カフスボタン(シャツの袖口を留める飾りボタン)やタイピンは、ピアス・イヤリング・ペンダント・指輪のどれにも作り替えられます。費用を分けるのは、飾りをそのまま使って金具だけ付け替えるか、石を外して新しい枠を作るかです。
ここに出てくる金額は、工房や宝飾店が公式サイトに載せた実例の集計です。同じ金額で作れるという意味ではなく、石の大きさと地金の相場で変わります。
何に変えられるか
カフスは2個1組なので、ピアスやイヤリングに向いています。タイピンは1つなので、ペンダントに向いています。指輪やブローチにもできます。
| 作り替え先 | 向く品 | 公開例 |
|---|---|---|
| ピアス・イヤリング | カフス2個 | 中央値 19,360円(金具の付け替え) |
| ペンダント | タイピン・カフス片方 | 中央値 78,100円 |
| 指輪 | 石の付いたカフス | 245,000円(製作期間1か月) |
| タイタック | カフス | タイタック2点 26,400円(約1か月半・別の品と同時制作) |
※ 指輪とタイタックは1件ずつの実例。ブローチは実例が見つからず、ある工房の目安はタイピン・カフスからブローチ 加工代2万円程度からです。
息子や孫が同じように身につけるなら、タイタック(ネクタイに刺して留める小さなピン)に作り替える方法もあります。形を大きく変えないので、元の雰囲気が残ります。
金具を付け替えるか、新しい枠を作るか
費用を分けるのは、カフスの飾りの部分をそのまま使えるかです。飾りの裏の軸を切って、ピアスの針(ポスト)やイヤリングの金具を付けるだけなら、作業は少なく済みます。石を外して新しい枠に留め直すと、枠を作る代金がかかり、中央値で数倍になります。
金具を付け替える
- 飾りの形がそのまま残る
- 5件の中央値 19,360円
- 飾りが大きく重いと、耳に着けにくい
石を外して新しい枠を作る
- 大きさやデザインを選べる
- 4件の中央値 95,000円
- 元の枠は下取りか返却
金具を付け替えた5件は、次のとおりです。
| 公開例 | 元の品と作り替え先 | 料金 |
|---|---|---|
| 公開例1 | 銀のカフス → ピアス | 合計12,800円(税別) |
| 公開例2 | 純銀のカフス → ピアス | 合計13,000円(税別) |
| 公開例3 | 真珠のカフス → ピアス | 19,360円(製作期間1か月) |
| 公開例4 | カフス → イヤリング | リフォーム代20,000円(古い金具の買取6,322円を引いて13,678円) |
| 公開例5 | 金のカフス → イヤリング | 合計4,637円(加工料金9,720円+K18金具代金14,353円−残り地金下取19,436円) |
※ 税別・税の表示なしが混ざります。公開例4・5の中央値の計算には、下取りを引く前の額を使っています。
新しい枠を作った4件は、合計14,656円(加工代金30,240円+プラチナ代5,322円−下取分20,906円)、リフォーム代70,000円(プラチナのルビーとダイヤのカフス→ピアス)、120,000円(残ったカフスのパーツは店が引き取り)、137,500円(制作期間1か月)でした。石の大きさと、枠を金にするかプラチナにするかで幅が出ます。
タイピンをペンダントにする
タイピンの石や飾りを使ってペンダントにした5件は、16,500円(税込・チェーン代別)から110,000円(地金買取−51,000円で実質59,000円・1か月)まででした。中央値は78,100円です。飾りをそのまま使うか、石を外して新しい枠を作るかで幅が出ます。ある工房は、カフスやタイピンの石を使ったペンダントの加工代の目安をタイピン・カフスの石を流用したペンダントトップ 加工代3〜10万円程度としています。
自分の品を何に作り替えられるかは、写真を送って工房に相談できます。
金・プラチナなら下取りで下がる
金やプラチナの品なら、作り替えで使わない部分を下取りに出すと、その分だけ支払いが下がります。下取りの額は地金の重さと相場で決まるので、見積もりでは引く前の総額と下取りの額を分けて書いてもらいます。
ある工房が金のカフスをイヤリングにした例では、合計4,637円(加工料金9,720円+K18金具代金14,353円−残り地金下取19,436円)でした。金のタイバー(ネクタイを挟む横長のピン)をペンダントにした例では、110,000円(地金買取−51,000円で実質59,000円・1か月)です。
