重いピアスは、重さの原因がどこにあるかで直し方が変わります。傾く・ずり下がるだけならキャッチを替えて済むことがあり、耳たぶごと引っ張られるなら作りを直して軽くします。
重さの原因で直し方が決まる
「重い」と感じる理由は、1つではありません。鏡の前でピアスを着けて、次のどれに近いかを見てください。
| 着けたときの様子 | 主な原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 耳たぶごと下に引っ張られる | 全体の重さ | 作りを軽くする |
| 飾りが前に傾く・回る | 重心が上や前 | キャッチ・作り替え |
| 着けているうちにずり下がる | キャッチの緩み | キャッチの調整・交換 |
| 通すときから痛い | ポストが太い | ポストを細くする |
前に傾く・回るピアスは、重さの位置の問題です。ある工房のコラムには「上側の地金に重さがあり、着けているうちに下がったり、耳元で回ったりする」という相談があり、石を中心に枠を組み直す作り替えについて石を中心に石座を組む6本爪のスタッドにすると、重心のバランスが取りやすくなると説明しています。爪で石を留め直す作業の費用の決まり方は指輪の爪の修理代が参考になります。
何グラムから重いか
「片耳で何グラムを超えたら重い」という基準は、医療機関や業界団体の公式ページでは見つかりませんでした(2026年10月25日に検索)。ネットで見かける数字は、出典の書かれていないものです。
基準を探すより、手持ちのピアスを量って比べるほうが確実です。料理用のデジタルスケールで、楽に着けられるピアスと重いピアスを1つずつ量ります。差が分かれば、どこまで軽くしたいかを数字で伝えられます。
先に耳の状態を見る
重さは、穴に毎日かかり続けます。形成外科の医師のブログでは、重いピアスほど、穴にかかる負担が大きくなるとし、穴は引っ張られる方向へ少しずつ伸び、縦長の穴に変わっていくと書いています。
穴の伸びは気づきにくいものです。形成外科の解説では、途中まで裂けて穴が縦長に広がる状態は少しずつ進むので、自分では気づきにくいとしています。裂けた耳たぶは、ピアスを軽くしても元には戻りません。同じ医師のブログでは、穴の下が切れて耳たぶが裂けると、手術をしない限り元の丸い形には戻らないとされています。痛みがピアスの重さのせいかどうかは、自分で決めずに医師に確かめてください。
手元の石でどんな形にできるかは、石と枠の写真を送って工房に相談できます。
キャッチを替えて済む場合

飾りが前に傾く・ずり下がるだけなら、作り替える前にキャッチを替えます。キャッチは単品で買えるので、加工より先に試せます。
耳の裏を支えるキャッチ
- 板が耳の裏に当たり、傾きを起こす
- 重さそのものは減らない
- 公開例は2個で220円
ロック式の地金のキャッチ
- 外れにくく、ずり下がりにくい
- 合うポストの太さが決まっている
- 公開例はK18・プラチナのロック式キャッチ 2,530円(税込)
耳の裏を支えるキャッチは、ある販売元によると耳の裏に当たる支えの付いたキャッチは、下を向くモチーフを持ち上げ、少し重いピアスの重さを和らげるとのことです。ロック式は、ポストの太さに合うものを選びます。ある販売元は地金のロック式キャッチは、合うポストの太さが決まっている(0.65〜0.7mm用・0.9mm用など)としているので、買う前にポストの太さを店で測ってもらいます。
今のキャッチがずり下がるなら、バネの調整も頼めます。宝石の研究機関の職人向けの解説では、キャッチのバネの強さの調整は、宝飾店の職人がふだん受けている仕事とされています。ただし同じ解説によると、バネを締めすぎると、付け外しのときに不快だったり痛んだりするとのことです。シリコンのキャッチについて、ある宝石店は一般的なシリコンのキャッチは、3〜4年でシリコンが劣化し、留める力を失うことが多いとしています。
キャッチを替えても、耳たぶにかかる重さは変わりません。耳たぶごと下に引っ張られるなら、作りを直します。
作りを直して軽くする
重さを減らすには、ピアスの一部を外すか、軽い作りに直します。どこまで変えるかで費用が変わります。次の表は、工房や宝飾店が公式サイトに載せた他店の例です。
| 公開例 | 直した内容 | 費用 |
