買った後の指輪にも、刻印を入れたり消したりする修理店や工房があります。料金は、文字を入れる場所(内側・外側・側面)と入れ方(手打ち・レーザー)で変わり、幅の細い指輪や貴金属以外の指輪は受けない店があります。
後から入れる刻印の料金(他店の公開料金)
修理店・工房・結婚指輪の店の6店が公式サイトに載せている料金表を、入れる場所と入れ方で並べると次のとおりです。
| 入れる場所と入れ方 | 公開料金の幅 |
|---|---|
| 内側・手打ち | 2,000円から3,000円 |
| 内側・レーザー | 3,300円から8,000円 |
| 外側・レーザー | 10,000円から15,000円 |
| 側面・レーザー | 16,000円 |
| 内側・手書きの文字 | 17,000円から |
| マーク(ハートなど1つ) | 5,000円 |
※ 文字の料金は10文字を入れるときの額です。税込・税別・税の表示なしが混ざり、「〜から」の最低料金の店もあります。他店の公開例で、同じ額で入れられるという意味ではありません。
ここでは、料金や決まりを何度か引く店をA店・B店…と呼びます。A店とB店は、11文字目から1文字ごとに料金を足します。外側・側面・手書きの料金を載せている3店(A店・B店ともう1店)は、どれも内側より高くしています。名前と日付を内側に入れるだけなら、手打ちかレーザーの内側で足ります。
刻印だけを頼むときは、諸経費も見込んでください。A店の料金表では、刻印のみの依頼は追加諸経費1,000円です。サイズ直しや仕上げ直しも頼むつもりなら、同じときに頼むと、A店ではこの費用がかかりません。サイズ直しの料金の決まり方は指輪のサイズ直しの料金で確かめられます。
手打ちとレーザー、どちらで入れるか
英大文字と数字だけでよく、長く残したいなら手打ちが候補です。ひらがな・漢字・筆記体・マークを入れたいときや、指輪が細い・薄いときは、レーザーが候補になります。
手打ち
- 文字の型を金属に打ち込む
- 深く入り、磨いても消えにくい
- 文字は英大文字と数字が中心
- 薄い指輪・中が空洞の指輪には向かない
レーザー
- 光で金属の表面に文字を書く
- 漢字・ひらがな・マークも入る
- 細い・薄い指輪でも形が変わりにくい
- 深くは彫れない
ある加工店は、手打ちは刻印が深く、長年の使用や研磨でも消えにくい。レーザーは表面層の変化で深い彫り込みには向かないと説明しています。
職人が手で彫る「手彫り」という入れ方もあります。ただし、A店は手彫りはきれいなフォントにならないと書いています。字の形をきれいにそろえたいなら、手彫りよりレーザーを選んでください。
漢字は、英数字より場所を取ります。C店の料金は、英数字ならレーザー彫り(アルファベット・数字)12文字まで7,500円(税別)、ひらがな・漢字ならレーザー彫り(ひらがな・漢字)10文字まで7,500円(税別)です。同じ料金でも、漢字のほうが入る文字が少なくなります。
入る文字の数は、指輪のサイズと幅で変わります。入れたい文字を紙に書いておき、「この文字はこの指輪に入りますか。入らないなら何文字までですか」と聞いてください。
自分の品だといくらで直るかは、壊れた所の写真を送って工房に相談できます。
指輪の外側に刻印を入れる
外側の刻印は、人から見えて、物にも当たる面に入ります。内側と比べて、料金・すり減り・サイズ直しの3つが違います。
料金は、外側にレーザーで10文字を入れる公開料金が10,000円から15,000円です(税別・税の表示なしが混ざります)。
同じ店で比べても、外側は内側より高くなります。A店は内側レーザー刻印(内側)10文字まで7,000円・追加1文字700円(税別)に対して外側外側レーザー刻印 10文字まで10,000円(税別)、追加1文字1,000円(税別)、B店は内側レーザー(内側)10文字まで8,000円、以降1文字800円に対して外側レーザー(リング外側)10文字まで¥15,000、以降1文字¥1,500です。
外側の文字は、物に当たって擦れる面にあるので、内側より薄くなりやすいと考えます。傷を消す磨きでも削れます。ある宝飾店は、刻印のない所を加工しても、仕上げの磨きで刻印が薄くなる場合があると説明しています。
外側に入れるなら、数年後に入れ直すときの料金も一緒に聞いておきます。
外側を一周する文字は、サイズ直しで一部が欠けることがあります。ある修理店は、切る箇所に模様や刻印があると、外側・内側ともその一部分がなくなることがあるとしています。サイズが変わりそうな指輪なら、文字を正面側に寄せて入れられるかを聞きます。
これから作る指輪なら、後から入れるより安く済む場合があります。ある工房は指紋の模様を外側に入れる料金を、指紋 外側レーザー15,000円/CADで原型に入れると5,000円追加(税抜)としています。作る前なら、作る段階で入れられるかを先に聞きます。
