喜平(きへい。輪をつないで平らにつぶしたチェーン)のリメイクは、溶かして別の物にするか、切って長さや形を変えるか、そのまま直して使うかの3つに分かれます。どれを選ぶかで、かかる費用も、手元から減るもの(重さ・元の形・余ったコマ)も変わります。
ここに出てくる金額は、工房や宝飾店が自分の公式サイトに載せた料金と実例の集計です。同じ金額で作れるという意味ではなく、地金の相場と喜平の太さで変わります。
- 溶かして作る指輪の加工代
- 1本33,000円(加工代のみ) × 2本
- 指輪の内側の文字彫り
- 4,400円(2本分)
- 使い切らなかった地金
- 重さを量って買い取り、代金から差し引き
※ 元の喜平は30gで、仕上がりの指輪は男性用が約20g強、女性用が約8g強でした。
※ 税込か税別かは書かれていません。客の地金を使うので、新しい地金の代金は入っていません。
この例の支払額は、加工代と文字彫り代から、余った地金の買取分を引いた金額です。手持ちの地金を使うと、新しい地金の代金がかからず、支払いは加工代が中心になります。完成までは約1か月少々かかっています。
3つの道と、減るもの
まず、喜平をどう残したいかで道を選びます。費用の大きさより先に、「何が手元から減ってもよいか」で決めると迷いません。
溶かして別の物にする
- 指輪・ペンダントなど形が変わる
- 重さが減り、喜平の形は残らない
- 加工代が中心で、店ごとに可否が違う
切って長さや形を変える
- 喜平のまま短くする、残りで別の物を作る
- 外したコマは下取りか返却
- カット代と、要るなら溶接代
そのまま直す
- 留め具・ねじれ・くすみを直す
- 形も重さもほぼそのまま
- 中折れの金具は交換が高くつく
公開されている料金を、道ごとに並べると次のとおりです。
| 道 | 公開された例 |
|---|---|
| 溶かして指輪 | 1本33,000円(加工代のみ)/20,000円(税別・客の地金を使用) |
| 切って短く | 2面シングル8,800円〜、6面ダブル9,900円〜(税込) |
| 金具の交換 | 28,600円(税込)/65,000円 |
※ 別の店の公開例を並べたもので、税の表示がない例もあります。
溶かす道の目安として、ある工房は指輪を溶かして作り直す費用を約6万円〜10万円前後と案内しています。喜平が重いと、作る物に使い切れない地金が出ます。余りをどう扱うか(買い取り・返却・2本目に使う)で支払額が動きます。ほかの作業も含めた工房の公開料金は料金データで確かめられます。
溶かして作り直すとき
溶かすリメイクは、重さが減ることと、店によっては受けないことを先に知っておきます。公開されている説明は次のとおりです。
- 減る量の見込み:ある工房は、手持ちのジュエリーの総重量のおよそ10%の減りを考えて作ると書いています。
- 減り方:別の工房は、地金が多いほど目減り(溶かしたり磨いたりして減る分)も多くなると説明しています。
- 磨きでも減る:上の内訳を公開した宝飾店は、磨く作業で金属が粉になって飛ぶので、仕上がりと余りの重さの合計が元と合わないことがあると断っています。
ネックレスは溶接した部分が多いので、溶かす前に専門機関での分析(金属の中身を調べること)を勧める工房があり、分析の費用は別にかかります。チェーンにはロー材(溶接に使う別の合金)やメッキが含まれるとして、手持ちの地金は使わず新しい地金で作り、元の喜平は買い取って代金から引く工房もあります。
溶かす前に、喜平の重さと刻印から地金としての価値のおおよそを出しておくと、加工代と比べて判断できます。キッチンスケールで重さを量り、刻印(K18・Pt850など)と一緒に地金の価値の目安計算に入れてください。溶かして作り直す手順は溶かして作り直すリメイクで、指輪の値段の内訳は指輪リフォームの値段の決まり方で確かめられます。
自分の品を何に作り替えられるかは、写真を送って工房に相談できます。
切って短く・別の物にする
喜平の形を残したまま長さを変えるなら、カットを頼みます。喜平の長さ調整を受けるある宝飾店の公開料金は、喜平ネックレスで2面シングル8,800円〜、6面ダブル9,900円〜(税込)です。切った後に溶接が要る場合は、1か所3,300円が加わります。
ブレスレットでは、トリプル喜平を0.5cm(2コマ)短くして6,600円(税込)、約1週間で仕上げた公開例があります。喜平に限らないチェーン全般では、ある店の料金表で、カットして短くするのが1,100円〜(ロー付けが要る場合は4,400円)です。
外したコマは、下取りに出して代金から引くか、返してもらうかを選べる店があります。返してもらえば、そのコマを溶かして指輪の材料にする道も残ります。
切った側をブレスレットにするなら、両端に留め具が必要です。ある工房の料金表では、ネックレス用の金具はプラチナ4,400円〜、K18 5,500円〜(税込・金具だけの価格)で、これに取付代が別にかかります。少し太めの喜平には中折れ(板を折りたたんで差し込む留め具)が使われることがあり、その場合は金具代が大きくなります。
