの厚み(補強で済むか、作り直すか)
- 石が溶接の熱に耐えるか
- 丸カンの傷み
- 新しく使う地金の量と、古いバチカンの引き取り額
直し方の候補と見当の金額を知りたいなら、トップの表と裏、壊れた所、通したいチェーンを1枚に入れた写真で相談することができます。「今のチェーンを使い続けたいか、替えてもよいか」を書き添えると、バチカンの大きさの案が出やすくなります。
指輪やコインに付けるとき
バチカンのないトップにも、新しく付けられます。シルバーの品で、ある店は4,400円〜です。
金貨やコインのペンダントでは、バチカンの部品代と付ける作業代が分かれていることがあります。ある修理店の料金表は次のとおりです。
- K18のバチカン:通常6,000円・大きいもの8,000円〜15,000円(税別)
- プラチナのバチカン:通常8,000円・大きいもの21,600円(税別)
- 付ける作業:4,000円〜(税別・バチカンと丸カンの代金は別)
コインの枠ごとの直し方はコインペンダントの枠と修理にあります。
指輪を、指輪の形のまま首から下げるときもバチカンを付けます。ある専門店の実例では、バチカンの代金が30,800円でした。指輪をペンダントに加工した例では、35,000円(税別)や15,000円でした。方法と費用は形見の指輪をネックレスにする費用で確かめられます。
今日やること
- 1素材を確かめるトップの裏やバチカンの「K18」「Pt」「925」の刻印を見る
- 2写真を撮るトップの表と裏、バチカンの壊れた所、通したいチェーンを1枚に入れて撮る
- 3見積もりの出し方を決めて聞く「バチカンを(交換・大きく・向きを直す)したいです。部品代と作業代を分けて、税込でいくらかを教えてください。古いバチカンの引き取りはできますか」と書く
