ペアリングを結婚指輪にする道は、指輪の内側の刻印(素材の記号)で分かれます。プラチナかK18なら、溶かして作り直す道と、形を整えてそのまま使う道があります。シルバーやK10は溶かして使うのが難しいので、デザインを写して新しい金属で作るか、今のまま整えて使います。
刻印で分かる、取れる道
最初に、2本の指輪の内側の刻印を読みます。素材の記号が、取れる道を決めます。
| 刻印 | 素材 | 溶かして使う | 取れる道 |
|---|---|---|---|
| Pt900・Pt950 | プラチナ | できる | 溶かす・整える |
| K18 | 金 | できる | 溶かす・整える |
| K10・K14 | 金の少ない合金 | 難しい | 写して作る・整える |
| SV925・Silver | シルバー | 難しい | 写して作る |
| K18GP・GP | 金メッキ | できない | 写して作る |
| Ti・SUS | チタン・ステンレス | 難しい | 写して作る |
※ 「整える」は、サイズ直しや磨き直し・刻印の追加で、今の指輪のまま使うことです。「写して作る」は、今の指輪の形を見本にして、新しい金属で作ることです。
溶かせるのは、金やプラチナの割合が高い地金だけです。ある工房は、受け付けの目安をゴールドはK18以上、プラチナはPt900以上が受け付けの目安としています。K10やK14については、別の工房がK14以下は仕上がりが綺麗にならない可能性があり要相談としています。
シルバーは、溶かしての作り直しを受けない工房があります。ある修理店は、シルバーについて「シルバーは溶かして作り直すのが非常に難しく、加工中に酸化しやすく強度や仕上がりに問題が出やすい」と説明しています。GPはGP=金めっきの記号で、表面だけが金です。チタンやステンレスは、チタン・ステンレスは融点が高く硬く、一般的な宝飾用の機材では加工が難しいとされています。
刻印が読めない、または刻印が無いときは、素材が分かりません。刻印がない金・プラチナは本物?で確かめます。
3つの道の選び方
道は、元の指輪に何を残したいかで選びます。
整えてそのまま使う
- 形・刻印・思い出がそのまま残る
- 素材と細さは今のまま
- サイズ直しと磨き直しで整える
溶かして作り直す
- 元の金属が新しい指輪になる
- 刻印と元の形は消える
- Pt・K18のペアリングだけ
形を写して新しく作る
- 元の指輪は手元に残る
- どの素材のペアリングでもできる
- 金属代が新しくかかる
整えてそのまま使う
プラチナかK18のペアリングで、形が好きなら、サイズ直しと磨き直しで結婚指輪として着け続けられます。刻印を足したいなら、内側に日付や名前を彫り足します。
シルバーやK10のペアリングは、整えても素材は変わりません。ある宝飾店は、他店で購入したシルバー製リングはすべてサイズ直し不可としています。断られたときの次の手は指輪のサイズ直しができないときにあります。シルバーのまま、磨き直しと内側の刻印の追加で結婚指輪として着ける道もあります。素材ごと変えたいなら、次の「形を写して新しく作る」を考えます。
溶かして作り直す
プラチナかK18の2本を溶かし、結婚指輪に作り直します。ペアリングの金属が、そのまま二人の結婚指輪になります。
手持ちの指輪を溶かして1本作る料金は、他店の工房の公開例で55,000円から10万円です(3店・税の表示なし)。ただし、細いペアリングでは金属が足りないことがあります。足りるかの考え方は、次の章で見ます。2本を1本にする・刻印を入れ直すなど、結婚指輪の作り直し全般は結婚指輪のリフォーム・作り直しの費用にあります。
形を写して新しく作る
ペアリングの形を見本にして、プラチナや金で同じ形の指輪を作ります。ある工房は、他店で買った指輪でも、写真やスケッチから同じデザインで作れるとしています。
元のペアリングは、そのまま手元に残ります。他店が公開している、プラチナの結婚指輪を新しく1本作る料金の中央値は99,000円です(5店・幅や作り方はそろっていません)。
自分の品を何に作り替えられるかは、写真を送って工房に相談できます。
細い指輪を溶かして足りるか

溶かして作るなら、作る指輪より多めの地金が要ります。ある工房は、1.5倍くらいの量の地金が必要としています。削ったり磨いたりして減るからです。
- 作る指輪の重さ
- Pt900 39,800円/g×3.0gの例で 3.0g
- 用意したい地金の倍率
- 1.5倍くらい
※ 指輪の重さは、幅・厚み・号数で変わります。計算の仕方を見せる例です。
