ダイヤが光らなくなった理由で多いのは、石の表と裏についた油の膜です。ダイヤは油がなじみやすい石で、ハンドクリームや皮脂が付くと光が通りにくくなります。まず家で洗い、それでも戻らなければ、枠のくもり、石のゆるみや欠け、石そのもの、の順に見ていきます。
光らない理由は4つ
ダイヤが光らない理由は、次の4つに分けられます。上から順に、家で確かめやすく、直す費用も小さいものです。
光らない理由と見るところ
- ①油膜と裏側の汚れ石の裏がくもっていないか、爪のすき間に汚れがないか家で洗えば戻ることが多い
- ②枠のくもり地金に細かな傷が重なっていないか、ホワイトゴールドが黄ばんでいないか新品仕上げ・メッキのかけ直しで戻る
- ③石のゆるみ・欠け石が動かないか、傾いていないか、角が欠けていないか爪を直す・欠けを隠す・石を替える
- ④石そのもの洗っても暗い、譲られた品で石の種類が分からない洗っても磨いても変わらない。鑑別で確かめる
1. 油膜と裏側の汚れ
いちばん多いのが汚れです。ある宝飾店は、ダイヤモンドは油になじみやすく、ハンドクリームや化粧品、ヘアワックスが表面につくと油膜が覆って輝きを損ねると書いています。
汚れは石の表より裏側にたまります。指輪は石の裏が肌に近く、皮脂やクリームが入り込みやすい作りです。ある宝石店は、石の裏側に汚れがあると光がさえぎられて輝かないと説明しています。表を布で拭いても光らないのは、このためです。
2. 枠(地金)のくもり
石ではなく、まわりの地金がくもって、全体が暗く見えることがあります。ある工房は、プラチナやホワイトゴールドについて擦り傷が重なると光沢がなくなり、曇った見た目になると書いています。
ホワイトゴールドの指輪なら、表面の白いメッキがはがれていることもあります。ある宝飾店は、ホワイトゴールドはロジウムの膜が使ううちにはがれて曇る。白さを戻すにはかけ直しが要るとしています。地金が黄ばんで見えるなら、こちらを疑います。直し方と料金はロジウムメッキのかけ直し、傷を取る磨き直しは指輪の新品仕上げで確かめられます。
3. 石のゆるみ・欠け
石を押さえる爪がすり減ると、石が少し動いたり傾いたりします。傾いた石は、正面から見たときの光り方が変わります。ある宝石店は、爪についてすり減ると石が緩んだり落ちたりすると書いています。
ダイヤは硬い石ですが、強くぶつけると欠けることがあります。ある宝飾店は、欠けて鋭い縁ができると、そこから新たな欠けが生じることがあると書いています。小さな欠けなら、ある宝飾店が書くとおり小さな割れ・欠けは、爪で隠して補強する方法がある(指輪のデザインは変わることがある)。欠けの直し方と費用はダイヤ・宝石が欠けた・割れたらにあります。
爪が太い・本数が多い枠は、石の見える面が少なくなります。ある宝石店は、爪の本数が多いほど強度は上がるが、石を覆う面積も増えるとしています。爪を直したときに太くなったと感じるなら、直した店に爪の形を聞いてみます。
4. 石そのもの
洗っても、枠を磨いても暗いままなら、石そのものの性質かもしれません。GIA(米国宝石学会)は、ダイヤに光が入ったときの見え方は、プロポーション(各部の比率)で決まると説明し、上から入った光が下へ抜けてしまうダイヤは、暗く見えると書いています。カットの比率で暗く見える石は、洗っても明るくはなりません。
譲られた指輪や、買った記録がない指輪は、ダイヤでない石のこともあります。よく使われるキュービックジルコニアは、ダイヤより柔らかい石です(モース硬度でジルコニアは8.5、ダイヤは10)。石の種類を確かめるなら、ある鑑別機関の簡易の鑑別で1石2,750円(税込)です。見分け方と、別の石だったときの考え方は指輪の石の種類が分からないときにあります。
家で洗って確かめる

最初にするのは、家で洗うことです。ある宝飾店の案内では、用意するものは「容器・40度前後のぬるま湯・中性洗剤(食器用で可)・柔らかいブラシ・タオル」です。ぬるま湯で洗えるのは「ぬるま湯で洗えるのは石のない金・プラチナと、ダイヤ・ルビー・サファイアなど硬い石」としています。
洗う前に石のゆるみを見るのは、ブラシでこすったときに石が外れることがあるからです。GIAも、専門家は超音波洗浄器などを使う前に、緩くなった石がないかを慎重に調べると書いています。
家庭用の超音波洗浄機は使いません。GIAは、ダイヤについて家での超音波洗浄を家庭では推奨しない(留めが緩むことがある)としています。家での洗い方の全体はジュエリーのクリーニングは自分でできる?にあります。
自分の品だといくらで直るかは、壊れた所の写真を送って工房に相談できます。
店に頼むときの料金
家で落ちない汚れは、店のクリーニングで落とせることがあります。他店の公開料金は次のとおりです。
| 公開例 | クリーニングの料金 |
|---|---|
| 公開例1 | 1点500円から |
| 公開例2 | 550円〜(プラチナ・ゴールド) |
| 公開例3 | 1,100円〜(税込) |
※どれも最低料金。税込1店・税の表示なし2店。
買った店があるなら、先に聞きます。ある宝飾店は、その店で買ったジュエリーはいつでも無料としています。
地金の細かな傷を取る新品仕上げは、他店の公開料金で2,100円(確認した6店の中央値)です。ホワイトゴールドはメッキ代が別になることがあります。
洗っても戻らないときの直し方
洗っても戻らないときは、原因に合わせて直し方が決まります。
枠のくもり
- 新品仕上げで細かな傷を取る
- ホワイトゴールドはメッキをかけ直す
石のゆるみ・欠け
- 爪を立て直して石を締める
- 小さな欠けは爪で隠す
- 大きな欠けは磨き直すか、石を替える
石そのもの
- 洗っても磨いても変わらない
- 石の種類を確かめてから、使い方を決める
爪を直す料金と日数は指輪の爪の修理代にあります。石を替えるなら指輪の石だけ交換できる?で、今の枠のまま替えられるかを確かめられます。
写真で分かること、現物で決まること
写真で分かるのは、4つの理由のどれに近いかの見当までです。石が動くか、欠けがどこまであるかは、現物を見て決まります。
写真で分かること
- 裏側の汚れ・枠のくもりの様子
- 爪の曲がり・すり減り、石の傾き
- ホワイトゴールドの黄ばみ
現物で決まること
- 石がどれだけ動くか
- 欠けの深さと、広がるおそれ
- 石の種類(鑑別が要ることもある)
どの直しになりそうかは、写真で相談して見当を付けられます。洗ったあとに、正面、横から石の裏側が見える角度、爪のアップ、内側の刻印を撮り、「前より光らない。洗っても戻らない」と書き添えます。撮り方は写真でジュエリーの修理・リフォームを相談するにはにあります。
今日やること
- 1石を押してみる動く・爪が曲がっているなら、洗わずに保管する
- 2洗って比べる洗う前に写真を撮り、中性洗剤で裏側まで洗って、明るい所で比べる
- 3戻らなければ撮る正面・横から石の裏側・爪のアップ・刻印を撮り、「洗っても戻らない」と書いて相談する
