金やプラチナの時計のベルト(ブレスレット)は、切れても、ベルトだけを溶接やピンの交換で直せることがあります。直せるかは作りで決まり、時計修理店も現物を見てから答えるとしています。ベルトは本体の機械(ムーブメント)とは別の部品なので、本体が動いていれば、ベルトの修理とは分けて考えられます。
壊れ方で直し方が変わる
ベルトのどこが壊れたかで、直し方と料金が変わります。まず、手元のベルトが次のどれに当たるかを見てください。
コマの途中で切れた・コマが割れた
- 切れ目を溶接でつなぐ
- 同じ素材のローで補強する
ピンが抜けた・折れた
- ピンを作って付け直す
- 折れたピンは穴を開けて替える
中留め(留め金具)が壊れた
- 金具の付け根を溶接する
- 純正の金具だけの交換はできないことがある
伸びた・たるむ
- コマとピンのつながりを調整する
- 擦り減った部分は交換になる
ある時計修理店は、レーザーで溶接した所に時計ベルトの素材には、ステンレス・チタン・K18などがある。レーザー溶接の部分に、同じ素材のロー(溶かしてつなぐ金属)を差して強くすると説明しています。金のベルトなら、金のローでつなぐということです。溶接の跡について、同じ店は「溶接の跡はきれいに仕上げるが、完全には消えない」と書いています。
公開されている修理代
次の表は、ある時計修理店1店が公式サイトに載せている、ベルトの修理の事例の料金です(2026年10月25日に確認)。
| 壊れ方 | 公開事例の料金 |
|---|---|
| コマを2つ外して短くする | 2,000円(税抜) |
| 抜けたコマにピンを付ける | 4,000円(税抜) |
| コマの溶接が取れた | 25,000円(税抜) |
| 中留めを溶接で直す | 30,000円(税抜) |
| 折れたピンを替えて穴を溶接 | 30,000円(税抜) |
| 3つに分かれたベルトをつなぐ | 35,000円(税抜) |
※ すべて税抜。素材を分けた料金ではありません。
ネックレスのチェーンが途中で切れたときの溶接は、修理店18店の公開最低料金の中央値で2,900円です。時計のベルトの溶接の公開事例は、これより1桁高くなっています。ネックレスの修理代を目安にしないでください。ネックレスの切れの料金の決まり方はチェーン修理の料金にあります。
中留めの小さな直しは、別の時計修理店が目安として歪み直し・ピン交換などの軽い修理で5,000円〜10,000円程度と書いています。ゆがみを直すだけ、ピンを締め直すだけなら、溶接より安く済むことがあります。
自分の品だといくらで直るかは、壊れた所の写真を送って工房に相談できます。
壊れたコマだけ替えられるか
壊れたコマを、純正のコマに付け替えた事例もあります。先の時計修理店は、純正のコマが1つ手に入ったため、壊れたコマを外して付け替えています(30,000円(税抜))。
純正のコマが手に入らないときは、溶接で直す案になることがあります。同じ店は、純正のベルトはメーカーの修理でないと交換できないため、溶接で直す案を出したと書いています。
金のベルトは、ベルトごと替えると高くなる
金やプラチナのベルトは、メーカーでベルトごと替えると、溶接で直すよりはるかに高くなることがあります。ある時計店の修理例では、金のベルトの本体への取り付け部分が欠けた時計で、メーカーに問い合わせると金のブレスの本体への取り付け部分が欠けた時計で、メーカーに問い合わせるとブレス交換になり、百万円を超える額を示されたとありました。この時計店は、金の素材を使った溶接で、壊れた部分を直してベルトを使えるようにしたとしています。
先の時計修理店も、別の事例で「交換するにはメーカーに送ってベルトごとの交換になり、高額になる」としています。バックル(中留め)だけでも、純正品に替える目安は純正品のバックル全体の交換で50,000円〜数十万円です。
金のベルトにどれだけの値打ちがあるかは、重さでつかめます。
- ベルトの重さ(仮)
- 30g
- K18製品の1gあたりの買取の公表価格(地金商の公表)
- 16,120円(K18製品・造幣局・他社刻印・1g・2026年10月24日に確認)
※ 重さは計算の仕方を見せるための仮の値です。実際の重さは、本体から外したベルトを量って確かめます。この価格で買い取られるわけではありません。
