片方だけ残ったピアスは、もう一度両耳で着けたいかどうかで、することが決まります。両耳で着けたいなら、なくした片方を作り足します。片方で使えればよいなら、ペンダントに作り替える道があり、工房の公開例では作り足すより安く済んでいます。
中央値はどれも他店の公開例の集計で、同じ金額で作れるという意味ではありません。
作り足すか、作り替えるか
もう片方を作り足す
- 両耳でまた着けられる
- 公開例の中央値は29,000円
- 石や形によっては左右が少し違う
ペンダントに作り替える
- デザインはそのまま残る
- 公開例の中央値は11,000円
- ピアスとしては着けられなくなる
片耳だけで着ける
- 費用はかからない
- キャッチを替えて落としにくくする
※作り足しの6件のうち5件は、同じ1つの店の公開例です。ペンダントの5件は、加工代だけの例とネックレス代を含む例が混ざっています。
公開例の中央値で比べると、作り足しはペンダントにする加工の2倍以上です。どちらが向くかは、残った片方のデザインで分かれます。ある宝飾店は、真珠や1粒ダイヤのようなオーソドックスなデザインなら同じ物を作り、デザイン性のあるピアスの片方を同じ物として作るとコストがかさむため、ネックレス加工を提案としています。
迷ったら、作り足しの見積もりを先にもらいます。作り足しが予算に合わなかったときに、ペンダントに切り替えれば済むからです。逆に、先にペンダントにすると、ピアスに戻すにはもう一度加工が要ります。
ペンダントにする方法と費用

片方のピアスをペンダントにするには、チェーンを通す場所を作ります。作り方は、ピアスの形で3通りに分かれます。
| ピアスの形 | チェーンを通す方法 |
|---|---|
| 真珠1粒 | 針を外し、穴を開けて通す |
| 金具の多い形 | ポストを切り、上に金具を付ける |
| 表を残したい形 | 裏にチェーンを通すパーツを付ける |
ある宝飾店の作例では、1粒パールのピアスは針を外し、穴を開けてチェーンを通すとネックレスになると説明しています。ダイヤのピアスでは、チェーンを通すパーツを本体の裏側に付けると、表のデザインを変えずにペンダントにできるという作例があります。別の工房には、片方なくしたダイヤのピアスのポストとキャッチを溶かして、チェーンを通す金具(バチカン)を作り1粒ペンダントにした例もあります。
公開例5件の中身は次のとおりです。
| 公開例 | 元のピアス | 費用 |
|---|---|---|
| 公開例1 | シルバー | 8,000円(別途消費税) |
| 公開例2 | プラチナ・ダイヤ | 10,000円(加工のみ・税の表示なし) |
| 公開例3 | プラチナ・ダイヤ | 11,000円(税の表示なし・加工のみ) |
| 公開例4 | 真珠1粒 | 14,000円(税別・チェーン代込み) |
| 公開例5 | ダイヤ | 16,500円(税の表示なし) |
※他店の公開例。公開例4はネックレス代込み。公開例1・5はチェーン代が別か書かれていません。税は税別と表示なしが混ざっています。
チェーンを新しく買うと、加工代を超えることがあります。公開例2の店では、Ptチェーン20,000円を足して合計30,000円(税の表示なし)でした。家にあるチェーンを使えばこの代金はかかりませんが、留め具が弱っていないかを先に見ておきます。切れや留め具の直し方はチェーン修理の料金で確かめられます。金やプラチナのピアスなら、ある工房は切り取ったポストは地金として下取りでき、そのぶん安くなるとしています。
デザインを残さず、石だけを使って新しいペンダントに作り直す道もあります。ある宝飾店の公開例では、片耳の0.5カラットのダイヤを揺れるペンダントに作り直して129,000円(チェーン込み・税の表示なし)・約1か月でした。残ったデザインを生かす加工とは桁が変わるので、見積もりでは「ポストを切って金具を付けるだけの額」と分けて出してもらいます。
自分の品を何に作り替えられるかは、写真を送って工房に相談できます。
指輪や片耳用にする
片方のピアスは、指輪にもできます。片方だけ残ったK10のオパールのピアスを、K18の指輪にした例は44,000円〜(別途消費税)でした。指輪は輪の部分の地金を足すので、ペンダントより高くなります。指輪にする費用の決まり方は指輪リフォームの値段で確かめられます。
片耳だけで着けるなら、加工は要りません。落としにくくしたいなら、キャッチだけを替えます(下の「次になくさないために」)。
作り足すときに難しいこと
