チェーンのねじれや折れ癖は、軽いものなら店で整えられることがあります。ただ、強く折れ曲がった跡は、元どおりには戻りにくいものです。ある宝飾サロンも、強く入ってしまったヨレは、新品のようにきれいに戻すのが難しいことがあると書いています。戻らないときは、折れた所を切って短くするか、チェーンを替えます。
ねじれ・折れ癖・切れを見分ける
最初に、今の状態が次の3つのどれかを見ます。どれかで、家でできることと店での直し方が変わります。
状態と見るところ
- ①ねじれ(よれ)全体がらせん状によれる。1か所の跡はない留め具を外して平らに置き、戻るかを見る
- ②折れ癖(キンク)1か所に、角のある曲がり跡が残る指で戻さない。そこから切れる前に相談する
- ③切れ・切れかけコマが割れている、すき間が開いている着けずに保管し、切れた部品も取っておく
ねじれやよれは、ふだんの着け外しやしまい方で起きます。ある宝飾サロンは、着け外しのときに無理な方向へ力が加わったり、保管中にクセがついたりすると、気づかないうちにヨレが生じることがあるとしています。
チェーンの種類で違う傷み方
チェーンの種類によって、くせのつき方と直しやすさが違います。工房や修理店の説明をまとめると、次のとおりです。
| チェーン | 起きやすいこと | 店での直し |
|---|---|---|
| ベネチアン | ねじれ・曲げて切れる | 整える・溶接 |
| スネーク | 折れ曲がり | 詰める・替える |
| オメガ | 曲がり跡 | 整える(完全には戻らない) |
| ヘリンボーン | 折れ癖・よれ | 現物で決める |
| ボール | 球の間で切れる | 丸カン・溶接 |
| スクリュー | 丸めて切れる | 溶接・替える |
※ 素材が金・プラチナ・銀かどうかでも、店が受けるかが変わります。
表の理由は、それぞれ次の説明によります。
- ベネチアン:ある宝飾サロンは、ベネチアンは、その整った形ゆえに、ねじれにはあまり強くないと書いています。ある修理店は、ベネチアンはコマ同士がしっかり接合されている分、動く幅が狭く、一定以上曲げると切れるとしています。
- スネーク:同じ修理店は、スネークは動ける範囲が狭く、無理な角度で折れると説明しています。
- オメガ:ある工房の店長は、オメガは中心の丸線に極細のテープを巻いた作りで、曲げすぎると癖がつくと書いています。
- ヘリンボーン:ヘリンボーンのように平たく面で見せるチェーンは、曲がりやねじれに弱く、折れグセやキンクが出やすいと、ある宝飾サロンは書いています。
- ボール:ある修理店によると、ボールは球とバーの境目が弱点。端に穴が残っていれば丸カンで、途中で切れた貴金属はろう付けで直せる。
- スクリュー:同じ店はスクリューは保管で切れる代表格。真っすぐ伸ばして保管するとしています。
自分の品だといくらで直るかは、壊れた所の写真を送って工房に相談できます。
ベネチアンのねじれ

ベネチアンは、四角い小さな箱のようなコマをつないだチェーンです。コマどうしが動ける幅は、あまり広くありません。
全体がよれているだけなら、留め具を外して1本にし、机に平らに置いて形を見ます。それで戻らないねじれは、コマそのものが曲がっています。指でひねって戻すのはやめます。喜平のねじれについて、ある修理店はねじれを自分で直そうと無理に力を加えると、チェーンが伸びたり、コマが変形して壊れたりすると書いています。ベネチアンも、一定以上曲げると切れるチェーンです。
ねじれた所で切れたら、溶接(熱で金属をつなぐ修理)になります。他店の公開例では、ベネチアンの切れの修理が5,200円位〜(税別)・約3週間でした。同じ店は、ベネチアンのように目の詰まったチェーンは、ロー付けした所が硬くなりやすいと説明しています。
留め具が前に回ってきてチェーンがねじれるなら、チェーンではなく重さの釣り合いの問題です。直し方はネックレスの留め具が前に来る・裏返るにあります。
スネーク・オメガの折れ癖
