エタニティリングは、同じくらいの大きさの石を輪に沿って並べた指輪です。半周に並べるのがハーフ、一周に並べるのがフルです。手持ちのダイヤで作れるかは、石の数と大きさ、指のサイズで決まります。
ハーフとフルで変わること
ハーフは、手のひら側に石のない地金の部分が残ります。フルは、その部分まで石が並びます。必要な石の数も、作った後にできることも変わります。
ハーフエタニティ
- 石は半周。フルの約半分の数で作れる
- 地金の部分でサイズ直しができることがある
フルエタニティ
- 石は一周。どこから見ても石が見える
- 石の数が倍になり、石留めの数も増える
- 後からのサイズ直しが大きく限られる
すでに持っているエタニティリングのサイズ直しや、石が取れたときの直し方はエタニティ・パヴェの指輪の修理にあります。
何石要るか:号数と石の大きさの表
要る石の数は、指輪の号数と石の直径でおおよそ決まります。日本の号数(JCS規格)は、1号の内径が13.0mmで、1号ごとに内径が約0.333mm(3分の1mm)ずつ増える決まりです。この内径から石が並ぶ輪の長さを出し、石1個の幅で割って数えました。
| 号数 | 1.5mm | 2.0mm | 2.5mm | 3.0mm |
|---|---|---|---|---|
| 7号 | 30(15) | 24(12) | 20(10) | 17(8) |
| 9号 | 31(15) | 25(12) | 21(10) | 18(9) |
| 11号 | 32(16) | 26(13) | 21(10) | 18(9) |
| 13号 | 34(17) | 27(13) | 22(11) | 19(9) |
| 15号 | 35(17) | 28(14) | 23(11) | 20(10) |
※数字はフルの石数、かっこ内はハーフの石数。列は石の直径です。
- 内径
- 13.0+(11−1)÷3=16.33mm
- 石の中心が通る輪の長さ
- 3.14×(16.33+2.0)=約57.6mm
- 石1個の幅
- 石の直径2.0mm+すき間0.2mm
※すき間0.2mmは爪や地金の分の仮の値です。地金の厚み、石の高さ、留め方で、実際の石数は変わります。
公開例でも、近い数になっています。ある工房は、直径2.1mmのダイヤ26個(合計1.01ct)でフルエタニティにしたと書いています。表の11号・2.0mmの26石と近い数です。
数が少し足りないだけでも、作れないことがあります。ある工房の例では、取り巻きのメレ10石では、ハーフエタニティを作るには少し足りなかった。同じくらいの大きさと品質のメレ(小さなダイヤ)を店で足して作っています。
手元の石でどんな形にできるかは、石と枠の写真を送って工房に相談できます。
石が足りない・そろわないとき

石が足りないか、大きさがそろわないときは、次の3つから選びます。どれにするかは、石の数と大きさのばらつきで決まります。
エタニティは同じ大きさの石が並ぶので、小さな差も目に入ります。GIA(米国宝石学会)は、メレについて0.20mmほどの大きさの違いでも、見て気づかれることがあると書いています。
大きさが少しずつ違う石は、指輪にしない道もあります。ある宝石店は、少しずつ大きさが違うグラデーションの石だったので、指輪ではなくネックレスにしたと書いています。
足す石の代金は、公開例で0.03カラットの小さなダイヤ1粒が2,100円(石を留める工賃は別)です。石を留める工賃は、確認した7店の最低料金の中央値で1個1,100円です。フルは石の数が倍になるので、石留めの工賃もそのぶん増えます。メレを集めて指輪以外のものを作るなら、メレダイヤのリメイクで作れるものを比べられます。
作り替えの費用の公開例
費用は、加工代に、足す地金と足す石の代金を足し、元の枠の下取りを引いた額です。ある工房が示す式も、リフォーム費用=加工代+足す地金の代金+足す石の代金−下取りです。
