ジュエリーナビ

家紋の指輪・ペンダントの作り方と費用|内側に刻む・表に彫る・浮き出すの違いと、小さく入れるときの限界

更新 2026年10月25日・出典の最終確認 2026年10月25日

印台と丸い地金と葉形の彫り見本(イメージ)

家紋を指輪やペンダントに入れる方法は、内側に刻む・表の面に彫る・紋を浮き出させるの3つです。費用と見え方を決めるのは、入れる場所と彫り方、それに素材です。

数字はいずれも工房や宝飾店が公式サイトに載せた料金で、税込と税の表示なしが混ざります。見積もりは「指輪やペンダントの代金に家紋の代金を足した、税込の総額」で読みます。

3つの入れ方

どれを選ぶかは、家紋を人に見せたいかどうかで決まります。

家紋の入れ方

内側に刻む

  • 結婚指輪にも入る(指輪に幅が要る)
  • 着けると見えない。自分だけが知る家紋
  • レーザーで刻む店がある。紋を黒く塗る形と白く抜く形がある

表の面に彫る

  • 印台(面の平らな指輪)やペンダントに
  • 人から見える。紋が主役になる
  • 刃物で彫る手彫りなら、深く彫れる

紋を浮き出させる

  • 紋の周りを彫り下げて、紋を高く残す
  • 周りの仕上げを変えて、紋を目立たせる

ある宝飾店は、内側の家紋は、紋を黒く塗る形と、白く抜く形のどちらでも入れられるとしています。2本の指輪に家紋を半分ずつ刻み、重ねると1つの紋になる「合わせ刻印」もあります。この店の合わせ刻印の料金は、「家紋の代金に、1本ごと3,300円を足す(2本分)」です。

表に彫る方法では、彫り方で深さが変わります。家紋の彫刻を専門にする店は、刃物で直接彫る手彫りは、表面に傷をつける程度のレーザー彫刻より深く彫れると説明しています。紋を浮き出させる作りには、ある工房の家紋の部分を磨き、周りを彫り下げて模様を付け、紋を浮き立たせたK18のペンダントの例があります。紋の形を地金から切り抜いて透かしにする作り方もあり、その場合は図案を見せて、細い線まで残せるかを聞きます。

公開されている料金

工房・宝飾店・家紋の専門店が公式サイトに載せている料金を、家紋だけの追加料金と、家紋入りの完成品の価格に分けて並べます。

作るもの 公開例
結婚指輪の内側に家紋1つ 家紋1個 22,000円・家紋1種類のデータ変換料27,500円〜(税込・指輪の代金とセッティング料は別)
両家の家紋を内側に 両家の家紋を入れて49,500円〜(税込・セッティング6,600円+データ変換42,900円〜)
新しく作る印台の面に家紋 家紋・ロゴの彫り 15,000円〜(データ作成込み・要見積り)
銀の家紋リング 銀の家紋リング(八角・最大幅15mm)71,500円(税込)
銀の家紋ペンダント 銀の家紋ペンダント(直径16mm)42,900円(税込・チェーン別)・銀の家紋ペンダント(縦横15mm・約5.5g)49,500円(税込・チェーン別)
K18の家紋ペンダント K18の家紋ペンダント(縦横22mm・約19g)1,155,000円(税込・チェーン別)

※ 他店の公開料金。内側の家紋と印台の面の家紋は、指輪の代金に足す額です。ペンダントの価格はチェーン別。税込と税の表示なしが混ざります。

いちばん費用を動かすのは素材と大きさです。同じ店の八角形のペンダントで、銀の家紋ペンダント(縦横15mm・約5.5g)49,500円(税込・チェーン別)に対して、K18の家紋ペンダント(縦横22mm・約19g)1,155,000円(税込・チェーン別)でした。大きさも違うので素材だけの差ではありませんが、K18は銀より地金の値段がずっと高く、この例では約19gの金を使います。

大きさだけでも変わります。ある銀細工の工房の価格は、銀の家紋ペンダント(直径16mm)42,900円(税込・チェーン別)、銀の家紋ペンダント(直径32mm)107,250円(税込・チェーン別)です。両面に彫る作りは、厚みを2倍にして両面に紋を浮かし彫りした銀のペンダント(直径25mm)154,000円(税込・チェーン別)です。

金やプラチナで作りたいときは、まず面の大きさと厚みを決めてから見積もりを頼みます。重さが決まらないと、地金の代金が決まらないからです。

作りたい物がいくらになるかは、イメージを送って工房に相談できます。

大きさと、彫れる細かさ

大きさを変えた葉形の彫り見本(イメージ)

家紋は、小さく入れるほど細部が省かれます。細かい紋を小さな面に入れたいなら、どこまで省くかを先に確かめます。

内側に入れるなら、指輪の幅が足りるかを見ます。ある宝飾店は、内側に家紋を入れるなら、指輪の内側の幅は4mm以上が勧められている(狭いと家紋を表しにくい)としています。細い結婚指輪では、紋の形を表しにくくなります。

複雑な紋は、省いた形で入れることがあります。ある宝飾店は複雑な家紋は、指輪に入れるときに一部を簡略化することがあるとし、例として下がり藤・上がり藤は、波の形の部分を平らにして指輪に刻むと書いています。表に彫る場合も、家紋の専門店は細かい部分は、紋がつぶれないように浅く彫ることがあるとしています。

面の大きさの例として、ある工房の印台には、印面が円形の基本デザインで、円の直径10mmのものがあります。手彫りの彫刻師の例では、12mm×12mmの面に細かい家紋を彫る依頼で、一部を省く・簡略化する場合があると了承を得てから受けたといいます。

