石外しは、爪(石を押さえている細い金属の突起)を起こして、石を枠から取り出す作業です。料金は作業そのものより、立ち会い・記録・破損時の扱いまで頼むかどうかで変わります。下の表は、他店が公式サイトに載せた料金で、同じ金額で外せるという意味ではありません。
| 公開例 | 石 | 1石の料金 | 税 |
|---|---|---|---|
| 公開例1 | 爪6本までの石 | 550円〜1,100円 | 表示なし |
| 公開例2 | ダイヤ | 1,400円 | 税込 |
| 公開例2 | 色石 | 2,000円 | 税込 |
| 公開例3 | メレ | 1,000円〜 | 税別 |
| 公開例3 | 中くらいの石 | 2,000円〜 | 税別 |
| 公開例3 | エメラルド | 5,000円〜 | 税別 |
| 公開例4 | 1ct未満・鑑定士つき | 10,000円〜30,000円前後 | 税抜 |
| 公開例4 | 1ct以上・鑑定士つき | 15,000円〜50,000円前後 | 税抜 |
※ メレは、脇に並ぶ小さなダイヤです。「〜」は最低価格です。公開例1では、レール留め・覆輪留め・ミル留めの石は別料金になります。
表の上の6行と下の2行の差は、鑑定士の立ち会いと記録の代金です。1ct未満の普通の石なら、作業だけの頼み方で足りることが多いです。
頼み方で変わる料金
石外しの頼み方は3つです。どれに当たるかで、料金も、受けてもらえるかどうかも変わります。
石外しの作業だけ
- 修理の料金表に1石ごとの値段がある
- 公開例は1石550円から2,000円
- 割れても石は補償されない
鑑定士の立ち会い・記録つき
- 外す前に石の状態を確かめ、写真や動画を残す
- 公開例は1石1万円台から
- 1ctを超える石・鑑定書を取り直す石向け
リフォームや買取とセット
- 新しい枠に付け替える注文の一部として外す
- 枠の地金を売る前提なら、作業代を取らない店がある
- 石外しだけでは受けない店もある
公開例4の工房は、1ct以上の石を15,000円〜50,000円前後(税抜)で外します。外す前に鑑定士と職人が石の状態を確かめ、作業前の写真を客に送ります。1ctを超える石や、鑑定書を取り直す予定の石なら、この頼み方が合います。
リフォームとセットにすると、作業代は下がっても別の費用が付くことがあります。ある工房は石外しが1石550円(リフォーム時の石外し)ですが、持ち込んだ石の検査料が持ち込み検査料 1石5,500円、2石目から1石1,100円追加かかります。別の工房は「石外しだけのご依頼は、承っていません」と書いています。リフォームの予定がないなら、最初の連絡で「石を外すだけでも受けてもらえますか」と聞いてください。
枠を売る前提なら、石外しの代金がかからない場合もあります。ある貴金属の買取店の石外しは、買取前提なら原則無料(来店でリング1つ程度なら買取なしでも無料)です。地金を売るので、枠は手元に残りません。
外した石を新しい枠に留め直す代金は、石外しとは別です。留め直しの料金と、外した後の爪や石座の傷みの直し方は指輪の爪の修理代と日数で確かめられます。ほかの作業の料金と比べたいなら、工房の公開料金データに作業ごとの件数と幅があります。
割れやすい石と店の免責
石は、外した瞬間に割れることがあります。指輪の形のままでは見えないヒビや欠けが爪の下に隠れていて、爪の押さえがなくなると割れます(ある宝飾店の説明)。
割れたときの扱いを公式サイトに書いている5店は、どこも石を補償しません。
- A店:外した後に石の破損が分かっても弁済しない
- B店:欠けても補償しない
- C店:弁償の対象外とする書面にサインしてから外す
- D店:持ち込みのルースは、加工時の破損を補償しない
- E店:ダイヤ以外の石は、傷が付いても責任を負わない前提で加工する
つまり、公式サイトに書いている店はどこも、割れた石を補償しません。書いていない店も同じ前提で考えてください。高価な石ほど、外す前に状態を確かめて記録を残してもらうことが、いちばんの備えです。
GIA(米国宝石学会)も、エメラルドの大多数はひびを埋める処理(フラクチャー充填)をされていると説明しています。外す前に「外して割れや欠けが見つかったら、そこで作業を止めて連絡をもらえますか」と聞いてください。高価な石なら、その答えを見積書やメールに残してもらいます。
石の種類ごとの注意は、宝石ごとの加工できる・できないの一覧で確かめられます。