ハーフの公開例7件(3店)は、下取り前で81,040円から173,000円、中央値は108,000円でした。7件とも税の表示がなく、4件は同じ店の例です。主な例は次のとおりです。
- 公開例1(手持ちのダイヤだけでハーフ):加工代金70,000円+K18地金11,040円(元のプラチナを下取りで−12,200円)
- 公開例2(メレ16個のハーフ):145,000円(メレ16個のハーフエタニティ)
- 公開例3(形見の指輪のダイヤ10石):173,000円(下取り前・ダイヤ10石で13号のハーフ)
- 公開例4(同じ店のメレのハーフ4件):88,000円、88,000円(下取り前)、108,000円(下取り前)、129,600円
一文字リングの石でハーフにした別の例は、74,500円(税込・元の枠の下取りを引いた後)、期間は約1か月でした。
フルの公開例は少なく、条件もばらばらです。
フルの公開例の読み方数字は仮
- ①石も地金も持ち込み加工代金160,000円(持ち込みのダイヤ16石でフルエタニティ・プラチナも持ち込み)加工代金だけ。税の表示なし
- ②傷んだフルの作り直し162,915円地金の追加と下取りを含めた額。税の表示なし
- ③ハーフに石を足してフルに328,000円(税込・リフォーム代とダイヤ13個の追加を含む)足した石の代金込み。期間は3か月
どの例も他店の当時の価格で、同じ金額で作れるという意味ではありません。地金の相場、足す石の数、留め方で変わります。
元の指輪ごとの考え方
どんな指輪から作るかで、足す石の数が変わります。
- 一粒ダイヤの指輪:石が1個なので、表のハーフの数にも届きません。エタニティにするなら、ほとんどの石を足すことになります。
- 一文字リング:大きさの近い石を横一列に並べて彫り留めする指輪です。石の数が足りるかを表で見ます。
- 取り巻きの指輪(中石のまわりを小さな石が囲む形):まわりのメレを使います。中石は別の指輪にする例もあります。
- V字のネックレス:石の大きさが少しずつ違うなら、指輪よりネックレスに向くことがあります。
一文字リングをエタニティ以外に作り替える道は、一文字リングのリフォームで比べられます。
石の大きさは、リングの幅にも関わります。ある店は、リングの幅は、手持ちの石の大きさに合わせた幅になると書いています。公開例3の店は、形見の指輪のダイヤ10石を、幅3.3mmの13号のハーフエタニティに並べたとしています。
作った後にできなくなること
エタニティは、作った後に直せる範囲が狭い指輪です。作る前に、次のことを決めておきます。
指のサイズが変わりそうなら、フルは避けます。ある宝石店は、後でサイズ直しができるよう、フルエタニティにせず地金の部分を少し残したと書いています。
写真で分かること、現物で決まること
写真で分かるのは、石の数と、ハーフかフルかの見当までです。石の直径と状態は、外してみて決まります。
写真で分かること
- 石の数と、大きさのそろい方
- ものさしと撮れば、石のおおよその直径
- 元の指輪の留め方と地金の色
現物で決まること
- 石の正確な直径と、高さ
- 外したときに見つかる欠けや傷
- 足す石の数と、色の合わせ方
石を外す作業では、欠けが見つかることがあります。手持ちの石を預かる店の中には、預けた石が加工中に欠けても補償はなく、代わりの石の提案・自分で用意・枠だけ受け取るのどれかを相談して進めるという店もあります。欠けたときの扱いは、先に聞いておきます。
ハーフかフルか、足す石が何個かの見当は、写真で相談して付けられます。使いたい石を指輪ごと、ものさしと一緒に真上から撮ります。指のサイズ(号数)と「ハーフかフルか迷っている」ことも書き添えます。撮り方は写真でジュエリーの修理・リフォームを相談するにはにあります。
今日やること
- 1石を数える同じくらいの大きさの石が何個あるかを数え、表と比べる
- 2指のサイズを測る着けたい指の号数を測り、ハーフかフルかを考える
- 3撮って聞く石をものさしと一緒に撮り、「ハーフかフルか、足す石は何個か」と聞く
