指輪の石だけを替えられるかは、今の石と新しい石の大きさと形がそろうかで決まります。縦・横・深さ(石の厚み)がほぼ同じなら、枠をそのまま使って替えられることがあります。
枠のまま替えられるかの決め手

決め手は、新しい石が今の石座にぴったり収まるかです。ある工房は、石を替えた例で今の石と替える石の縦・横・深さがほぼ同じなら、枠をそのまま使って付け替えられたと説明しています。
枠のまま替えられるかを決める5つ
- ①縦・横の大きさ今の石と同じか鑑定書・鑑別書があれば、書いてある寸法(mm)を伝える
- ②深さ(厚み)石座の深さに収まるか色石は同じ大きさでも厚みがまちまち
- ③形丸・楕円・四角が同じか形が違えば、爪の位置から作り直しになる
- ④周りの石中央の石を小さな石が囲んでいないかある工房は、石の形・耐久性、中石の周りを脇石が囲むデザインなどでは受けられない場合があるとしている
- ⑤石の硬さ外す・留める力に耐えるかダイヤ以外の石は、外すときに割れたときの扱いを先に聞く
色のある石(色石)は、深さを合わせるのがとくに難しい石です。ある工房は、色石の石合わせは、色味と縦横の大きさに加えて深さ(厚み)も合わせる必要があると説明しています。縦・横が同じでも、深さが違えば石座に収まりません。
石を大きくしたいとき
石を大きくすると、今の石座のままでは収まりません。ある工房は、石の大きさが違うと、追加料金で石座や爪の加工が必要になるとしています。石座の大きさが変わると、指輪のサイズまで変わることがあるとも書いています。
石座を削って広げる
- 一回り大きい石まで
- 石座と爪をそのまま使う
石座を作り直す
- 大きさや形が大きく違う石
- 輪の部分(アーム)は使える
枠ごと作る
- デザインも変えたい
- 今の枠は返却か下取り
少しだけ大きくするなら、石座を削って広げる方法があります。ある宝飾店は、削れた石座をヤスリで整えてから一回り大きい小さなダイヤを留め、4,320円(税込:石座を整えて一回り大きいメレで留め直し)でした。
大きく変えるなら、石座ごと作り直します。ある宝飾店の例は、手持ちの枠に別の石を乗せ替えようとしたがサイズが合わず、石座を新しく作ってアームはそのまま使ったというものでした。石座や爪を作り直す修理の料金の決まり方は、指輪の爪の修理代と日数で確かめられます。
枠ごと作る場合は、石の持ち込みで指輪を作る話になります。費用は石の持ち込みで指輪を作る費用にまとめています。
手元の石でどんな形にできるかは、石と枠の写真を送って工房に相談できます。
別の石・天然の石にしたいとき
ジルコニアや合成の石から天然の石に替える場合も、決め手は同じで、大きさと深さです。ほかの工房が公開している、石を替えた例の料金は次のとおりです。
| 公開例 | 替えた内容 | 料金 |
|---|---|---|
| 公開例1 | 中石を持ち込みのルビーに | 5,000円(税別) |
| 公開例2 | ホワイトトパーズをダイヤに | 8,000円(税等別・石交換一式) |
| 公開例3 | 欠けたオパールを新しい石に | 19,872円(税込) |
| 公開例4 | 2つの石を別の種類に | 20,000円(税・送料等別:トルマリン2石+爪新設8本+石留) |
※ 公開例1・2は作業代だけで、石代は入りません。公開例3は新しい石の代金を含む総額で、うち座の修正と石留めは8,400円+税(座の修正・石留め、石代別)。公開例4は石の代金・爪8本の新設・石留めを含む額です。
公開例1は、縦・横・深さがほぼ同じ石だったので、枠のまま付け替えられた例です。公開例4は爪を8本新しく立てています。石だけを付け替えた例より、爪を立て直した例のほうが高くなっています。
石留めだけの料金は、料金表を確かめた7店の最低料金の中央値が4,000円でした。ほとんどが「〜から」の最低額で、石の大きさや留め方で上がります。
今の石を外す作業は、別に料金がかかることがあります。ある工房は、石外しの料金は、石留め代の2〜5割としています。見積もりでは「外す・留める・石座の手直し・石代」を分けて書いてもらいます。石の種類ごとの石外しと留め直しの公開料金は、宝石別の加工可否×料金の表で集計しています。
新しい石の用意
新しい石は、店に探してもらうか、自分で用意して持ち込むかです。店が似た石を探すことを「石合わせ」といいます。