手元の石でどんな形にできるかは、石と枠の写真を送って工房に相談できます。
外した枠の行き先

石を外した後の枠(指輪やネックレスの金属の部分)は、返してもらう・下取りに出す・買取に出すの3つから選びます。何も言わないと店の決まった扱いになるので、最初に伝えてください。
返してもらう
- 枠がそのまま手元に残る
- 形見や記念の指輪で、刻印を残したいとき
- 後から地金として売ることもできる
下取りに出す
- 新しいジュエリーの代金から差し引く
- リフォームとセットで選べる
- 額は重さとその日の単価で決まる
買取に出す
- 地金の代金として受け取る
- 買取が前提なら石外しの作業代を取らない店がある
- 加工の注文がないと買取だけは受けない店もある
ある工房の公開例では、使えるダイヤと地金を新しいジュエリーに使い、残りのダイヤは返却しています。地金の扱いは、残りの地金は下取り(実例:加工代金107,000円、下取−46,586円)でした。同じ工房の別の例では、残ったプラチナを客に返しています。返してほしいなら、そう伝えれば選べます。
別の工房は、加工の注文があれば不要な地金を買い取って加工代に充てます。ただし、新規の客の買取だけは受けていません。
枠の金属のおおよその値段は、重さと刻印(K18・Pt900など)で決まります。地金の価値の目安計算に重さと刻印を入れると、その日の公表価格での目安が出ます。刻印の意味は刻印図鑑で確かめてください。リフォームとセットで頼むときの、加工代・地金・下取りの読み方は指輪リフォームの値段の決まり方にあります。
指輪ごとペンダントにする費用は、形見の指輪をネックレス・ペンダントにする費用と流れで比べられます。
写真で分かること、現物で決まること
写真で決まるのは、頼み方の候補と料金の見当までです。割れの有無と枠の価値は、現物を見てから決まります。
写真で分かること
- 留め方(爪か、覆輪か、レールか)と爪の本数
- 石の数と、おおよその大きさ
- 作業だけでよいか、立ち会い・記録が要るかの見当
現物で決まること
- 爪の下に隠れたひび・欠け
- 爪や石座の傷み(外した後に留め直せるか)
- 枠の重さと、下取り・買取の額
工房の側も、写真の限界をそう説明しています。公開例4の工房は、大きな石の相談で写真ではきれいに見えても、割れの原因になるクラックが爪の裏側などに隠れていることがあると書き、正式な見積もりは実物を見てからとしています。別の工房も、画像で概算の見積もり、正式な見積もりは現品を見てからとしています。写真の段階の答えは「外せる見込み」と概算までです。
真上・真横・裏側の写真と、石の種類・個数、枠をどうしたいかを書いて写真を送って相談すると、頼み方の候補と料金の見当、枠の扱いを先に決められます。
本人の石か確かめる
預けた石と戻ってきた石が同じかどうかは、外す前の記録と鑑定書の数字で確かめます。店を疑うためではなく、後で迷わないための準備です。
ダイヤの鑑定書(ダイヤモンドの品質を評価した書類)には、重さ(カラット)や寸法が書かれています。受け取るときに「鑑定書の数字と合っているか、測って見せてもらえますか」と頼むと、その場で確かめられます。鑑定書がない石なら、預ける前に店で重さや寸法を測ってもらい、預かり控えに書いてもらってください。
外した石は、ほかの石とこすれて傷が付かないよう、1石ずつ小袋やケースに分けてしまいます。メレは数が多くなるので、受け取りのときに数を確かめてください。リフォームで使わない石をすべて返すと書いている工房もあります。返ってきた石の数は、その場で数えてください。
期間と預け方
公開例4の工房は、大きな石でも来店当日その場で約1時間(要予約)で外しています。リフォームとセットの場合は、新しい枠ができるまで預けたままになります。
宅配は、往復の送料と保険、断ったときの返送料を足すと、石外しの料金より高くなることがあります。送る前に写真で頼み方と枠の扱いを決めておくと、往復が1回で済みます。
今日やること
- 1写真と鑑定書をそろえる真上・真横・裏側を撮り、鑑定書があれば手元に出す
- 2枠の行き先を決める返却・下取り・買取のどれにするか。迷うなら地金の価値の目安計算で枠の目安を出す
- 3写真を送って相談する「指輪から石だけ外したいです。石は◯◯で◯個です。石外しだけでも受けてもらえますか。料金と、割れたときの扱い、枠を返してもらえるかを教えてください」と書いて、真上・真横・裏側の写真と一緒に送る