長くしたい場合は、コマを足すより、別の部品で足す方法を聞きます。ある喜平の販売店は、長くするには同じデザイン・同じサイズのチェーンが要ると説明しています。喜平のコマ足しはせず、留め具の横のプレートで長さを足した宝飾店の公開例もあります。チェーン全般では、アジャスター(長さを変えられる短いチェーン)を足す料金を5cmでK18 8,300円、Pt900 11,000円とする店があります。
留め具・ねじれ・くすみを直す

喜平をそのまま使い続けるなら、壊れた所だけを直します。費用がいちばん大きくなりやすいのは、中折れの金具を替えるときです。
| 直す所 | 公開された例 |
|---|---|
| 喜平の金具の交換 | 28,600円(税込)/30,000円+税/65,000円 |
| ねじれ・変形 | 5,000円+税 |
| 新品仕上げ | 3,300円〜(K18・税込) |
表の一番高い例は、18金の喜平の中折れ式の金具を交換したものです。この例を公開した工房は、少し太めの喜平には中折れ式の金具が使われると説明しています。中折れの交換は、ネックレスの幅や重さで部品代が大きく変わり、ある修理店の目安表では30,000円〜100,000円(税込の目安)と幅があります。開け閉めする部分が折れた例では、溶接では強度が出せないので金具ごと交換した、と上の工房が書いています。
ねじれは、編み込みの多いトリプルの喜平で起きやすいと書く工房があります。18金の12面トリプル喜平では、加工代8,800円から外した3コマの下取り1,192円を引いて7,608円、納期3週間という公開例がありました。
くすみや細かい傷は、新品仕上げ(磨き直し)で戻します。ある宝飾店は、喜平の磨きとゆがみ直しを10cmあたりPt850で約3,000〜5,000円、K18で約2,000〜4,000円(税別)としていて、仕上げ直しをすると重量が少し減ると書いています。何度も磨くと、そのぶん軽くなります。
喜平のチェーンが途中で切れたときは、ある工房の料金表では溶接の基本料金に加えて、喜平は幅で+2,000円(5mm未満)〜+10,000円(15mm以上)です。切れた場所ごとの料金はネックレスのチェーン修理で確かめられます。
刻印で先に確かめること
頼む前に、留め具やプレート(留め具の横の板)のあたりにある刻印を探します。刻印によって、受けてもらえる加工が変わります。
| 刻印 | 意味 | 先に聞くこと |
|---|---|---|
| K18・Pt850など | 金・プラチナの品位 | 溶かす基準に届くか |
| GP・K18GP | 金めっき | 加工を受けるか |
| [H]・中空 | 中が空洞 | 溶接・カットの方法 |
| 日の丸と数字の印 | 造幣局の品位証明 | 証明された品位として伝える |
GPは金めっきの記号で、中身は別の金属です。金・プラチナ・シルバー以外のアクセサリーを溶接しないと明記する工房や、喜平のカットをプラチナかゴールドだけとする店があります。K18GPの喜平は、溶かす・切るリメイクの前に、受けてもらえるかを写真で聞いてください。
中空の喜平は、刻印の品位の後に[H]か[中空]と表示する決まりがあります。中空の喜平は空洞のため通常の溶接ができず、別に作った輪を入れて溶接した工房の事例があります。
日の丸とひし形の数字の印は、造幣局が品位を試験して打つ証明の記号です。任意の制度なので、この印が無い喜平もあります。K18やPt850の文字だけの刻印は、造幣局の証明ではありません。刻印の読み方は刻印図鑑で確かめられます。
写真で分かること、現物で決まること
写真で決まるのは、受けられそうな道と、カットや金具交換の見当の金額までです。溶かす加工の可否と減る重さは、現物を量って調べてから決まります。
写真で分かること
- 刻印(K18・Pt850・GP・中空)と留め具の種類
- 幅と面の数、壊れている場所
- 切る・直す・溶かすのどれが候補か
現物で決まること
- 重さと、地金の下取りの額
- ロー材やメッキが混ざっていないか
- 中空かどうかと、溶接の方法
全体・プレートの刻印・留め具の3枚を撮って相談すると、受けられる加工と総額の見込みが分かります。重さを書き添えると、溶かす道の見当も付きやすくなります。
加工しないほうがいい場合
次に当てはまるなら、リメイクの注文は急がないでください。
溶かすか切るかで迷うなら、先に「切る」を選ぶと、後で選び直す余地が残ります。外したコマを返してもらえば、後から溶かして指輪にすることもできます。逆に、溶かした喜平を喜平に戻すことはできません。
今日やること
- 1重さと刻印を見るキッチンスケールで量り、プレートの刻印(K18・Pt850・GP・中空)を撮って地金の価値の目安計算に入れる
- 2残したい形を決める溶かして別の物にするか、切って短くするか、直して使うかを1つ選ぶ
- 3聞くことを書く「喜平ネックレス(刻印◯◯、◯g)を◯◯にしたいです。受けられるか、税込の総額、減る重さの見込み、外したコマや余った地金を返してもらえるかを教えてください」と書いて、全体・刻印・留め具の写真と一緒に送る
