コインに穴を開けずにペンダントにするなら、枠に入れる方法を選びます。外せる作りの枠なら、外せばコインだけの状態に戻せます。角のあるコイン・銅貨・色の変わったコインは、受けない店や仕上げで色が変わる例があるので、寸法と写真で確かめてから決めます。
既製の枠が合うかどうかは、コインの直径と厚みで決まります。同じ重さの金貨でも、種類が違えば大きさが違います。頼む前に、直径と厚みを測っておきます。
穴あけ・直付け・枠の違い
コインをペンダントにする方法は3つです。違いは、コインそのものに跡が残るかどうかです。
| 方法 | コインに残るもの | 元に戻せるか |
|---|---|---|
| 穴を開ける | 穴 | 戻せない |
| 金具を直接付ける | 熱と磨き直しの跡 | 戻せない |
| 枠に入れる | 外せる作りなら跡なし | 外せば戻る |
金具をコインに直接付ける方法(直付け・ロー付け)は、ある工房の説明では、金具を付けた後に磨き直す必要があり、コインの色や雰囲気が変わるとのことです。コインの加工を受ける別の店は、熱を使うので、カラーコインとアルミニウム製のコインは加工しないとしています。直付けの公開例は7,700円〜(税込)と安く済みますが、コインに跡が残ります。
枠に入れる方法について、先の工房は「一番手間はかかるが、コインにはほとんど害を与えない」と説明しています。記念銀貨を枠に入れた宝飾店も、「枠を取り外せば、元どおりのコイン」としています。いつか売るかもしれない、家族に元の状態で渡したいなら、外せる枠を選んでください。
枠の3つの種類
枠は、コインの押さえ方で3つに分かれます。どれもコインに穴を開けません。
ねじ式の既製枠
- 金貨の種類と大きさごとに売られている
- ふたをねじで留める
- 自分でコインを入れ替えられる
爪で留める枠
- コインに合わせて作る
- 裏から爪で押さえる
- 取り外せるように作れる
覆輪(ふくりん)留めの枠
- 縁を地金で包む
- すっきりした見た目になる
- 既製枠が合わないコインにも作れる
ねじ式の既製枠は、ある販売店の商品説明によると、ねじ止め式で、精密ドライバー1本でコインを入れ替えられるとのことです。爪で留める枠は、K18のコインにK18の枠を作ったある工房の例で、裏側を爪で留めて取り外せるようにしています。覆輪留めは、コインの縁を地金で包む留め方です。ある宝飾店の金貨のペンダントも、コインを包むような留め方(フクリン留め)で枠にセットする作りです。
自分の品を何に作り替えられるかは、写真を送って工房に相談できます。
枠の料金の公開例
下の表は、工房・宝飾店・既製枠の販売店が、それぞれの公式サイトに載せている価格です(2026年10月24日に確認)。料金は、既製の枠を使うか、コインに合わせて作るかで大きく変わります。
| 枠 | 公開されている価格 |
|---|---|
| K18のねじ式既製枠(1/10オンス用) | 78,000円 |
| K18のねじ式既製枠(1オンス用) | 208,000円 |
| コインに合わせて作る枠 | 6件の中央値 105,000円 |
| 真鍮のワイヤーで留める枠 | 13,200円(税込・材料費込) |
※ 既製枠は枠だけの販売価格で、コインと取り付けは含まれず、税の表示は商品一覧にありません。
K18の枠は、金の相場で値段が動きます。K18の枠を作るある工房も、参考価格はデザインと金相場で変わると添えています。コインの加工を受ける別の店の料金表でも、直付けには価格がある一方、枠のペンダントは見積もりです。枠の値段は、コインの寸法・形と枠の素材を見てからの見積もりになります。
コインに合わせて作る枠は、公開例6件で50,000円から220,000円の幅がありました。素材も税の表示もそろっておらず、「〜から」の最低価格も混ざります。
- シルバーのメダルに、シルバーの枠:50,000円(税別)
- 楕円で既製枠が合わないコインに、縁と4本の爪の枠:71,200円(税別)
- シルバーにK18を重ねた素材で、職人が作る枠:10万円〜
- 記念の1万円銀貨を、外せる枠に:110,000円(税込)
- K18のコインに、K18の爪留めの枠:150,000円〜
- 既製枠のない記念金貨に、縁を覆う枠:220,000円
1/10オンスから1オンスの地金型金貨(地金として売り買いされる金貨)なら、まず既製枠が合うかを見ます。既製枠がない記念金貨や、形の変わったコインは、作る枠になります。
日本の記念硬貨は「貨幣」
日本の記念硬貨は、記念品ではなく法律上の「貨幣」です。貨幣損傷等取締法(昭和22年法律第148号)には、次のように書かれています。
