真珠の糸替えやリメイクの料金は、種類の名前より、珠の大きさで変わります。確認した真珠店・工房の料金表は、珠の大きさ・長さ・連の数で料金を分けていて、アコヤか淡水かで分けたものはありませんでした。種類で扱いが変わるのは、重い南洋・黒蝶と、貼り合わせて作るマベです。
| 種類 | 主な大きさ | 直すときの要点 |
|---|---|---|
| アコヤ | 直径6〜8mm | 小粒は加算あり |
| 淡水 | 大小さまざま | 小粒は手間がかかる |
| 南洋(白蝶) | 直径10〜15mm | 糸と留め具 |
| 黒蝶 | 直径8〜13mm | 糸と留め具 |
| マベ | 半球の形 | 熱をかけない |
※ 大きさは、真珠の卸の会社が示す主な大きさです。淡水は、GIA(米国宝石学会)によると大きさ・形・色がとても幅広いのが特徴です。
糸替えは、どの種類でも受ける店があります。ある真珠店は、アコヤ・黒蝶・南洋白蝶・淡水のネックレスの糸替えを受けるとしています。ある修理工房も、アコヤ真珠も淡水真珠も、糸替えの作業工程は同じと書いています。
料金は珠の大きさで変わる
小さな珠ほど、糸替えの料金は上がることがあります。同じ長さでも、小さな珠ほど数が多く、通す手間が増えるからです。以下は他店が公式サイトに載せている料金表の例で、見積もりの額ではありません。
- ある宝石店:6mm未満の珠は倍額
- ある工房:5mm以下の小さな粒は5割増し
糸が切れて珠がばらばらになると、大きさ順に並べ直す代金が加わる店もあります。同じ宝石店の料金表では、小さな珠ほど加算が大きくなっています。
| 作業の条件 | 加算の公開例 |
|---|---|
| 並べ直す(9mm以上) | 9mm以上は+1,100円(税込・50cmあたり) |
| 並べ直す(6〜7mm) | 6mm以上7mm未満は+2,750円(税込・50cmあたり) |
| 穴をあけ直す・広げる | 1珠110円(税込・ラウンド) |
※ 1つの宝石店の料金表。どれも税込で、糸替えの料金に加わる額です。
ネックレスとして使い続けるつもりなら、糸は自分で切らないでください。ばらばらにしてから店に出すと、並べ直す代金がかかることがあります。
小さな珠:淡水・小粒のアコヤ
淡水の小粒のネックレスは、糸替えに手間がかかることがあります。ある工房は、淡水真珠の糸替えの事例で粒が小さいので時間がかかると書いています。同じ工房の事例の額は4,800円(6mm未満・50cm以内)でした。
小さな珠は、穴も小さいことがあります。ある真珠の仕立ての店は、4mm未満の小さな珠は穴も小さいことがあり、細いワイヤーを使うとしています。とても小さな珠は、仕立てを断られることもあります。ある真珠店の注意書きは「模造パール・貝パールは糸替え不可。3mm未満は不可の場合あり」です。
自分の品だといくらで直るかは、壊れた所の写真を送って工房に相談できます。
ばらけて珠をなくしたとき
なくした珠の分は、短くして済ませるか、珠を足すかを選びます。珠を足す方法は、残った珠に合う珠を店で用意してもらう作業です。ある真珠店は、足りない珠を足す(珠足し)は有料としています。
拾った珠は、1粒も捨てずに袋にまとめて持っていきます。数が多く残っているほど、短くするだけで済む場合が増えます。短くした長さで困らないかは、いまの長さと珠の数を伝えて聞いてください。
大きな珠:南洋・黒蝶
南洋(白蝶)と黒蝶の大きな珠は、重さに合わせて通し方を選びます。ある修理工房は、南洋真珠について南洋真珠は粒が大きく重く、糸にかかる負担が大きいとしています。
ある工房は、南洋真珠のネックレスは、すべての珠の間に結び目を入れる組み方を勧めるとしています。留め具は、10mm以上の南洋真珠には、裏表のない球体型のプッシュ式の留め具を勧めるとしています。ワイヤーで通す場合、ある真珠の仕立ての店は南洋真珠など大きく重い珠は穴が大きいこともあり、太いワイヤーを使うことがあるとしています。
大きな珠を指輪やペンダントに作り替えるなら、店の決まった形に入る大きさかを先に聞きます。余り珠の加工をするある店は、通常のプランは直径11.8mmまでとしています。南洋の大きな珠は、この大きさを超えることがあります。超えるときは珠に合わせて枠を作るので、仕様によっては費用がかかります。枠を作る代金の決まり方は、指輪リフォームの値段で確かめられます。
