一文字リングは、ダイヤを横一列に並べた指輪です。作り替え先は、並べたまま低い指輪やバーのネックレスにする形、石を分けてペンダントやピアスにする形、石を足して別の指輪にする形の3つに分かれます。
一文字リングとは、古く見える理由
一文字リングは、複数のダイヤが横一列に並んだ指輪のことです。ある宝飾店は、ダイヤが5石入った一文字の指輪について、ダイヤが5石入った「一文字タイプ」は、立て爪の指輪に次いで相談が多いと書いています。
古く見える一番の理由は、石の高さです。ある宝飾店は、昔の一文字リングは高さがあるため、作り替えでは引っかかりを抑えた形にするのが基本としています。別の宝飾店は、作り替える前の指輪を唐草模様が入り、ダイヤが高く留められた形と説明しています。
古い一文字リングで見るところ
- ①石の高さ横から見て、指から石がどれだけ浮いているか高いほど服や物に引っかかりやすい
- ②横の飾り唐草などの透かし模様があるか模様の分だけ高さが出ている
- ③爪石ごとに爪で留めているか、金属で囲んでいるか爪は引っかかりやすい。囲む留め方なら引っかかりにくい
- ④石の数と大きさ3石・5石・7石か。端が小さくなっているか分ける形・足す形を選べるかに関わる
作り替え先は3つの型
作り替え先は、石を並べたまま使うか、分けるか、足すかで決まります。誰がどう着けたいかで選びます。
並べたまま使う
- 低い一文字の指輪
- 横並び・縦並びのネックレス
分ける
- ペンダントとピアスに
- 家族で1つずつ
足す・合わせる
- 石を足して別の指輪に
- 立て爪の石と1本に
並べたまま使う
毎日着けやすくするなら、石の並びを残して高さだけ抑える指輪にします。ある宝飾店は、爪が引っかからないよう、輪(腕)の中にダイヤを留めた例を載せています。別の宝飾店は、1つの石を4つの爪で押さえる形で、高さを抑えた5石の一文字リングにした例を載せています。
ネックレスにするなら、横並びと縦並びがあります。ある工房は、5石を横に並べたまま、覆輪留め(石のまわりを金属で囲む留め方)のネックレスにした例を載せています。ある宝飾店は、ダイヤを一連に並べて、細長いバーのネックレスにした例を載せています。
分ける
石を分けると、1本の指輪を2つ以上の品にできます。ある宝飾店は、合計6石のダイヤのうち4石を使い、K18のピアスにした例を載せています。別の宝飾店は、形見の一文字リングの5個のダイヤを、クロスの形に留め直してペンダントにした例を載せています。
家族で分けたいときにも使えます。ある工房は、祖母の一文字リングを、3代5人で分けられるようにネックレスにした例を載せています。たとえば3石なら、ピアス用の2石とペンダント用の1石に分けられます。
足す・合わせる
石を足すと、元より華やかな指輪にできます。ある宝飾店は、5石の一文字リングに3石を足して、華やかな指輪にした例と、立て爪のダイヤと5石の一文字リングを合わせて、1本の指輪にした例を載せています。ほかに他の指輪の石と組み合わせて、モチーフやV字のリングなどに組み直すという提案もあります。
手元に指輪が2本以上あり、まとめたい場合は2つの指輪を1つにリメイクする費用が先です。立て爪の一粒の指輪の作り替えは立て爪の指輪をリフォームする費用にあります。
手元の石でどんな形にできるかは、石と枠の写真を送って工房に相談できます。
形ごとの公開されている料金

代金は、ある宝飾店の説明では地金代(材料費)と工賃(職人の作業代)の合計です。新しい枠に使う金属の量と、石を留める手間で決まります。
※どれも税の表示なし・下取り前・当時の料金です。2店の事例で、中央値は140,720円です。
ネックレス・ペンダントにした事例は次のとおりです。
| 公開例 | 形 | 加工代 |
|---|---|---|
| 公開例5 | 一文字のペンダント | 32,400円 |
| 公開例6 | 縦並び | 65,000円 |
| 公開例7 | 横並び | 72,000円 |
| 公開例8 | 揺れる形 | 100,000円前後〜(チェーン別) |
※どれも税の表示なし・下取り前。公開例6のチェーンは28,800円で別です。公開例5は古い枠の下取りを引くと27,400円(古い枠の下取り5,000円を引いた後)でした。
既成の枠を使う型の価格の目安を出す宝飾店もあります。いちばん低い型で、指輪は110,000円〜132,000円、ペンダントは55,000円〜88,000円(チェーン代は別)でした(税の表示なし・石の大きさで変わる)。どれも他店の公開例で、同じ金額で作れるという意味ではありません。
石の大きさ・色がそろっているか
既成の枠を使う作り方は、石がそろっていることが前提です。ある宝飾店は、既成の枠を使う条件を5石の大きさが同じで、既成のデザイン枠に合う大きさであることとしています。
古い一文字リングには、端の石が小さいものや、角ダイヤと丸ダイヤが混ざったものもあります。その場合は、石に合わせて枠を一から作る相談になります。ある宝飾店は、少し大きさの違う6石でも、石に合わせて作るので問題ないと書いています。
並べる順番を変えるときは、大きさの差に気を付けます。GIA(米国宝石学会)は、小さなダイヤについて0.20mmほどの大きさの違いでも、見て気づかれることがあるとしています。そろわない石を集めて別の形にする方法はメレダイヤのリメイクにあります。
結婚指輪と重ねるなら
一文字の形は、結婚指輪と重ね付けしやすい形の1つです。ある工房は、同じデザインでなくても、S字・V字・一文字など重ねやすい形の組み合わせがあるとしています。
重ねるなら、作り替える前に次の3つを決めます。
- 結婚指輪と同じ素材にするか(プラチナか金か)
- 幅を結婚指輪とそろえるか、細くするか
- 2本の間にすき間が出ないよう、石の高さをどこまで下げるか
結婚指輪を一緒に持って相談すると、重ねたときの高さと幅を合わせやすくなります。
余る地金と下取り
低い指輪や小さなペンダントにすると、元の枠の金属が余ることがあります。余りは、下取り(店が買い取って代金から引くこと)か返却を選びます。ある宝飾店の事例では、古い枠の買取が18,563円(旧枠6.261g×1gあたり2,965円)でした。
ある工房は、地金が足りなければ足し、余れば返却か、換金して代金から差し引くかを選べると書いています。足りない・余るときの選び方はリフォームで地金が足りない・余るときにあります。
写真で分かること、現物で決まること
写真で分かるのは、3つの型のどれが合いそうかと、費用の幅の見当までです。石の大きさのそろい方と欠けは、現物を見て決まります。
写真で分かること
- 石の数と並び方、角か丸か
- 石の高さ、横の透かし模様
- 爪の形とすり減り
現物で決まること
- 石ごとの正確な大きさと色の差
- 爪の下の欠けや傷
- 枠の重さと下取りの額
正面と真横(石の高さが分かる角度)の写真に、ものさしを当てて石の幅が分かる写真を足すと、作れる形と費用の幅を出しやすくなります。この3枚で写真で相談するときは、「低い指輪」「ネックレス」「分けたい」のどれを考えているかと、誰が着けるかを書き添えます。
今日やること
- 13枚撮る正面、真横、ものさしを当てた写真
- 2型を決める並べたまま・分ける・足すのどれか、誰が着けるか
- 3条件をそろえて聞く「税込・チェーン込み・下取り前の総額と、下取りの額を分けて教えてください」と書く
