カフスボタンやネクタイピンの金具は、金・プラチナ・銀の品なら、溶接(ロウ付け)や部品の交換で直せることがあります。ある修理店の料金表では、カフスの脚の付け直しが5,500円〜(税込)、タイピンのワニ口の直しが4,950円〜(税込)でした。メッキの品や、バネの修理は、受けられないことや額が上がることがあります。
壊れた場所を見分ける
修理代の見当は、裏の金具のどこが壊れたかで付きます。
カフスボタン
- 脚が取れた → 溶接で付け直す
- 脚が曲がった → 曲がりを直す
- 回る金具や飾りが取れた → 付け直すか、部品を替える
ネクタイピン(はさむ形)
- バネがゆるい・折れた → バネを替える
- 根元が折れた → 溶接で付け直す
- 挟めないほど曲がった → 形を直す
タイタック(刺す形)
- ピンが折れた・曲がった → 新しいピンに替える
- 留め具(キャッチ)をなくした → キャッチだけ替える
カフスで壊れやすいのは、本体と脚(シャツの穴に通す棒)の付け根です。カフスの修理事例を載せた工房の説明では、カフスは本体と脚の取り付け部分が一番弱く、ある工房に来るカフスの修理の9割ほどが脚取れです。ネクタイピンについて、同じ工房はタイピンの修理で一番多いのは、本体から脚(根元)が折れて取れる修理と説明しています。
取れた脚・バネ・飾りは、捨てずに小さな袋に入れて残してください。元の部品が残っていれば、それを付け直せる場合があります。
他店が公開している修理代
工房や修理店の公式サイトで、カフスとネクタイピンの修理代を2026年10月20日に確かめました。どれも他店の「〜から」の最低額で、同じ額で直るという意味ではありません。
| 壊れた所 | 公開例 |
|---|---|
| カフスの脚取れ | 5,500円〜(税込) |
| カフスの脚曲がり | 3,300円〜(税込) |
| カフスの飾り取れ | 3,300円〜(税込) |
| カフスの変形 | 1,650円〜(税込・シルバーの目安) |
| タイピンのワニ口 | 4,950円〜(税込) |
| タイピンの金具 | 1,650円〜(税込・シルバーの目安) |
| タイピンの研磨と鎖 | 2,000円〜(税の表示なし) |
※変形と金具の行はシルバーの目安の店で、目安表はシルバーの価格で、18K・プラチナ・ホワイトゴールドなどは金額が異なると書いています。
料金表にカフスやネクタイピンの行があったのは、確かめた中では3店でした。料金表のない店では、品を見てからの見積もりになります。タイピンの鎖が切れたなら、チェーン修理の料金も目安になります。
表より上がるのは、バネや部品を替える場合と、何度も壊れた所を補強する場合です。公開されている実例は次の3つです。
| 実例 | 公開された額 |
|---|---|
| タイピンのバネ | 5,000円(税別) |
| タイピンのピン交換 | 8,800円(税込) |
| カフスの脚の補強 | 155,000円(税込) |
※1つ目は2018年、2つ目は2021年の事例で、どちらもK18の品です。3つ目は海外ブランドのK18のカフスで、何度か壊れた脚をレーザー溶接と補強の地金で直した例です。
3つ目の店は、カフスは手に近い所に着けるので、ぶつけたり挟まったりして傷みやすいと説明しています。同じ脚が2回以上取れたなら、付け直すだけでなく、補強できるかも一緒に聞いてください。
自分の品だといくらで直るかは、壊れた所の写真を送って工房に相談できます。
バネの修理は断られることがある

ネクタイピンのバネの修理は、受けない店があります。バネを直した例を載せている宝飾店も、バネの修理はできないことが多く、ふだんはほとんど断っている。預かって直せるかを確かめてから引き受けたと書いています。
断られたときに取れる道は、次の3つです。
表の飾りを残して別の形にする費用は、カフス・タイピンのリメイク費用にあります。
メッキ・シルバー・ステンレスの品
ネクタイピンには、金色や銀色のメッキをかけた品があります。タイピンの修理事例を載せている工房は、タイピンはメッキの品が多く、ロウ付けで900℃近くになるとメッキが剥がれたり、ぶつぶつになったりすると説明しています。
そのためメッキの品は、溶接の後にメッキをかけ直す前提で見積もってもらいます。ある修理店の「コーティング直し」の料金は、タイピンが4,950円〜(税込)、カフスが4,400円〜(税込)です。
素材は、裏の金具や脚の刻印で見分けます。
| 刻印 | 素材 |
|---|---|
| K18・K14・Pt | 金・プラチナ |
| SV・925 | 銀 |
| GP | 金メッキ |
| 刻印なし | 真鍮・ステンレスのことがある |
※刻印の「GP」は、日本ジュエリー協会の表示規定でGP=金めっきです。
刻印がない品や、真鍮・ステンレスの品は、溶接を受けない店があります。ある工房は金・銀・プラチナ以外は溶接できず加工不可としています。メッキがはがれた品は金メッキがはがれたとき、真鍮やメッキのアクセサリーは真鍮・メッキのアクセサリー修理へ。
ブランド品は先に保証を確かめる
ブランドのカフスやネクタイピンは、保証の期間内なら、まず買ったブランドに聞きます。カフスの補強の例を載せたリフォーム店も、ブランドのジュエリーをブランド以外の店で修理すると、その後はブランドで修理や保証を受けられなくなると注意しています。
買ったブランドに出す
- 保証の期間内で、元の形のまま直したい
- 純正の部品で直したい
ブランド以外で直す
- 保証が切れている、または保証書がない
- ブランドで断られた・費用が合わない
- 補強や金具の交換で、形が少し変わってもよい
ブランド以外で直す場合も、ブランド品は追加の費用がかかることがあります。ある工房の料金表にも「ブランド品は追加料金がかかる」と書かれています。保証の扱いはブランドジュエリーを他店で修理するときへ。
自分で直さないほうがいい理由
取れた脚や根元を、瞬間接着剤で付けるのはやめてください。修理の前に接着剤を取り除く手間が増えます。タイピンの事例も載せている工房のサイトには「瞬間接着剤で直そうとした跡があるカフスの修理例。金属なら接着剤は除去できるが、石油系の素材の部分は別」という記載があります。家でしてよい範囲は、ジュエリーを自分で直せる範囲で確かめられます。
写真で分かること、現物で決まること
壊れた場所と素材の見当は、写真で付きます。溶接に耐えるか、メッキのかけ直しが要るかは、現物を見て決まります。
写真で分かること
- 壊れた場所(脚・バネ・根元・ピン)
- 刻印(K18・SV・GP・なし)
- 元の部品が残っているか
現物で決まること
- 溶接に耐える素材か
- メッキのかけ直しが要るか
- バネを直せるか、金具ごと替えるか
裏の金具を横から写した写真と刻印の写真で相談すると、付け直しで済むか、金具の交換か、作り替えかの見当から話を始められます。直して使いたいか、別の形にしてもよいかを書き添えると、両方の案を聞けます。
今日やること
- 1部品を残す取れた脚・バネ・キャッチ・飾りを小さな袋に入れる。接着剤で付けない
- 2刻印を見る裏の金具や脚に「K18」「Pt」「SV」「GP」などがあるかを見る。ブランド品なら保証書を探す
- 3写真を撮る裏の金具を横から、表の飾り、刻印を撮り、壊れた場所を書き出す
