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タンザナイトは加工で割れる?|サイズ直し・石留めの前に確かめること

更新 2026年10月25日・出典の最終確認 2026年10月25日

タンザナイトの石と爪の接点(イメージ)

タンザナイトは、傷のつきやすさより割れやすさに気をつける石です。GIA(米国宝石学会)によると、硬さはモース硬度で6〜7、割れにくさは靭性は普通〜低、劈開ありです。靭性(じんせい)は、たたく・押す力への強さです。劈開(へきかい)は、決まった向きに割れやすい性質です。

作業ごとに割れやすい場面

タンザナイトの品に手を入れる作業は、4つに分かれます。どの作業にも、石に負担がかかる場面があります。

作業 石にかかる負担 頼むときに聞くこと
サイズ直し 炎の熱 石を外すか
石外し 爪を起こす力 割れたら止めるか
留め直し 爪を倒す力 留め方
仕上げの洗浄 超音波・蒸気 手で洗うか

※ 超音波洗浄器とスチームクリーナーは、GIAがタンザナイトには決して勧めないとしている洗い方です。

いちばん割れやすいのは、石を外すときと留め直すときです。ある工房は、タンザナイトについて石外し・石留めの際に割れたり欠けたりすることがあると説明しています。別の工房も、石を外すときに負担がかかるため、石の状態によっては加工方法を調整するとしています。石を外すときには、石を外す際に爪が折れることがあるため、リフォーム前に全体の状態を確かめるともしています。

ほかの石と強さを比べるなら、宝石ごとの加工できる・できないの一覧が使えます。

サイズ直しで石を外すか

空の指輪枠とケースに収めた石(イメージ)

サイズ直しでは、輪を切ってバーナーの炎でつなぐのが一般的です。タンザナイトの指輪なら、石を外して直すか、レーザーで直すかを聞きます。サイズ直しそのものの料金の決まり方は指輪のサイズ直しの料金にあります。

GIAによると、タンザナイトは通常の着用では、熱・光・一般的な化学薬品に抵抗性があるとされています。ただし同じ案内で、非常に高い温度や急な温度の変化は避けるべきとも書いています。着けているあいだの熱と、修理の炎は分けて考えます。

サイズが合わないときの3つの方法

石を外して直す

  • 石に熱がかからない(ある工房の例:熱に弱い石は一度外して保護しながら作業)
  • 外す・留め直すときに割れるおそれがある
  • 外す代金と留め直す代金が加わる

レーザーで直す

  • 熱が狭い範囲にしか届かない
  • 石を付けたまま直せる場合がある(ある工房:熱に弱い石はレーザーロー付けで対応可能)
  • 外すときの割れを避けられる

形を変える

  • 単純なサイズ直しでは対応できないデザインもある
  • 指輪をペンダントにすれば、サイズが要らない

どれにするかは、石の状態で決めます。ひびや欠けが見えず、爪もしっかりしているなら、外して直す方法が候補です。ひびや欠けが見える石や、爪がすり減っている指輪は、外さずにレーザーで直せるかを先に聞きます。

石を付けたまま炎で直す頼み方は避けます。ある修理店は、石が留まったままのサイズ直しで石が破損しても補償しないと明記しています。サイズ直しを断られたときの次の手は、指輪のサイズ直しができないときで選べます。

石を外して直すと、いくらかかるか

石を外して直すと、サイズ直しの代金に、石を外す代金と留め直す代金が加わります。他店の公開料金を足すと、目安は次のとおりです。

計算の例:石を外してサイズを小さくする仮の数字
サイズ直し(小さくする・8店の中央値)
2,500円
色石の石外し(公開例1件・税込・1か所)
色石2,000円(税込・1か所ごと)
色石の留め直し(5店の中央値・1か所)
4,000円
合計の目安8,500円

※ 別々の店の最低料金を足したもので、1店の見積もりではありません。税込と税の表示なしが混ざります。サイズを大きくして地金を足すときは、その代金が加わります。

加熱処理の石なら熱に強いか

加熱処理がされていても、修理の炎に強いことにはなりません。GIAによると、タンザナイトは色を青紫にするために熱処理されるのが慣例で、加熱以外の処理がされていることはほとんどないとされています。処理が安定しているのは、着けて使ううえでの話です。GIAは同じ案内で、非常に高い温度を避けるよう書いています。