作り足しは、残った片方を見本に、同じ物をもう1つ作る作業です。ある宝飾店は、全く同じではないが、ほぼ同じ部品を探してもう片方を作った例を公開しています。
左右がそろうかは、石と作り方で決まります。
- ダイヤ:ある工房は、ダイヤのピアスの片方を作るときは、残った片方の石を外して測り、同じようなカット・クラリティ・カラットのダイヤを仕入れると説明しています。同じ大きさ・色の石が見つかるかで、見た目の差が決まります。
- 型を取って作る形:残った片方から型を取って作ります。同じ工房は、型の材料しだいで縮みが出て、左右の大きさがそろわなくなることがあると説明しています。型を取るあいだ残った片方を預けるので、預ける期間と、どの材料で型を取るかを聞きます。
- 真珠・色石:残った片方と色や大きさの近い珠や石を探します。見つかるかは、残った片方を見ないと分かりません。
作り足しの公開例6件は次のとおりです。
| 素材と石 | 片方の製作費 |
|---|---|
| K10 | 18,600円(税抜) |
| K18のフープ | 26,200円(税抜) |
| K18のデザインピアス | 28,000円(税の表示なし) |
| K18と真珠 | 30,000円(税抜) |
| プラチナと色のあるダイヤ | 34,000円(税抜) |
| K10とダイヤ | 35,900円(税抜) |
石の付いたピアスほど高くなっています。石代は、残った片方の石に合う石の値段で変わります。見積もりでは「石代はいくらで、左右でどこが違ってしまいますか」と聞いてください。
ブランドのピアスとセットの片方
ブランドのピアスは、作り替える前に、買ったブランドの店に聞きます。あるブランドは公式のよくある質問で、一部の商品に限り片方だけ注文でき、届くまで約2〜3か月かかる(残った片方と取扱説明書を持って行く)としています。別のブランドは、作れる品に限り、1組の代金の半額+10%程度・約1か月で片方を作ると案内しています。どの商品が受けられるかはブランドごとに違うので、残った片方を持って「片方だけ注文できますか」と聞きます。
キャッチだけをなくしたなら、本体はそのまま使えます。ブランドのピアスは、キャッチはブランドごとに違うので、持っているブランドの店で相談するよう案内されています。
ネックレスとピアスのセットで、ピアスを片方なくしたなら、2つを1つにまとめる方法もあります。ある工房は、片方なくしたパールピアスと、セットのペンダントのダイヤを合わせて1つのペンダントにした例を公開しています。セットの残りを合わせると、石の数が増えるぶん、作れる形の幅が広がります。
写真で分かること、現物で決まること
写真で決まるのは、作り替えの方法の候補と見当の金額までです。作り足しで合う石があるか、キャッチが合うかは、現物を見てから決まります。
写真で分かること
- ポストの付き方と、裏に金具を付けられそうか
- 石の留め方と、残したい表のデザイン
- 刻印(K18・Pt900・SV925など)
現物で決まること
- ポストの太さと、合うキャッチの軸径
- 石の大きさと色に合う石が見つかるか
- 無垢の貴金属か、真鍮やメッキか(真鍮はつなぐ加工が難しい)
残った片方の表・裏・横と刻印を撮って相談すると、作り替えと作り足しの両方の見当を並べて比べられます。両耳で着けたいのか、片方で使えればよいのかも書き添えます。
次になくさないために
残った片方のキャッチも、ゆるんでいないかを確かめます。宝石の研究機関の説明では、バネで挟むキャッチは、バネがゆるむとピアスを落としやすくなるとされています。
キャッチを替えるなら、ロック式のキャッチがあります。キャッチのメーカーは、軸の太さ0.6〜1.1mmのスタッド型ピアスに使えるロック式のキャッチを出しています。ポストの太さに合うかは品で違うので、残ったピアスを持って合わせます。
イヤリングが落ちやすい場合は、キャッチではなく金具の締め具合の問題です。痛い・落ちるイヤリングの金具交換で直し方を確かめられます。ほかの壊れ方の修理代はピアスの修理代、使わない両耳のピアスを別の形にするならピアスのリフォームにあります。
今日やること
- 1片方を撮る残った片方の表・裏・横と、裏の刻印(K18・Pt900など)を撮る
- 2両耳で着けたいかを決める両耳なら作り足し、片方でよいならペンダントか片耳用
- 3写真を送って相談する「ピアスを片方なくしました。もう片方を作る場合と、ペンダントにする場合の、税込の総額と期間を教えてください」と書いて送る