|---|---|---|
| 公開例1 | ぶら下がる部品を外す | 4,000円 |
| 公開例2 | 真ん中の軸を外す | 6,000円 |
| 公開例3 | 揺れる部分を全部外し、直付けにする | 7,000円 |
| 公開例4 | 揺れる形を直付けの形に作り替える | 28,000円(税抜) |
※ 公開例1〜3は同じ店が2個(両耳)を加工した2019年の料金で、税の表示なし。公開例4は加工当時の税抜で、地金の下取りを引く前の額。
一番安く済むのは、ぶら下がる部品を外すだけの直し方です。公開例1の店は、下にぶら下がっている部品を取り除き、取り除いた面を磨いて仕上げるとしています。公開例3では、ぶら下がる部分をすべて取り除き、石の裏に板を張って新しいピアスの軸を付ける直し方をしています。どちらも、残す部分の形はそのままです。同じ店は、ピアスは2個を加工するので、少し割高に感じるとも説明しています。
外した部品の扱いは、頼む前に決めます。公開例1〜3の店では、取り除いた部品は、店が買い取ったとのことです。取っておきたいなら、最初に「外した部品は返してください」と伝えます。
作り直すときに軽くできること
石だけを使って新しい形に作り直すなら、費用は上がります。ピアスを別のデザインのピアスにした公開例9件の中央値は、28,000円でした。作り直すときは、次の3つを聞いてみます。
- 中を空洞にできるか:ある宝石店によると、よくあるピアスは中が空洞(中空)で、中まで地金の詰まったピアスはしっかり重くなるとのことです
- 素材を変えられるか:ある工房は、プラチナで作ると、同じデザインでも銀の2倍の重さになるとしています
- CADで設計するか:ある宝石店は、ワックスで作ると重くなりがちな形も、CADなら比較的軽くすっきり作れるとしています
ダイヤや真珠の付いたピアスは、熱をかける作業に注意が要ります。ある宝飾店は、ダイヤは熱に弱く、ピアスの金具を作り替える加工では特に注意が要ると説明しています。デザインごと変える作り替えの費用はピアス・イヤリングのリフォーム費用にあります。
ポストが太い・耳たぶが厚い
通すときから痛いなら、重さではなくポストの太さが原因です。ポストを細いものに替えるか、削って細くします。ある店は、構造上ポストを替えられないピアスで、耳の穴に通る部分だけを0.75mm近くまで削って細くした例を公開していて、費用は2個で10,000円(税別)でした。ポストを新しく替えた公開例5件の中央値は9,350円です。素材と太さの選び方はピアスのポスト交換で確かめられます。
耳たぶが厚くて重い飾りが前に倒れるなら、長いポストに替える方法もあります。耳たぶが厚く外れやすい人がロングの針に替えた例は、14,960円(プラチナ)でした。
写真で分かること、現物で決まること
写真で分かるのは、どこを外せそうかと、直し方の候補までです。何グラム軽くなるかと、熱をかけてよいかは、現物を見て決まります。
写真で分かること
- 揺れる部分と、つなぎ目の位置
- ポストの付け根と刻印
- 石が爪で留まっているか
現物で決まること
- 外したあとの重さと、仕上がりの形
- 石を外さずに熱をかけられるか
- ポストの太さと、合うキャッチ
量りに載せた写真と、正面・横・裏の写真がそろったら、写真で相談することができます。そのとき「片耳◯g。残したい部分はここ」と書き添えます。
作り替えないほうがいいケース
ブランド品について、ある修理店は「ブランド品は販売店以外で修理すると保証が受けられなくなる」と注意しています。
ピアスの穴を休ませたいなら、ピアスをイヤリングに替える道もあります。方法と費用はピアスをイヤリングに変える方法にあります。ポストが折れた・片方なくしたなど、壊れたピアスの直し方はピアスの修理代へ。
今日やること
- 1重さを量る料理用のスケールで、重いピアスと楽に着けられるピアスを1つずつ量る
- 2耳を確かめる穴が縦長に伸びた・痛みが続くなら、先に皮膚科か形成外科へ行く
- 3写真を撮って聞く「重くて耳たぶが下がるピアスを軽くしたいです。片耳◯gです。揺れる部分を外す場合と直付けにする場合の、税込の総額を教えてください」と書き、量りに載せた写真と正面・横・裏(ポストの付け根と刻印)の写真を添える
