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指輪を溶かして作り直す費用と目減り|溶かせない素材と、下取りとの分かれ目

更新 2026年10月26日・出典の最終確認 2026年10月25日

金の指輪と溶解用るつぼ、地金粒(イメージ)

地金(じがね)は、指輪を作っている金やプラチナの金属そのもののことです。溶かして作り直す途中で、地金の重さは減ります。これを目減りと呼びます。

ある店の公開例:プラチナの指輪3本を溶かして1本の指輪に仮の数字
持ち込んだ指輪3本の重さ
合計10.58g
完成した指輪の重さ
7.55g
減った重さ3.03g(持ち込んだ重さの約29%)

※ 店はこの例に「デザインによって変わります」と添えています。

この例では、3本ぶんの地金から1本の指輪ができました。手持ちの地金だけで作れるかは、作りたい指輪の重さに対して、手持ちがどれだけ多いかで決まります。ある店は、溶かして作るときは、作る物に使う量の1.5倍くらいの地金が要ると説明しています。

溶かせる素材と、断られることがある素材

素材ごとの可否を公式サイトに載せている4店(ここではA店〜D店と呼びます)の扱いは、次のとおりです。Pt900とK18イエローゴールドは4店とも受けています。ほかの素材は、店によって分かれます。

素材 受ける 断る・要相談
Pt900 4店 なし
Pt850 A・D B
K18YG(黄色い金) 4店 なし
K18WG(白い金) A C・D
K18PG(ピンクの金) C D
K14以下 C(K14) B・D
シルバー なし C

※ 載せていない素材は数えていません。B店は「K18以上・Pt900以上」を受け付けの目安としています。

断る理由として、D店はホワイトゴールドとピンクゴールドについてK18WG・K18PGは再加熱でぼそぼそになったりヒビが入ったりしてリフォームが困難と書いています。純度の低い金については、B店が純度が低い地金はうまく溶けなかったり、製品の不良の原因になると説明しています。

金とプラチナを分けるには、分析が要ります。ある店は、地金の分析は専門機関しかできず、分析費用がかかると書いています。刻印がどの素材か分からないときは、刻印図鑑で読み方を確かめられます。金貨を身につけたいなら、溶かさずに枠に入れる方法があります(コインをペンダントにする加工)。

目減りはどれくらいか

店の見込みは総重量のおよそ10%から3割ほどと、店で違います。重さを公開した例は次の2件です。

公開例 減り方
公開例1:指輪3本→指輪1本 3.03g(持ち込んだ重さの約29%)
公開例2:指輪1本→ペンダントトップ 3.6g(元の重さの約24%)

※ どちらもプラチナ。公開例2は、14.7gの指輪が11.1gになった例です。デザインで使わなかった地金も、減った分に含まれます。

減るのは、溶かした後に叩き、削り、磨くからです。B店は、指輪の形に仕上げるまでに削ったり研磨したりするため減ると書いています。割合は店で違うので、聞くときは「この重さで、完成は何gになりますか」と重さで聞きます。

減る重さが金額でいくらかは、刻印と重さが分かれば地金の価値の目安計算で出せます。重さ×品位(金属に含まれる金やプラチナの割合)×その日の公表価格で計算します。

自分の品を何に作り替えられるかは、写真を送って工房に相談できます。

余った地金と、足りない地金

指輪の地金見本と端材、追加の粒金(イメージ)

足りないときは、新しい地金を足して作ります。足した地金の代金は、加工代とは別にかかります。複数の店が地金が足りない場合は追加料金がかかると案内しています。

余ったときについて、ある店は溶かして余った地金の代金を工賃から引くとしています。余りを返してもらうか、代金から引いてもらうかは、見積もりの前に聞いておきます。

鋳造と鍛造で、工賃と仕上がりが変わる

溶かした地金から指輪を作る方法は2つです。鋳造(ちゅうぞう)は、溶かした地金を型に流して固めます。鍛造(たんぞう)は、溶かした塊を叩いて伸ばし、輪に曲げます。

鋳造で手持ちの地金を使うと、工賃が上がります。ある店の説明では、ふだんは型をまとめて鋳造します。客の地金はほかの地金と混ざらないよう1点だけで鋳造するので、工賃が高くなるとしています。別の店は、客の地金を使うのは、鋳造ではまず不可能、鍛造でも必ず地金を足すと書いています。

鋳造と鍛造で変わること

鋳造(型に流して作る)

  • デザインの型に流して固める
  • 手持ちの地金は1点だけの鋳造になり、工賃が上がる
  • 1点だけ固めると空気が入りやすい

鍛造(叩いて締める)

  • 塊を叩いて伸ばし、輪に曲げる
  • シンプルな形が中心
  • 叩くことで、中の小さな穴を締められる

1点だけ溶かして固めた地金について、ある店は1点ずつ工房で溶かして固めると空気が入り、精製した地金より耐久性が低くなると書いています。どちらで作るかで工賃と強さが変わるので、見積もりの前に作り方を聞きます。

形は、シンプルなほど作り直しやすくなります。B店は溶かして作れるデザインはシンプルなストレートタイプの指輪としています。A店は厚みが薄く平たいデザインは加工途中で地金が割れるため不向きな場合があると書いています。細い・薄い・透かしのある形を望むなら、下取りして新しい地金で作るほうが向きます。