入れられない指輪と、断られたとき

断られやすいのは、幅が細い指輪、中が空洞の指輪、チタンなどの硬い金属の指輪、貴金属ではない指輪です。断られた理由が入れ方にあるなら、入れ方を変えて受けてもらえることがあります。
チタンの指輪で1度断られても、入れ方を変えて受けた例があります。ある修理店は、チタンを理由に複数の他店で断られた指輪に、彫刻機のケガキ刻印で対応した例を載せています。ケガキ刻印は、彫刻機の針で金属に細い線を刻む方法です。
内側に「K18」「Pt900」などの品位の刻印やブランドの刻印がある指輪は、その刻印を消さない位置に入れてもらいます。A店は、メーカー・ブランドの刻印は再刻印しないとしています。刻印の読み方は刻印図鑑で確かめられます。
刻印を消す:削るか、埋めるか
消し方は、表面を削って磨く方法と、彫った溝に金属を埋めてから磨く方法の2つです。公開例では削る方法のほうが安く、細い指輪や深い刻印では埋める方法が勧められています。
削って磨く
- 料金:2,000円から6,000円
- 指輪が少し薄くなる
- 浅い刻印・厚みのある指輪に向く
金属を埋めて磨く
- 料金:5,000円から10,000円
- 指輪の厚みが減りにくい
- 細い指輪・深い刻印に向く
ある修理店(D店)は、ふつうは削る方法をとったうえで、厚みが十分でない金・プラチナの指輪は、共付けやロー材流し(埋める方法)を勧めるとしています。共付けは、同じ金属を溶かして溝に足す方法です。ロー材流しは、溶かしたロー(金属どうしをつなぐ材料)を溝に流し込む方法です。削ると薄くなる点について、別の修理店(E店)は、研磨消しをすると金属がやや薄くなり、耐久性に支障が出る可能性があると書いています。
消して入れ直すのは、1回で済ませるつもりで文字を決めてください。ある結婚指輪の店は、刻印の削除は地金で埋めて削り・磨き直す。複数回繰り返すと耐久性が下がる可能性があると説明しています。
離婚や再婚で、刻印を消すか作り替えるかで迷っているなら、急いで決める必要はありません。離婚後の結婚指輪をどうするかで、保管・作り替え・地金として使う道と比べてから決められます。
写真で分かること、現物で決まること
指輪の正面・内側の写真と入れたい文字があれば、入れ方の候補と、文字が入るかの見当はつきます。厚みや素材が関わる判断は、現物を見てから決まります。
写真で分かること
- 指輪の幅と、内側の形
- 品位やブランドの刻印の位置
- 入れたい文字が入りそうか
現物で決まること
- 指輪の厚みと、中が空洞か
- 刻印どおりの素材か
- 消すとき、どれだけ薄くなるか
買った店に先に聞く
指輪を買った店があるなら、先に聞きます。公式サイトで料金を確かめた店のうち3店は、自店で買った指輪への刻印を無料にしています。ある店の案内では、刻印の入れ直し・刻印消しは有料(まだ刻印のない指輪への後からの刻印は初回無料)となっています。ある工房では、自工房で作った結婚・婚約指輪は刻印の入れ直し・消去・追加を無償(状態により有料)としています。
他店で買った指輪や、買った店がもうない指輪でも、刻印だけの依頼を受ける修理店はあります。D店は他店購入品・海外購入品も修理可能なら受け付けると書いています。一方で、あるオーダー専門の店はオーダー専門のため他社製品への刻印は受けないとしていて、受けない店もあります。
結婚指輪をこれから作るなら、後から入れるより、注文のときに入れるほうが費用を抑えられることがあります。注文のときの手打ち刻印を無料にしている店があるので、注文の前に刻印の条件を聞いておきます。注文の流れは結婚指輪のオーダーの費用と期間で確かめられます。
期間と急ぎ
納期を載せている2店では、3営業日から7営業日です。記念日に間に合わせたいなら、受け取りたい日を最初に伝えてください。
急ぐなら、即日の料金があるかを聞きます。B店の料金表には即日料金(当日〜3日以内の場合)¥1,500円とあります。一方でA店はレーザー刻印は特急対応できないとしていて、急ぎのレーザー刻印を受けない店もあります。
買った店で受けてもらえないときは、指輪の内側と幅が分かる写真に入れたい文字を添えて、写真で相談できます。受け取りたい日があれば、それも書き添えます。
今日やること
- 1文字を紙に書く入れたい文字(名前・日付・マーク)と、入れる場所(内側・外側)を決める
- 2買った店に聞く「御社で買った指輪に、後から内側の刻印を入れられますか。料金と期間を教えてください」
- 3写真を送って相談する「他店で買った指輪です。幅は◯mmで、素材はプラチナです。この文字は入りますか。税込の料金と、刻印だけの場合の追加の費用を教えてください」と書いて、正面・内側の写真と一緒に送る