形見なので手元に残したいなら、使わない地金は返してもらえるかを聞いてください。下取りに出した地金は戻りません。
素材で決まること
作り替えられるかは、素材で決まります。まず、カフスやタイピンの裏の刻印を見てください。
裏の刻印の読み方
- ①K18・750金(18金)下取りや、溶かして使う相談ができる
- ①Pt900・Pt850プラチナ下取りや、溶かして使う相談ができる
- ②SILVER・925銀金具の付け替えはできる。店によっては断る
- ③GP・GF金めっき・金張り表面だけが金で、中は別の金属
- ④刻印なし素材が分からない写真と現物で店に判断してもらう
刻印の数字は、金の割合を表します。日本ジュエリー協会の表示規定では、K24=999、K22=916、K20=833、K18=750、K14=585、K10=416、K9=375、K8=333(千分率)です。「GP」はGP=金めっきを表します。
メッキや真鍮(金色の安い合金)の品は、作り替えを断られることがあります。ある工房は、真鍮・メッキ・素材不明はロー付けが難しく割高。断る場合ありとしています。別の工房は、金・銀・プラチナ以外は溶接できず加工不可としています。銀の品も、ある工房はシルバー製品は特性やデザインで加工上の問題が出ることがあり、職人が見て断る場合もあると説明しています。
刻印の見方は刻印図鑑で、金の刻印の意味はK18の刻印とはで確かめられます。
石や真珠の付いたカフス
石や真珠の付いたカフスは、石を生かす作り替えに向いています。真珠のカフスは、真珠を外して揺れるピアスにした例があります(公開例3)。
金具の付け方は、カフスの形で変わります。ある工房は、シェルのカフスをピアスにした例で接着剤で留める予定が、枠の縁幅が広くロウ付けに変更(シルバー枠+チタンポスト)としています。接着で済むか、ロウ付け(金属を溶かした材料でつなぐ方法)が要るかは、現物を見て決まります。
片方だけ残ったとき

カフスが片方だけ残っているなら、1つで使える形にします。ペンダントか指輪です。ある宝飾店は、カフスボタンの片方の石だけでリングを作った例を紹介しています。
石が付いていれば、石だけを外して新しいペンダントや指輪の枠に留めます。指輪にするときの枠の代金の決まり方は指輪のリフォームの値段と同じです。地金だけのカフスなら、飾りの面を生かしてペンダントにするか、溶かして別の形にします。溶かして作る方法は指輪を溶かして作り直すにあります。
2人で分けるとき
カフスは2個1組なので、家族の2人で1つずつ分けられます。ある宝飾店の例では、祖父の形見のヒスイのカフス2個から、K18とプラチナの色違いのペアネックレス2本(約1か月)を作っています。別の工房は、カフスのエメラルドで同じデザインのペンダントを作った例を、75,000円〜(ペンダント2本の例。1本分か2本分かの記載なし)としています。
分けるなら、2人とも同じ形にするか、片方をピアス・片方をペンダントにするかを先に決めます。形見の品全体の分け方は形見のジュエリーをどうするかにあります。
期間
完成までの期間は、公開例では1か月前後が多く、公開例3とカフスをタイタックにした例が約1か月から1か月半、タイタックをペンダントにしたある専門店の例が78,100円(税込・約5〜6週間)でした。贈る日が決まっているなら、その日付を最初に伝えます。
写真で分かること、現物で決まること
表と裏、刻印が写った写真があれば、金具を付け替えるだけで済むか、新しい枠を作るかの見当はつきます。接着で済むかロウ付けが要るかと、下取りの額は、現物で決まります。
写真で分かること
- 刻印と、金・プラチナ・銀・メッキのどれか
- 石の有無と、飾りの大きさ
- 金具の付け替えか、新しい枠かの候補
現物で決まること
- 裏の軸の太さと、接着かロウ付けか
- 地金の重さと、下取りの額
- 石の割れ・欠けと、枠から外せるか
写真で相談するときは、表・裏・刻印の3枚に加えて、誰がどう身につけたいかを書き添えると、金具の形まで含めた案が出やすくなります。
今日やること
- 1刻印を見るカフスやタイピンの裏に K18・Pt900・SILVER・GP などの刻印があるかを見る
- 2作り替え先を決めるピアス・イヤリング・ペンダント・指輪・タイタックのどれにするか、2人で分けるか
- 3写真を送って相談する「父のカフスボタン(刻印は◯◯)を、◯◯にしたいです。金具の付け替えで済むか、新しい枠になるかと、使わない地金を返してもらえるかを教えてください」と書いて、表・裏・刻印の写真と一緒に送る