細いペアリング1本が、新しく作る指輪より軽いなら、その1本だけでは足りません。足りない分は新しい地金を足して作ります。ある工房は、地金が足りない場合は追加料金がかかるとしています。減る量は店で違い、別の工房は総重量のおよそ10%の減りを見込んで作るとしています。
細い指輪を幅の広い指輪に変えるのも、溶かさなければ難しいです。ある店は、幅広を細く削るのはできるが、細身を幅太にするのは難しい場合が多いとしています。今より太い結婚指輪にしたいなら、溶かして作り直すか、新しく作るかです。
2本の重さを量ると、足りるかの見当が付きます。金属としての価値は地金の価値の計算で出せます。溶かすときの目減りや断られる素材の詳しい話は、指輪を溶かして作り直すにあります。
刻印とデザインを残す方法
溶かすと、内側の刻印も外側の模様も消えます。残したいものによって、方法を分けます。
| 残したいもの | 方法 | 他店の公開例 |
|---|---|---|
| 内側の文字 | 新しい指輪に彫り直す | 10文字まで3,000円、以降1文字300円 |
| 内側の文字(機械) | レーザーで彫る | 10文字まで7,000円(税別)、追加1文字700円(税別) |
| 外側の形・模様 | 写して新しく作る | 新しく作る料金 |
| 指輪そのもの | 重ね付け・別の指に着ける | かからない |
※ 刻印の料金は1店ずつの公開例で、税の表示は店によって違います。
ペアリングに入っていたブランドのロゴは、作り直した指輪には戻りません。ある工房は、メーカー・ブランドの刻印は再刻印しないとしています。サイズ直しで指輪を切る場合も、切る所に模様や刻印があると、外側・内側とも、その一部が無くなる可能性があるとされています。
元のペアリングを残して、結婚指輪と重ねて着ける方法もあります。重ねるつもりなら、結婚指輪の幅を決める前に、ペアリングの幅を測っておきます。
写真で分かること、現物で決まること
写真で決まるのは、3つの道のどれが候補になるかと、見積もりの見当までです。溶かして足りるかは、現物を量ってから決まります。
写真で分かること
- 内側の素材の刻印(Pt900・K18・SV925など)
- 幅と、外側の模様の有無
- 彫ってある文字
現物で決まること
- 2本の重さと、地金が足りるか
- 刻印どおりの素材か、混ざり物
- 模様を写せるか、厚みは足りるか
2本の内側と外側の写真があれば、写真を送って相談することができます。素材の刻印と二人の号数を書き添えると、溶かす・写す・整えるのどれで残せるかの見当が出やすくなります。
二人のサイズが変わったとき
付き合っていたころから指のサイズが変わっていても、サイズ直しで合わせる道があります。ただし、大きく変えると受けられないことがあります。ある工房は、元のサイズから±3号以上の極端な変更は対応できないことがある(強度・真円が保てない)としています。
| 素材 | 直し方 | 他店の公開料金の中央値 |
|---|---|---|
| Pt・K18 | 小さくする | 2,500円 |
| Pt・K18 | 大きくする | 2,500円+地金代 |
| シルバー | 小さく・大きく | 2,000円 |
※ 「〜から」の価格の中央値で、税込・税別・税の表示なしが混ざります。シルバーの指輪の直し方はシルバー925の修理・サイズ直しの料金にあります。
3号近く変えたいなら、溶かして作り直すか、新しく作る見積もりも一緒に聞きます。号数ごとに足す金属の目安は号数と地金の増減の計算で出せます。サイズ直しの料金の細かい内訳は指輪のサイズ直しの料金と日数にあります。
ブランドのペアリング
ブランドで買ったペアリングを元の形のまま直すなら、先に買ったブランドに聞きます。ある工房は、ブランド品は販売店以外で修理すると保証が受けられなくなると注意しています。
溶かして作り直す、形を写して別の金属で作る、のどちらかに決めているなら、ブランドの保証は関係なくなります。決める前に、保証書の期間を確かめておきます。
結婚指輪をはじめから作るときの決め方は結婚指輪をオーダーメイドで作る費用と流れ、作ったばかりの指輪を直すときは結婚指輪・ペアリングの作り直しにあります。
今日やること
- 1刻印を読む2本の内側の素材の記号(Pt900・K18・SV925など)と、彫った文字を控える
- 2二人の号数を測る付き合っていたころから変わっていないか、今の号数を確かめる
- 32本を撮る正面・横・内側の刻印を撮り、残したいもの(刻印・形・指輪そのもの)を1つ決める