店に探してもらう(石合わせ)
- 今の枠に合う大きさで探す
- 探す料金と石代がかかる
- 色石は実物を見て選ぶ
自分で用意して持ち込む
- 好きな石を選べる
- 枠に合うかは、預けてから分かる
- 小さすぎる石は断られることがある
石合わせは、外れた石と似た石を探すことです。料金は、ある工房の例で石探し・石合わせ・石補充 2,000円〜(+石代)、小さなダイヤの石代は同じ工房の例で0.03カラットの小さなダイヤ1粒が2,100円(石を留める工賃は別)でした。
色石を探してもらうなら、元の石と同じ色にはならないことを先に知っておきます。ある工房は、別の石に替えると、色は元の石と全く同じにはならない(了承を得てから留める)としています。写真だけで色石を選ぶのを避ける店もあり、ある工房は宅配での色石の補充は、写真と実物の印象が違うことがあるため基本受けないとしています。
合う石が見つからないこともあります。ある工房は、合う石がなく1個だけ別注でカットすると、とても高くなるとしています。その場合は、枠に合う別の石を選ぶか、石座を作り直すかを決めます。
自分で持ち込むなら、大きさに気をつけます。ある工房は、直径2mm未満の小さな石(メレ)は、基本的に持ち込めないとしています。
外した元の石と鑑定書
元の石は、外すときに割れることがあります。ある工房は、石を替えた例で元の石は外すときに割れることがある(事前に説明し、実際に割れた例)と書いています。割れやすい石について、同じ工房はダイヤ以外の石は、損傷が起きても店が責任を負わないことを承諾してもらってから加工するとしています。元の石を残したいなら、割れたときの扱いを外す前に聞きます。
外した石を返してもらうかどうかも、最初に伝えます。「外した元の石は返してください」と見積もりの段階で書いておくと、受け取りのときに確かめられます。
鑑定書や鑑別書は、その石1つについての書類です。石を替えると、元の書類は新しい石の説明になりません。替えた石の書類が要るなら、石を留める前に、新しい石の書類があるかを確かめます。書類の作り方と再発行は鑑定書・鑑別書は再発行できる?にまとめています。
ブランドの指輪なら、先に購入店へ「石の交換を受けているか」「他店で手を入れると保証はどうなるか」を聞きます。
預けるときの記録
預けた石が替えられないかを心配する人もいます。業界団体の日本ジュエリー協会によると、相談室に「リフォームの際に石をすり替えられたようだ」という相談が寄せられたとのことです。協会は、リフォームを頼むときは、店とデザインの確認書・預かり証を交わすよう勧めています。
- 1石を写真に撮る正面と横から。鑑定書があれば番号と重さを控える
- 2大きさを控える縦・横(mm)を測るか、鑑定書の寸法を写す
- 3預かり証をもらう石の大きさと、外した石を返してもらうことを書いてもらう
受け取った後に色が違って見えたら、まず預ける前の写真と大きさで見比べます。
写真で分かること、現物で決まること
写真で分かるのは、枠のまま替えられそうか、石座を作り直す話になりそうか、の見当までです。替えられるかの最終判断は、石を枠に合わせてみて決まります。
写真で分かること
- 石座の形と、周りの石の有無
- 爪の数と、すり減り具合
- 枠のまま・石座を作り直す・枠ごと作るの候補
現物で決まること
- 新しい石の深さが石座に収まるか
- 元の石を外したときの割れ・欠け
- 石座の手直しの範囲と総額
正面・横・石座の裏側の写真と、鑑定書の寸法(なければ定規で測った縦・横)、替えたい石の種類を添えて写真で相談すると、どの方法になりそうかの見当が先に分かります。期間は、ある専門店の中石の留め直しの例で約3〜4週間(中石の留め直しと磨き直し)です。
石を替えなくていいケース
石が取れたときの留め直しは指輪の石が取れたときの修理代で、色石の加工の注意は色石のリフォームで確かめられます。
今日やること
- 1今の石の大きさを確かめる鑑定書・鑑別書があれば寸法(mm)と重さを控える。なければ定規で縦・横を測る
- 2替えたい石を決める種類・大きさ・持ち込むか店に探してもらうか
- 3聞くことを書き出す「今の枠のまま替えられますか。石座の作り直しになりますか。外した石は返してもらえますか」