スネークやオメガの折れ癖は、店で整えても跡が残ることがあります。オメガを踏んで曲げた品を直した宝石店は、リバーシブルのオメガは断面が貝合わせのようになっており、一度曲がると完全には戻らないと書いています。この店は「できるだけ」整える形で直し、料金は5,000円(税別)・期間1週間でした(他店の公開例1件)。
スネークは、折れ曲がった所から切れることがあります。跡が残ったまま使い続けるか、その前に手を打つかを決めます。
スネークが切れたあとに直した例では、8,900円〜・約3週間(税の表示なし)でした。同じ店は、スネークはロー付け跡が固着するため、完全な修理はできないと書いています。別の修理店も、スネークは見た目がきれいに直っても、直した所の柔らかさ・しなやかさが失われると説明しています。
折れた所を詰めるか、チェーンを替えるか
折れ癖が戻らないときの手は、2つです。折れた所を切って短くする(詰める)か、チェーンだけ新しくするかです。
折れた所を詰める
- 折れ跡が留め具の近く・端のほう
- 数cm短くなってもよい
- 切った所は溶接でつなぐ
チェーンを替える
- 折れ跡が胸元の真ん中
- 長さを変えたくない
- 折れ跡が何か所もある・前にも切れた
切って溶接でつなぐ料金は、ある工房の公開料金で4,000円〜(税別・切る代金込み)です。ただしある修理店は、ボール・スネーク・細いベネチアン・0.7mm以下のチェーンは、切っても丸カンを入れるすき間がないと書いています。この場合はろう付け修理と同じ料金で、2〜3週間の預かりです。
一度切ったチェーンは元に戻せないので、何cm短くなるかを先に聞きます。長さの決め方はネックレスの長さ調整にあります。
チェーンごと替える料金は、あるチェーン修理の店でチェーンごと交換:メッキ7,370円〜/10金22,000〜30,000円(税込)です。同じ店が挙げる目安の1つは「同じチェーンで2回以上切れたら交換を検討」です。ある宝飾サロンも、状態によっては、無理に直し続けるより新しいチェーンへ見直す方が現実的なこともあると書いています。
すでに切れている場合の修理代と日数は、チェーン修理の料金と日数で切れた場所ごとに確かめられます。
写真で分かること、現物で決まること
写真で分かるのは、ねじれか折れ癖か切れかと、直すか替えるかの見当までです。整えてどこまで戻るかは、現物を見て決まります。
写真で分かること
- チェーンの種類と、折れ跡の場所と数
- 全体の長さと、詰めたときの長さの見当
- 留め具の刻印(K18・Pt850など)
現物で決まること
- 折れ跡がどこまで戻るか
- コマにひびが入っていないか
- 刻印がないときの素材
折れ跡のアップ、チェーン全体を平らに置いた写真、留め具の刻印の3枚があれば、整えるか・詰めるか・替えるかの見当を写真で相談できます。「スネークの胸元に折れ跡が1か所。長さは45cm。短くしてもよいのは2cmまで」のように、長さの条件を書き添えます。
買ったばかりのチェーンや、ブランドのネックレスなら、先に購入店の保証が使えるかを聞きます。
最後の項目は、ある修理店が細いチェーン・ベネチアン・スネークは結ばないと案内しているためです。絡まって動かないときは、ねじれとは別の話です。ほどき方は絡まったネックレスのほどき方にあります。
折れ癖を防ぐしまい方
くせは、しまっている間にもつきます。ある修理店は、留め具を閉じて、吊るすか平らに置いて保管する(丸めない)こと、スネーク・スクリューは特に「丸めない」が鉄則と案内しています。
- 吊るすときは、一つの場所に複数のネックレスを吊るさない
- 身につける前にチェーンを軽く持ち上げ、変なクセがついていないか確かめる(ある宝飾サロンの案内)
今日やること
- 1平らに置いて見る留め具を外して机に置き、全体のよれか、1か所の折れ跡か、切れかけかを見る
- 23枚撮る折れ跡のアップ、チェーン全体、留め具の刻印を撮り、全体の長さを測る
- 3長さの条件を決めて聞く「何cmまでなら短くしてよいか」を決め、整える・詰める・替えるのどれになるかと税込の料金を聞く