形を事前に手に取って確かめたいなら、樹脂の模型を頼めるかを聞きます。ある工房の料金は、「樹脂の模型を家で確かめる 2,200円」です。

図案の用意

家紋を入れるには、家紋の名前か、はっきりした図案が要ります。用意するのは、次のどれかです。

  • 家紋の名前(「丸に下がり藤」など)
  • 白黒の家紋の画像。ある工房は家紋の画像データ(白黒・高解像度)があれば送るとしている
  • 紋付の着物・墓石・親の印台など、家紋の入った品を正面から撮った写真

よく使われる家紋を図案として用意している店では、名前を伝えるだけで足ります。用意のない紋は、図案を作る費用が加わる店があります。ある家紋の専門店は用意された約100種類にない家紋は、初回だけ版代が加わるとしています。内側に入れる例では、ある宝飾店が家紋1種類のデータ変換料27,500円〜(税込・指輪の代金とセッティング料は別)としています。

彫りの深さでも見積もりが変わります。ある工房は彫りの深さで見積もりが変わるとしているので、深く彫りたいなら、見本の写真を一緒に送ります。

手持ちの指輪や、親の印台に入れる

今持っている指輪の内側に、後から家紋を入れられることもあります。ただし、受けるのは貴金属の指輪だけという店があります。ある修理店は後から刻印を入れる指輪は、貴金属のものに限るとしています。

ある修理店では、内側の文字のレーザー刻印がレーザー(内側)10文字まで8,000円、以降1文字800円です。同じ店の料金の実例には、指輪に絵柄(世界地図)をレーザーで入れた実例 30,000円(税別)があります。この店では、模様や絵は文字と別に見積もります。刻印だけを頼む場合について、別の修理店は刻印だけを頼むと、諸経費1,000円が加わるとしています。文字の刻印の料金や、断られやすい指輪は指輪に後から刻印を入れる料金で確かめられます。

ペンダントの裏に、名前や日付を入れることもできます。ある工房は、表に家紋、裏に名前を彫る作り方がある。亡くなった父母の命日や名前、戒名を裏に彫る人もいると書いています。

親や祖父の家紋入りの印台がある場合は、新しく作る前に、その印台を活かす方法を比べます。面だけを切り取ってペンダントにすれば、彫られた家紋がそのまま残ります。方法と費用は印台リングのリメイクで確かめられます。

内側の家紋は、サイズ直しで消えることがある

内側に刻んだ家紋は、サイズ直しで一部が消えることがあります。ある修理店は、切る箇所に模様や刻印があると、外側・内側ともその一部分がなくなることがあるとしています。別の修理店は刻印のない位置で切るため多くの場合は刻印を残せると説明しています。家紋はサイズ直しで切る所から離れた位置に入れてもらい、サイズ直しのときは「内側の家紋を避けて切れますか」と先に聞きます。切る所と料金は指輪のサイズ直しの料金と日数にあります。

西洋の紋章の指輪

イギリスなど西洋で紋章を彫った指輪は、シグネットリングと呼ばれます。ある工房の説明では、シグネットリングは、ヨーロッパの貴族が印章や紋章を彫り、署名にも使った指輪です。西洋の紋章には個人を表す紋章と、家系で共通に使うクレストがあり、紋章の彫刻を受ける彫刻師は西洋のクレストは、家族や同じ家系で共通に使う紋で、日本の家紋に近いと説明しています。日本の家紋を入れたいなら、シグネットリング(印台)の面に家紋を彫ります。

期間

期間は、素材と彫り方で大きく変わります。

  • ある銀細工の工房は、銀の家紋ペンダントを4週間で作るとしています
  • ある家紋の専門店では、K18の家紋ペンダントは受注生産で、発送まで約5〜7週間です
  • ある手彫りの彫刻師では、手彫りのシグネットリングで、完成まで12か月ほど(目安)です

結婚式や法要、還暦などの日に合わせたいなら、その日付を最初に伝えて、間に合う作り方を聞きます。手彫りで深く彫る作りは時間がかかるので、日付が近いなら、内側のレーザーの刻印か、銀で作る方法を候補にします。

写真で分かること、現物で決まること

家紋の図案と、入れたい指輪やペンダントの写真があれば、入れ方の候補と省かれる部分の見当はつきます。細かな費用は、面の大きさと厚みが決まってからです。

写真で分かること・現物で決まること

写真で分かること

  • 紋の細かさと、内側・表・浮き出しのどれが向くか
  • 省かれそうな線や葉脈
  • 手持ちの指輪なら、幅と刻印の有無

現物で決まること

  • 内側の幅と厚みの実測(レーザーが届くか)
  • 刻印どおりの素材か(貴金属以外は受けないことがある)
  • 面の大きさと重さ(金・プラチナの地金代)

家紋の図案と、作りたい指輪やペンダント(手持ちの品なら正面と内側)の写真を送れば、入れ方と費用を相談できます。細部をどこまで残したいかと、使いたい日があればそれも書き添えてください。

今日やること

  1. 1家紋を確かめる家紋の名前を調べるか、紋付・墓石・印台の紋を正面から撮る
  2. 2入れ方と素材を決める内側に刻むか表に彫るか、銀・K18・プラチナのどれにするか
  3. 3写真を送って相談する「家紋(◯◯)を、◯◯の指輪(ペンダント)に入れたいです。面の大きさと素材ごとの税込の総額と期間、省かれる部分を教えてください」と書いて、図案と一緒に送る

出典