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形見のジュエリーはどうする?|遺品の指輪・ネックレス・真珠の仕分け方と、残す・作り替えるの決め方

更新 2026年10月26日・出典の最終確認 2026年10月25日

箱の中で分けた真珠と指輪と鎖(イメージ)

親の遺品からジュエリーがまとめて出てきたら、売る・作り替えるを決める前に、刻印と石で中身を仕分けます。仕分けが済めば、誰が何を持つか、何を残して何を作り替えるかを家族で決められます。

仕分けの順番

遺品のジュエリーは、次の順番で仕分けてください。家族で分けるところまでは、お金はかかりません。

遺品のジュエリーを仕分ける順番
全部を並べて撮る1点ずつ、正面と刻印を撮る
刻印を読む指輪の内側・留め具の近く
石を確かめる欠け・ぐらつき・鑑別書の有無
家族で分ける誰が何を持つか
残すか作り替えるか品ごとに決める

素材の刻印は、指輪なら内側、ネックレスなら留め具の近くの小さな板(プレート)にあります。小さくて読めないときは、スマホのカメラで拡大して撮ると読めることがあります。撮り方と読み方は刻印図鑑で確かめられます。

刻印で素材を分ける

刻印は、品物の素材を表す小さな文字です。読めたら、次のように分けてください。

刻印の例 素材 次にすること
K18・750・Pt900 金・プラチナ 分け方を決める
K18 RHP 金(表面に白いめっき) 分け方を決める
GP・SV925・SILVER めっき・銀 使うか保管する
刻印なし 分からない 店で見てもらう

K18と750は同じ18金、Pt900と900は同じプラチナです。古い指輪の「Pm」もプラチナの刻印です(プラチナの表示にかつてPmが使われていたが現在は使われていない)。

RHPはロジウムめっき(白い金属の薄い膜)の記号です。K18などの後ろに打たれていれば、本体は金です(貴金属の表示に続けてめっき記号(例 K18 RHP))。RHPだけを見て、めっきの品に入れないでください。

GPは金めっきの記号で、表面だけが金です。数字のない「SILVER」は、銀が92.5%以上の品です。刻印のない古い品もあり(アンティーク・歴史的なジュエリー・ナゲットを使ったジュエリーには品位の刻印がないものがある)、刻印がないだけで偽物とは言えません。

自分の品を何に作り替えられるかは、写真を送って工房に相談できます。

石を確かめる

石が本物か、どんな種類かを知りたいときは、鑑別機関に鑑別書を頼みます。鑑別は石の種類を見分ける作業で、値段を付ける査定とは別のものです。鑑別機関のGIA(米国宝石学会)も、宝石や宝飾品の査定サービスは行っていないと案内しています。

頼むもの 分かること 公開料金(税込)
鑑別書 石の種類・天然か合成か 3,850円(税込)
ダイヤの鑑定書 色・透明度・重さ・カット 4,950円(税込・2カラット未満)

※ 宝石鑑別団体協議会の会員の、ある鑑別機関の料金表(2026年10月確認)。

この鑑別機関は個人の依頼を郵送でも受け、結果は原則として翌営業日に渡すとしています。作り替えを頼む工房が、加工のついでに簡単な鑑別をすることもあります。ある工房の簡易鑑別は3,300円+送料で、鑑別機関の鑑別書とは別のものです。

写真で分かること、現物を見ないと決まらないこと

作り替えの相談は、正面と刻印の写真から始められます。写真で分かるのは、作り替えられそうかの見当までです。

写真で分かること 現物を見ないと決まらないこと
刻印(金・プラチナか) 刻印のない品の素材
石の数・欠けやぐらつき 石の種類と、加工に耐えるか
真珠の糸の傷み 真珠の表面の劣化の程度

刻印のない品の素材は、店で分析してから分かります。石の種類は、鑑別書があればそれを見せ、なければ現物を見てもらってから決まります。

家族で分ける

別々の袋に収めた三つの装身具(イメージ)

誰が何を持つかは、作り替えの前に決めてください。作り替えた後で「やはり元の形で欲しかった」と言われても戻せないからです。全日本冠婚葬祭互助協会は、故人の遺志があれば従い、なければ各人が思い出の品を選ぶ。包装はしないか奉書紙で軽く包む程度と説明しています。

形見分けの時期について、同じ協会は形見分けは忌明けのあとに行い、近親者やごく親しい友人に限るようになっているとしています。家ごとの習わしがあるなら、それが分かる親族や菩提寺に聞いてから決めてください。

数が足りない、または1つの品を何人かで分けたいときは、作り替えで分けられます。工房や宝飾店が公式サイトに載せた、実際に作った品の支払いは次のとおりです。どれも他店の当時の価格です。

