古い指輪のメレダイヤ(脇や周りに並ぶ小さなダイヤ)は、集めれば新しい指輪やペンダントに使えます。何を作れるかは、石の数と、大きさ・色がそろっているかで決まります。
メレの数と大きさが分かれば、作れる形はおおよそ決まります。外す前に、指輪やネックレスに付いたままの状態で、数と大きさを確かめてください。
石の数で作れるもの
工房や宝飾店が公式サイトに載せた、手持ちのメレを使った作り替えの公開例を、石の数の順に並べました。どれも他店の例で、同じ額で作れるという意味ではありません。
| 石の数 | 作ったもの | 他店の公開例の額 |
|---|---|---|
| 1石 | ストレートリング | 30,000円(材料費込み・税抜・加工当時) |
| 5石 | 横並びのペンダント | 49,500円(チェーン込み) |
| 取り巻きの10石 | ハーフエタニティ | 額の記載なし |
| 22石と色石1石 | ひし形のペンダント | 54,000円(加工代金) |
| 30石 | ハーフエタニティ | 108,000円(下取り前) |
| 42石 | 両耳のピアス | 72,000円 |
※ ハーフエタニティは、指輪の前半分に石を一列に並べた形です。税抜の例と税の表示がない例が混ざり、22石と42石の例は加工代だけの額です。1石の例は、手持ちの金のジュエリーを溶かした地金で作っています。
一列に並べる指輪は、石の数が多く要ります。取り巻きの10石でハーフエタニティを作った例では、10石では少し足りず、同じような大きさと品質のメレを店で数石足しています。石が多ければ、両耳のピアスにも分けられます。42石の例は、すべての石を使い切る形にしています。
費用の幅と、下取りで引かれる額
公開例10件のうち、ハーフエタニティの指輪は88,000円から129,600円(1店の4件)、ペンダントとネックレスは49,500円から118,800円(2店の3件)でした。石は手持ちなので、払うのはほとんどが加工代と地金代(枠に使う金やプラチナの代金)です。加工代と地金代の決まり方は指輪リフォームの値段にあります。
古い枠を下取り(店が元の金属を買い取り、代金から引くこと)に出すと、その分が引かれます。引かれる額は枠の地金の重さで決まり、メレの石代は乗りません。30石のハーフエタニティの例では、下取りを引いた支払いは80,000円でした。42石のピアスの例で引かれた地金の下取りは2,268円で、枠が小さければ下取りも小さくなります。
外す費用と欠けの注意
メレを外す料金は1石ごとに決まっています。他店の公開料金では、作業だけなら1石550円から2,000円、作り替えと一緒に頼む場合の例は1石550円(リフォーム時の石外し)、メレの石外しを分けて出している店では1,000円〜(税別・1個)です。石が多い指輪は、外す代金も石の数だけ増えます。見積もりでは、外す作業の代金が加工代に入っているかを聞いてください。
自分で爪を起こして外すのはやめてください。石が欠けたり飛んでなくなったりするうえ、外したメレのルース(枠から外れた石)を受けない店もあります。ある工房は、直径2mm未満の小さな石(メレ)は、基本的に持ち込めないとしています。指輪やネックレスに付いたまま見せるほうが、数と状態を正しく見てもらえます。
元の枠の形のせいで、外したメレをそのまま使えないこともあります。新しい枠に合う大きさかどうかは、外す前に石の直径を測って決めます。使わなかった石の扱いも先に決めておきます。石をすべて外し、使わない石は返すと書いている工房があります。外す作業の料金と注意は指輪の石外しの料金でも確かめられます。
自分の品を何に作り替えられるかは、写真を送って工房に相談できます。
大きさや色がそろわないとき

大きさがそろったメレは、一列に並べる指輪に向きます。少しずつ大きさが違うメレは、ペンダントにするか、ばらばらに散らす形にします。
大きさがそろっている
- ハーフエタニティや、横一列の指輪にできる
- そろったメレをハーフエタニティにした公開例がある
少しずつ大きさが違う
- 大きい順に並べる、横一列のネックレスにする
- 星の形などに、ばらばらに散らして留める
- 丸みのある地金に敷き詰める形は、数を問わない
一列に並べると、少しの大きさの違いでも目に付きます。GIA(米国宝石学会)は、0.20mmほどの大きさの違いでも、見て気づかれることがあると説明しています。ある工房も、大きさが少しずつ違うメレだったので、指輪ではなくネックレスを勧めた例を公開しています。
色にも気を付けます。何本かの指輪からメレを集めるなら、指輪ごとの色の違いを、外す前に並べて見てもらいます。中石(真ん中の大きな石)と組み合わせる場合、GIA はメレの色が中石より暗い・淡いと、魅力がなくなると書いています。