費用と期間

溶かして指輪を1本作る費用は、他店が公開している目安で6万円から10万円です。新しい地金で作るより高くなりやすく、ある店は溶かす・伸ばす・叩く工程が加わるので料金は高くなるとしています。

作るもの 公開された費用
指輪1本 6万円から10万円
複数の指輪を溶かして指輪1本 加工代77,000円
結婚指輪2本(手持ちの地金で足りる場合) 143,000円〜
叩いて作るプレートのペンダント 約2万円〜4万円前後(チェーン別)

※ どれも他店の公式サイトに載っている料金で、税込か税別かの表示はありません。1行目は2店の目安の最小と最大です。足りない地金の代金と、分析が要るときの分析費用は含みません。

溶かして作るものごとの費用
プレートのペンダント約2万円〜4万円前後
指輪1本6万円から10万円
複数を溶かして指輪1本(加工代)77,000円
結婚指輪2本143,000円〜

見積もりは、ある店が示す式「リフォーム費用=加工代+追加地金代+追加石代−下取」の項目に分けて読むと比べやすくなります。項目ごとの決まり方は指輪リフォームの値段で確かめられます。

完成までの期間は、C店が地金を溶かして結婚指輪を作る例で約4〜6週間です。記念日に合わせたいなら、その日付を最初に伝えます。

溶かすか、下取りか、残すか

Pt900かK18YGで、作りたい指輪より重さに十分な余裕があるなら、溶かして作る道があります。重さが足りない、ホワイトゴールド、形を自由に選びたい、のどれかなら、下取りして新しい地金で作るほうが向きます。刻印や形を残したいなら、溶かしません。

3つの選び方

溶かして作り直す

  • 元の金属を引き継げる
  • 重さが減り、足りなければ地金を足す
  • 形はシンプルなものが中心

下取りして新しい地金で作る

  • 下取りの額を代金から引く
  • 形・素材を自由に選べる
  • 元の金属は手元に残らない

そのまま残す

  • 刻印・形がそのまま残る
  • 使わないまま保管する

溶かして作るA店でも、メーカーごとに配合が違う金属を混ぜて加工すると、品質の低下や溶接の不良が起きることがあるため、下取りして新しい地金で作る依頼のほうが多いとしています。手持ちの地金は下取りとしてリフォーム費用に充てる方法も一般的とも書いています。

金額の差は、相場の種類から生まれます。ある店によると、買う時の小売相場と売る時の買取相場には約8%程度の差があり、買取相場のほうが安いです。下取りは安いほうの相場で計算され、新しい地金は高いほうの相場で買うことになります。同じ店は、新しい地金の材料費を地金相場の約2倍で見積もると説明しています。手持ちで足りるなら、溶かす分の工賃の上乗せと、この差を比べて決めます。

形見の指輪を、形や刻印を残したまま身につけたいなら、形見の指輪をネックレス・ペンダントにする費用と流れで方法を確かめられます。

複数の指輪をまとめて溶かす

まとめて溶かせるのは、素材が同じもの同士です。B店はK18イエローゴールド同士なら複数点を合わせて溶かせるとし、別の店は結婚指輪2本を1本にするのは、2本の素材が同じなら可能な場合が多いと答えています。

素材が違う物は、一緒に溶かせません。プラチナのチェーンを混ぜるのも避けます。D店は、プラチナのチェーンは溶接材が使われているため、溶かすとプラチナの割合が変わると書いています。

石が付いた指輪は、石を外してから地金を溶かします。外した石を新しい指輪に留め直すときの費用と注意は、石を持ち込んで指輪を作るときで確かめられます。

写真で分かること、現物を見ないと決まらないこと

写真で分かるのは、溶かす前に決められることです。

  • 刻印の文字から、素材のおおよその見当(Pt900・K18・WG・GPなど)
  • 石の有無と留め方、外して残す石
  • 形が溶かすのに向くか(厚み・透かし・チェーンかどうか)
  • 何本をまとめたいか、素材がそろっているか

現物を見ないと決まらないのは、重さと中身です。

  • 石を外した後の正確な重さと、完成重量・足す地金の量
  • 刻印どおりの素材か:ある店は刻印があっても、実際の素材の状態を確かめる必要がある場合があるとしています
  • ロー材(つなぐための合金)やめっきがどれだけ混ざっているか、分析が要るか

まずは正面と内側の刻印の写真で、溶かせる素材か、溶かすより下取りや残す方が合うかを写真で相談して確かめられます。重さが分かればメモを添えると、足す地金の見当まで話が進みます。

今日やること

  1. 1刻印と重さを調べる内側の刻印を撮り、石のない物はキッチンスケールで重さを量る。地金の価値の目安計算で目安を出す
  2. 2溶かすか決める刻印や形を残したいなら溶かさない。めっき・金張り・金貨は溶かす材料から外す
  3. 3写真を送る「Pt900の指輪2本、合計◯gを溶かして指輪1本にしたいです。鋳造と鍛造のどちらで作りますか。完成は何gになるか、足りない地金の代金と、余った地金の扱いを教えてください」と書いて、正面・内側の刻印の写真と一緒に送る

出典