分け方 元の品→作った品 支払い
1つを2つに 2連の指輪→指輪2本 119,000円
2つを1つに 指輪2本→指輪1本 93,471円
2つを1つに 指輪とネックレス→指輪 29,396円
3つを1つに 指輪3本→指輪1本 60,000円(税の表示なし)
4つを1つに 指輪3本とネックレス→ペンダント 170,000円(税の表示なし)
2つを2つに 指輪2本→ペンダント2つ 116,103円(税別)
分け方ごとの支払い額
1つを2つに(2連の指輪→指輪2本)119,000円
2つを1つに(指輪2本→指輪1本)93,471円
2つを1つに(指輪とネックレス→指輪)29,396円
3つを1つに(指輪3本→指輪1本)60,000円(税の表示なし)
4つを1つに(指輪3本とネックレス→ペンダント)170,000円(税の表示なし)
2つを2つに(指輪2本→ペンダント2つ)116,103円(税別)

※ 1〜3行目はA店(税の表示なし・当時の地金代)、4〜5行目はB店(下取りの記載なし)、6行目はC店の例です。1行目は加工代だけの合計です。2・3・6行目は、元の金属の下取り(店が買い取って代金から引くこと)を引いた後の額です。

支払いの差を生むのは、使う金属の量と下取りの額です。指輪とネックレスを1本にした3行目の例では、余った金属の下取りが大きく、支払いは加工代を大きく下回っています。下取りの引き方は、6行目の例で見ると次のとおりです。

C店の公開例:形見の指輪2本をそれぞれペンダントに仮の数字
2本の加工代(K18の枠・石留め)
2本で127,000円(税別)
元の枠2本の下取り
−10,897円(税別)
支払い116,103円(税別)

まとめる・分ける作り替えの進め方は、2つの指輪を1つにリメイクする費用で確かめられます。形見の指輪をそのまま自分の指で着けるなら、作り替えよりサイズ直しが先です。費用の目安は指輪のサイズ直しの料金で確かめられます。

相続と関わるとき

高価な品が多い場合は、相続の手続きにも関わります。国税庁は、相続税がかかる財産に宝石も含まれるとしています。相続税がかかるかどうかは、税務署か税理士に確かめてください。

相続放棄を考えている家族がいるなら、形見分けや売却は、その前に確かめてからにします。民法には、相続人が相続財産の全部または一部を処分したときは、単純承認(相続をそのまま認めること)をしたものとみなすという決まりがあります。形見分けがこれに当たるかどうかは、ここでは判断できません。家庭裁判所か、弁護士・司法書士に確かめてください。

残すか作り替えるか

作り替えに向くのは、金やプラチナの枠に、かたいダイヤが付いた品です。加工で傷みやすい石の品は、そのまま残すことも考えてください。

品物 向いている扱い
金・プラチナとダイヤの指輪 作り替え・そのまま使う
真珠のネックレス 糸替えして使う・保管
オパール・エメラルド・サンゴ 保管か、説明を受けてから加工
めっき・銀の品 そのまま使う・保管

加工の承諾書を公開している工房2店は、どちらもこれらを壊れやすい品に挙げています。作り替える前に、作業中に割れたらどうなるかを聞いてください。

真珠ブランドの案内では、真珠は他のジュエリーと接しないよう仕切りのある箱で分け、日光・高温多湿・極端な乾燥を避けるようにしまいます。別の真珠ブランドも香水や防虫剤など揮発性の薬品と一緒に保管しないよう案内しているので、たんすで防虫剤と一緒だった真珠は別の箱に移してください。糸の替え時と料金は真珠の糸替えで確かめられます。

オパールは、直射日光とエアコンの風が当たらない引き出しにしまってください。ある工房は、乾燥を気にして水に浸けておくことはしないよう案内しています。

金やプラチナの指輪を身につけられる形にするなら、形見の指輪をペンダントにする費用と指輪リフォームの値段で費用の内訳を確かめられます。

売る前に

売るのは、家族で分け終わってからにしてください。売った品は戻らないからです。

GPの品は表面だけが金の膜なので、金の品としての値は付きません。刻印のない品は、素材を確かめてもらってから決めます。金・プラチナの品は、刻印と重さが分かれば、地金の価値の目安計算で金属としてのおおよその価値を確かめられます。

訪問購入に注意

遺品の整理を始めると、貴金属の買取業者が家に来ることがあります。国民生活センターには、「高齢の母の高額なアクセサリーを、家に来た買取業者が持ち去ったようだ」という相談が寄せられています。

国民生活センターは、突然訪問してきた購入業者は家に入れない。訪問を承諾する場合も一人で対応しないように呼びかけています。大阪府は、訪問購入は契約書面を受け取った日から8日間は、無条件で契約を解除できる(クーリング・オフ)と案内しています。困ったときは、消費者ホットライン「188」に電話すると、近くの消費生活相談窓口を案内してもらえるので、そこで相談してください。

今日やること

  1. 1全部を並べて撮る1点ずつ、正面と刻印を撮り、箱に入っていた鑑別書もまとめる
  2. 2刻印で3つに分ける金・プラチナ/めっき・銀/刻印なし。真珠は防虫剤から離して保管する
  3. 3家族に写真を送る「この中で持っていたいものはありますか。作り替える前に、分け方を決めたいです」

分け方が決まった品は、正面と刻印の写真を添えて写真を送って相談することができます。作り替えられそうか、どんな形にできるかの見当を付けるところから始められます。

出典