貨幣は、これを損傷し又は鋳つぶしてはならない。
違反したときの罰則は、1年以下の拘禁刑又は20万円以下の罰金です。
ここでいう貨幣は、日本の政府が発行する硬貨です。通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律(4条)で、貨幣の製造と発行は政府が行うと決まっています。同じ法律では、国の記念事業として発行する記念貨幣も、法律上の「貨幣」とされています。古い記念硬貨も同じで、附則で昭和の天皇陛下御在位60年記念の10万円・1万円の記念貨幣も「貨幣」とみなすと定めています。
つまり、日本の記念金貨・記念銀貨に穴を開けたり、金具を直接付けたりする加工は頼まないでください。外せる枠に入れる方法なら、コインに穴や熱の跡を残しません。外国の金貨も、穴やロー付けの跡は元に戻せないので、枠を選びます。
頼む前に測るもの

枠を選ぶ・作るには、コインの直径と厚みが要ります。同じ重さの金貨でも、種類によって直径が違います。
| 金貨 | 品位・重さ・直径 |
|---|---|
| メイプルリーフ金貨 1オンス | 99.99%の金・31.11g・直径30mm |
| 御在位60年記念 10万円金貨 | 純金・20g・直径30mm |
| 御即位記念 1万円金貨(令和元年) | 純金・20g・直径28mm |
※ メイプルリーフ金貨は発行元のカナダ王室造幣局、記念金貨は造幣局の資料。御在位60年記念の1万円銀貨は純銀・20g・直径35mmです。
同じ純金20gの記念金貨でも、直径が違います。既製枠は「1オンス用」ではなく「どの金貨の何オンス用か」で選びます。発行元の資料に厚みが載っていないこともあるので、厚みは手元で測ります。
直径と厚みは、ノギス(小さな物の長さを測る道具)で測ると正確です。コインのペンダントを作るある店も、コインのサイズ・厚み・状態を確かめたうえで、作れるかを決めるとしています。
重さと品位が分かる金貨は、地金の価値の目安計算に入れると、その日の価格での目安が出ます。枠に入れても、外せばこの重さの金貨のまま残ります。
写真で分かること・測らないと決まらないこと
表と裏の写真で分かるのは、方法の当たりです。現物の寸法と縁の状態を見ないと、枠が合うかと代金は決まりません。
| 写真で分かること | 現物・寸法で決まること |
|---|---|
| 金貨の種類と既製枠の有無 | 既製枠にきちんと収まるか |
| 角・楕円など形の変わったコインか | 作る枠の爪の位置と数 |
| 銅貨・色の変化・カラーコインか | 仕上げで色が変わらないか |
| 正面にしたい面 | 縁の傷や反り |
| 枠の素材の希望 | K18の枠の重さと代金 |
コインの形や素材によっては、費用がかかる場合や、枠を作れない場合もあります。写真を送って相談するときは、表と裏の写真に、直径と厚み、通したいチェーンを書き添えてください。
通せるチェーンの太さ
通せるチェーンの太さは、枠に付いた金具(バチカン)の穴の内径で決まります。ある宝飾店の金貨のペンダントでは、1オンス用で約11×5mm、1/10オンス用で約4×2.5mmでした。
太い喜平チェーンなど、手持ちのチェーンに通したいなら、注文のときに使うチェーンを伝えます。記念金貨の枠を手作りした店は、手作りの枠は、手持ちのチェーンの太さに合わせて金具(バチカン)の大きさを決められると説明しています。チェーンが細って切れそうなら、先にチェーンの修理代も確かめておきます。
既製枠の金具が細いときは、金具だけを大きいものに替える方法もあります。ある店の料金は、K18の1/10・1/4オンス用で6,000円(税別)、1/2・1オンス用の大きな金具で15,000円(税別)でした。金具の交換の頼み方はバチカンの交換・修理で確かめられます。
枠を頼まなくていいケース
身につけるのではなく、金貨を溶かして指輪などの材料にしたいなら、話が変わります。インゴットを指輪やネックレスにするで、枠に入れるか溶かすかの分かれ目を確かめてください。日本の貨幣は、溶かす(鋳つぶす)ことも法律で禁じられています。
期間は、コインの加工を受けるある店の案内で通常3〜4週間です。贈る日や記念日が決まっているなら、その日付を最初に伝えます。
今日やること
- 1コインを測る直径と厚みをmmで測り、金貨なら種類と何オンスかを確かめる
- 2表と裏を撮るどちらを正面にしたいか、縁の傷や色の変化が分かるように撮る
- 3写真を送って相談する「◯◯金貨(直径◯mm・厚さ◯mm)を、穴を開けずに外せる枠に入れてペンダントにしたいです。既製の枠が合うか、作る枠になるかと、K18の場合の費用を教えてください」と書いて、表と裏の写真と一緒に送る