ネックレスから外した珠は、穴が表から裏まで抜けています。ある宝飾店は、南洋の黒真珠で指輪を作った事例でネックレスの珠は両穴なので、穴の処理に工夫が要るとしています。ある真珠店は、穴を下に向けるペンダントや揺れるピアスが向き、指輪や正面を向くピアスは穴が正面に出るので向かない、としています。
マベは別の扱い

マベは、貝殻の内側で半球の形に育て、切り出して裏を貼り合わせた真珠です。ある専門店は、マベパールは半球形で、中心に真珠核がなく他の素材で満たされているとしています。同じ店は、マベパールは表と裏を貼り合わせているため、年月で剥がれることがあるとも書いています。
熱も避けます。ある宝飾店は、マベを使った作り替えの事例でマベは熱に敏感なので、一度外してから作業したと書いています。真珠全体についても、GIAは高い熱で高温で焼け・変色・ひび割れのおそれがあるとしています。
すでに剥がれているマベは、どこまで戻せるかを現物で見てから決めることになります。
写真で分かること、現物で決まること
写真で決まるのは、糸替えか作り替えかと、加算がつきそうかの見当までです。種類と珠の状態は、現物か書類で確かめます。
写真で分かること
- 連の数と、ばらけているか
- 定規を当てたときの珠のおおよその直径
- 留め具の形と、マベのような半球の珠か
現物で決まること
- 真珠の種類と、本真珠か模造か
- 穴の大きさと、接着剤の有無
- マベの貼り合わせの傷み
種類は、見た目だけでは決められません。ある真珠店は、真珠の種類を見分けるのは難しく、正確には鑑別機関での鑑別が要るとしています。別の真珠店も、画像が1枚だけ・遠くからの写真では、種類を見分けにくいと書いています。本真珠か模造かも、現物で確かめることです。模造の品は、糸替えを断る真珠店もあります。
直し方を決めるのに、種類の名前は要りません。要るのは、いちばん大きい珠の直径・長さ・連の数・留め具の素材です。鑑別書(真珠の種類や処理を調べた書類)や買ったときの保証書があれば、一緒に見せます。書類の違いは鑑定書と鑑別書の違いにあります。
種類が分からないままでも、ネックレス全体・いちばん大きい珠・留め具を撮れば、写真で相談して直し方の見当を聞けます。定規を当てて撮ると、珠の大きさが伝わります。
作り替えるときの料金
余った珠1粒をペンダントにする加工の公開価格は、金具の素材と形で分かれています。真珠の種類で分けた例はありませんでした。
| 公開例 | 金具 | 公開価格 |
|---|---|---|
| 公開例1 | 記載なし | 5,500円〜 |
| 公開例2 | シルバー・穴に通す | 6,500円〜(SV925・1粒スルーペンダント) |
| 公開例3 | プラチナ | 16,500円(税込・Pt900バチカン) |
※ 他店が公式サイトに載せている最も安い設定。3店の中央値は6,500円です。チェーンは含みません。公開例1・2は税の表示がありません。
穴にチェーンを通す形は、穴を大きく広げることがあります。この形(スルーペンダント)について、ある真珠店はスルーペンダントは穴を大きく開け直すため受けない(元のネックレスに戻しにくい)としています。元のネックレスに戻す可能性があるなら、金具を付ける形を選びます。ピアスや指輪にする料金と短くする方法は、真珠ネックレスのリメイク費用で確かめられます。
ブランドの真珠と、手入れ
ブランドの真珠なら、ほかの店に出す前に、買ったブランドの決まりを確かめます。TASAKIは、他社商品・他社で加工した自社商品は受付不可としています。ほかの店で糸替えすると、その後の受け付けに響くことがあります。ブランドの無料の条件と糸替えの料金は、真珠ネックレスの糸替えの料金と時期にあります。
手入れと保管は、どの種類でも同じです。GIAは、真珠は超音波洗浄器・スチームクリーナーで洗わないとしています。ある真珠ブランドは、真珠は他のジュエリーと接しないよう仕切りのある箱で分け、日光・高温多湿・極端な乾燥を避けると案内しています。別の真珠ブランドは、香水や防虫剤など揮発性の薬品と一緒に保管しないとしています。
今日やること
- 1測るいちばん大きい珠の直径(mm)・長さ(cm)・連の数を測り、マベのような半球の珠か見る
- 2書類と珠を集める鑑別書・保証書・ブランドの箱を出す。ばらけた珠は1粒残らず袋にまとめる
- 3写真を送って相談する「真珠のネックレス1連、45cm、珠は8mmくらいで、種類は分かりません。糸替えの税込の料金と、珠の大きさの加算があるかを教えてください」と書いて、全体・珠・留め具の写真と一緒に送る