色石の取り巻きに使われていたメレは、色石と分けて2本にする方法もあります。ある工房は、ルビーの取り巻きリング1本から、ダイヤのリングとルビーのリングの2本を作り、足りないメレダイヤは同じような大きさ・品質のものを店で調達した例を公開しています。2つの指輪を1つにまとめるなら、2つの指輪を1つにリメイクする費用の考え方が使えます。
足りないときは買い足す
石が足りないときは、同じような大きさと品質のメレを買い足して埋めます。買い足すメレの値段は、加工代に比べると小さな額です。
- ある工房の目安:約1.0mm 2,000円〜・約1.5mm 3,000円〜・約2.0mm 5,000円〜
- ある工房の事例:0.03カラットの小さなダイヤ1粒が2,100円(石を留める工賃は別)
- ある工房の実例:イヤリングのメレでピアスを作るときに1個足して2,000円(1個・税抜・当時)
※ 他店の公開例で、1粒あたりの値段です。石を留める工賃は別にかかります。
手持ちのメレを売って新しいジュエリーを買う考え方は、小さなメレには合いません。ある工房は、余ったメレは、下取りに出しても値段が付きにくいと書いています。手持ちのメレを使う価値は、売った額ではなく、元のジュエリーの石を身につけ続けられることにあります。買い足す石は、天然か合成か(ラボで作られたダイヤか)を見積もりに書いてもらってください。
写真で分かること、現物で決まること
写真で決まるのは、作れる形の候補と見当の金額までです。1粒ずつのそろい具合と欠けは、現物を見てから決まります。
写真で分かること
- 石の数と、留め方(爪か、彫り込みか)
- ものさしを当てた写真なら、直径の見当
- 指輪・ペンダント・ピアスのどれに足りるか
現物で決まること
- 1粒ずつの大きさと色のそろい具合
- 爪の下の欠けと、使える石の数
- 枠の地金の重さと、下取りの額
まず作れる形の候補と見当の金額を知りたいなら、指輪やネックレスに付いたまま、ものさしを横に当てて真上から撮った写真で相談することができます。そのとき「石は何個か」「指輪・ペンダント・ピアスのどれにしたいか」「古い枠は返却か下取りか」を書き添えると、数に合う形の案が出やすくなります。
預けるときは、次の2つを先に聞いておきます。
- 外すときや留めるときに石が欠けたら、どうするか。ある工房は、預けた石が加工中に欠けても補償はなく、代わりの石の提案・自分で用意・枠だけ受け取るのどれかを相談して進めるとしています
- 預けてからいつ受け取れるか。同じ工房の持ち込みの石の加工は、1〜2か月です。渡したい日があるなら、その日付を最初に伝えます
メレには1粒ごとの鑑定書がありません。ある工房も、メレダイヤ1粒ずつには鑑定書は付いていないと説明しています。預けるときは石の数と大きさを写真に残し、預かり控えに数を書いてもらってください。受け取るときに、返ってきた石の数をその場で数えます。
指輪にするなら、フルエタニティは避ける
メレを指輪の全周に並べるフルエタニティは、後からサイズを直せません。ある宝飾店は、全周にダイヤが入ったフルエタニティはサイズ直し不可と書いています。30石でハーフエタニティを作った工房も、後でサイズ直しができるよう、フルエタニティにせず地金の部分を少し残したとしています。指のサイズが変わるかもしれないなら、半周か、地金の部分を残す形を選んでください。石が並んだ指輪の修理は、エタニティ・パヴェの指輪の修理で確かめられます。
メレダイヤの線引き
メレダイヤは小さなダイヤのことで、どこからをメレと呼ぶかに決まった線はありません。GIA は重さが1/5カラット(0.2ct)未満の小さなダイヤや宝石、ある工房は0.1ct未満の小粒のダイヤ、別の工房は0.08ct以下の丸いブリリアントカットのダイヤ(0.18ctくらいまでは「ラージメレ」)としています。自分の石がメレに当たるかは、決めなくて構いません。相談するときは、カラットではなく、石の数と直径(mm)で伝えれば足ります。
元の指輪の形を残して首から下げるなら、形見の指輪をネックレス・ペンダントにする費用へ。真ん中に大きなダイヤがある指輪なら、中石の大きさから作り替え先を決めるダイヤの大きさ別のリフォームも合わせて読んでください。
今日やること
- 1石を数えて撮る指輪やネックレスに付いたまま、ものさしを横に当てて真上から撮る。石の数と、いちばん大きい石・小さい石の直径を控える
- 2写真を送って相談する「古い指輪のメレダイヤ◯個で、◯◯(指輪・ペンダント・ピアス)を作りたいです。外す代金を含めた税込の総額と、足りない石があればその代金を分けて教えてください」と書いて、ものさしと一緒に撮った写真を送る
- 3元の枠の行き先を決める返却か下取りか。迷うなら地金の価値の目安計算に重さと刻印を入れて目安を出す