地金の値打ちが大きいベルトほど、切れた1か所を直して使い続ける意味があります。壊れたまま手放す前に、直す費用と比べてください。
ベルトや中留めに「K18」「750」とあれば18金です(「18K」「750」の刻印は、どちらも18金を表す)。「GP」はGP=金めっき、「RGP」などはGF・GR・RGP(ROLLED GOLD PLATE)は金張りで、どちらも金無垢ではありません。
本体とベルトを分けて考える
時計の修理は、本体(機械・ケース・ガラス)とベルトに分かれます。本体が止まる・遅れるなら、ベルトとは別に、時計の機械を直す修理になります。
ベルトだけを預けて直した事例もあります。先の時計修理店には35,000円(税抜)という事例があり、先の時計店もベルトだけを預かって直しています。金やプラチナのベルトの切れ・コマの外れは、金属どうしをつなぐ地金の作業です。直せるかは作りで決まり、ある店も溶接で直せるかと期間は、品物を見てから答えるとしています。
ブランドの時計で変わること
ブランドの時計のベルトを、メーカー以外で溶接すると、その後の扱いが変わります。ある時計修理店は、次の2つを注意として書いています。
本体の修理をメーカーに出すときは、溶接したベルトを外してから出すのが安全です。外し方が分からなければ、ベルトを預けるときに、本体から外して返してもらえるかを聞いてください。
メーカーでも、元と同じ部品で直るとは限りません。ある国内の時計メーカーは、部品の保有期間を過ぎた時計の修理について、メーカーの修理でも、バンドなどに見た目の違う代わりの部品を使うことがあると案内しています。修理できるかは、時計を預かって状態を確かめてから判断するともしています。
保証期間内・元の部品のまま直したい
- 保証書を持って、購入したブランドに聞く
- 他所で溶接すると、メーカーで直した品ではなくなる
保証が切れた・ベルトごとの交換が高い
- 切れた所だけを直す部分修理を考える
- 本体をメーカーに出すときは、ベルトを外す
ブランド品を他所で直すときの考え方は、ブランドジュエリーを他店で修理するでも確かめられます。
伸びたベルトを直す

金属のベルトは、長く使うとコマとピンのつながりが緩んで伸びます。ある時計修理店は、細かいコマのベルトは、伸びる傾向が目立つと書いています。伸びたかどうかは、自分で確かめられます。
- 1バックルを留める時計を手首から外し、ベルトを輪にした状態にする
- 2横に向けて持ち上げるベルトの形が保てていれば、伸びは少ない
- 3垂れ下がるか見る垂れ下がるなら、ベルトが伸びている
同じ店は、伸びすぎたベルトは、見た目だけでなく、皮膚を挟んで着け心地が落ちるとも書いています。直せる範囲について、同じ店はコマとピンのつながりを調整すれば、ある程度は元に戻せる。縮めすぎで擦り減った部分は交換が要るとしています。
伸びて長くなっただけなら、コマを外して長さを合わせる方法もあります。外したコマは、後で手首が変わったときに戻せるよう、返してもらって残してください。金のコマなら、それ自体に地金の値打ちがあります。
写真で分かること、現物で決まること
写真で分かるのは、壊れ方と直し方の候補までです。溶接できるかと料金は、現物を見てから決まります。
写真で分かること
- 切れ・ピン・中留め・伸びのどれか
- ベルトや中留めの刻印(K18・750・Pt)
- コマの形と、つなぎ方
現物で決まること
- 溶接に耐える厚みがあるか
- ピンの太さと、穴の傷み
- 前に直した跡の有無
ベルトの部分だけ直したいなら、切れた所・中留め・刻印を明るい所で撮って写真で相談すると、直し方の候補と見積もりの見当を、預ける前に聞けます。「時計のベルト(K18)が切れました。ベルトの部分だけ直したいです」と書き添えてください。
直さなくていい・自分で触らないケース
使わない金無垢の時計やベルトは、溶かして指輪やペンダントにする道もあります。考え方と費用は形見の時計をジュエリーにするで確かめられます。
今日やること
- 1部品を集める外れたコマ・ピン・中留めの部品を袋に入れる。ベルトは引っぱらない
- 2刻印と保証を見るベルトや中留めの「K18」「750」「Pt」と、保証書の有無を確かめる
- 3写真を撮る切れた所・中留め・刻印を明るい所で撮り、ベルトの部分だけ直したいと書いて送る