手元の石でどんな形にできるかは、石と枠の写真を送って工房に相談できます。

留め直しの料金と、割れたときの扱い

タンザナイトだけの留め直しの料金を出している店は、見つかりませんでした。色石の料金を分けて出している店で見ると、次のとおりです。

作業 他店の公開料金
色石の留め直し 5店の中央値4,000円
色石の石外し 公開例色石2,000円(税込・1か所ごと)

※ 留め直しは5店の最低料金の中央値(1か所・石代は別)で、税込と税の表示なしが混ざります。石外しは1店の税込の料金です。ある店の料金表では、石外しの料金は、石留め代の2〜5割です。

留め方で料金が変わる店もあります。ある工房の料金表では、色石の留め直しが4,000円(色石・1ct未満の基本料。覆輪・六本爪は2,000円の加算)です。覆輪(石の周りを金属でぐるりと囲む留め方)は手間が増えるぶん高くなりますが、GIAは金属や宝石でタンザナイトを囲むセッティングは石の保護に役立つとしています。ほかの石の熱・洗浄の注意と料金は、宝石別の加工可否×料金の表にあります。

留め直しや作り替えでは、石の向きも決めます。ある工房によると、タンザナイトはどの方向を正面に向けて留めるかで、完成後の色の印象が大きく変わるとのことです。今の向きの色が好きなら、「今と同じ向きで留めてください」と伝えます。

割れたときの扱いの読み方

石を外す・留め直す作業の前には、割れたときの扱いの説明があります。書き方は、おおむね次の3つです。

割れたときの扱いの3つの書き方

  1. ①事前に了解をもらう割れ・欠けの可能性を事前に了解してもらってから加工するどんな危険があるかの説明を、文字で残してもらう
  2. ②責任を負わないダイヤ以外の石は、加工中の損傷や後で見つかった傷の責任を負わない前提で加工割れても弁償されない前提。外さない方法がないかをもう一度聞く
  3. ③補償に上限がある店が算出した一般的な市場価格の最大1割まで、上限30万円上限の額と、石の価格をどう決めるかを聞く

どの書き方でも、割れる危険はなくなりません。確かめるのは、途中でひびが見つかったら手を止めて連絡をもらえるかと、割れたときにどうなるかの2つです。

欠けやひびのある石

欠けやひびのある石は、外す作業で割れやすくなります。ある工房は、タンザナイトは硬度が比較的低く、長年の使用でキズや欠けが生じている場合があるとしています。

見えている傷だけが心配なのではありません。ある店は、爪の下に隠れたヒビ・欠けがあると、外したときに石が割れることがあると書いています。高い石ほど、外す前に爪の下まで見てもらいます。

欠けのある石でも、今の枠のまま着け続けることはできます。爪のすり減りが気になるなら、爪と石座の修理で、石を外さない直し方を先に確かめます。

写真で分かること、現物で決まること

写真で決まるのは、どの直し方が候補になるかまでです。割れの危険と、外せるかどうかは、現物を見てから決まります。

写真で分かること・現物で決まること

写真で分かること

  • 留め方(爪か、覆輪か)と爪の本数
  • 爪のすり減り、見えている欠け
  • サイズ直し・留め直し・作り替えのどれが候補か

現物で決まること

  • 爪の下に隠れたひび
  • 割れやすい向きと、外して大丈夫か
  • レーザーで付けたまま直せる作りか

石を真上と真横から撮り、鑑別書があればその写真も添えると、見当がつけやすくなります。ある工房は手持ちのタンザナイトの縦と横のmmが分かれば見積もりできるとしているので、石の縦と横の大きさ(mm)が分かれば書き添えます。外すか外さずに直すかを聞きたいときは、その写真で相談することができます。

デザインごと作り替えるときの費用は色石の指輪のリフォーム、石外しの料金は指輪の石外しの料金にあります。

手を入れなくていいケース

汚れやくすみが気になるだけなら、修理に出さなくて構いません。GIAによると、タンザナイトは温かい石鹸水で洗うのが常に安全とされています。

今日やること

  1. 1石を見るルーペかスマホの拡大で、欠け・ひび・爪のすり減りを探す
  2. 2写真を撮る石を真上・真横から。鑑別書があれば一緒に撮る
  3. 3聞くことを書く「石を外しますか、外さずに直せますか。割れたときの扱いも教えてください」と書いておく

出典