着け心地の悪い指輪は、どこが痛むかで直し方が決まります。指を曲げたときに角が当たるなら内側の形、隣の指に当たるなら厚み、全体がきついなら幅に対するサイズ、関節で引っかかるならサイズの採り方を見直します。
削った金属は戻りません。どの直し方でも、先に「どこが・どんなときに痛むか」をはっきりさせてから頼むと、削りすぎを防げます。
痛む場所で直し方を決める
痛む場所と原因は、次の4つに分かれます。
| 痛む場所・場面 | 原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 指を曲げると付け根に当たる | 内側の角 | 内側の角を丸くする |
| 指を閉じると隣の指に当たる | 厚み・外側の角 | 外側を削る |
| 全体がきつい・跡がつく | 幅に対してサイズが小さい | サイズを上げる |
| 関節で引っかかり、根元で回る | 関節と根元の太さの差 | 関節を通るサイズ+内側を丸くする |
内側が平らな指輪は、指を曲げたときに角が点や線で当たりやすいので、指を曲げたときだけ痛むなら、この角が原因です。
隣の指に当たるのは厚みのせいです。まっすぐな指は両隣の指と密着するので、指輪の厚みを抑えたほうが着け心地がよいとされています。外側の角を丸く削ることや幅広の指輪を細くすることはできますが、幅広を細く削るのはできるが、細身を幅太にするのは難しい場合が多いです。
内側を丸くする加工(内甲丸)とは

内甲丸(うちこうまる)は、指に触れる内側を丸くした形です。内甲丸は、指輪の内側の角を丸く削り落とし、ゆるやかなアーチを持たせる仕立てで、角が線で当たらず面で触れるので、指を曲げても痛みにくくなります。今持っている指輪にも後から加工でき、手持ちの指輪の内側を削って角を丸める仕立て直しの相談を受ける工房があります。
角を削って丸くする
- 今の厚みの中で角を削り落とす
- 地金が減り、指輪は少し薄くなる
- 内側の刻印は消えることがある
内側に地金を足して丸くする
- 角を削るのでなく、内側に金属を足す
- 厚みを減らさずに丸くできる
- 加工が大がかりになり、費用がかかる
ブランドの新作では、内側の角を削り取るのでなく、内側に地金を足して丸く仕上げる作り方もあるとされています。ただしこれは新しく作る指輪の仕立てで、今の指輪に後から足せるかは素材と形によります。
丸くするとゆるく感じる
内側を丸くすると、同じ号数でもゆるく感じます。新しく作るときの目安として、内甲丸の指輪は、リングゲージでぴったりのサイズより0.5号ほど小さめを勧める工房があります。内甲丸をゆったりめのサイズにすると、ぐらつく感じがして合わないことがあるという説明もあります。
今の指輪がもともと少しゆるいなら、丸くするとぐらつきが出るかもしれません。ゆるさも気になるなら、サイズを小さくする作業と一緒に相談します。回る直し方は指輪がゆるい・回るときの直し方にあります。
自分の品だといくらで直るかは、壊れた所の写真を送って工房に相談できます。
削って直せる指輪か
内側を丸く仕上げるには厚みが要ります。内甲丸に仕上げるには、地金を多く使って厚み(肉厚)を持たせる必要があるからです。もともと薄い指輪の角を削ると、さらに薄くなります。
同じ「内側を削る」作業であるサイズ直しの条件が、目安になります。内側を削って大きくするサイズ直しは幅5mm以内の指輪だけで、目安は1〜2号とする工房と、内側を削る方法は厚みのある指輪に限られ、できる場合でも1〜2サイズが限界とする工房があります。角を丸くするだけなら削る量は少なくて済みますが、厚みが要る点は同じです。
磨く作業でも金属は少しずつ減ります。磨くだけでは磨いた部分が薄くなったり形が崩れたりすることがあるとブランドが注意しています。何度も削り直すより、1回で必要な分だけ削るほうが指輪は長持ちします。
保証が残っているブランドの結婚指輪なら、まず購入したブランドに「内側の角が当たって痛い」と相談します。保証が切れている、またはブランドで受けていない加工なら、工房の出番です。削れないと言われたときの次の手は指輪のサイズ直しができないときで確かめられます。
料金の目安
内側の角を丸くする加工だけの料金を料金表に載せた店は、確かめた範囲では見つかりませんでした。見積もりになる作業です。近い作業について、他店が公式サイトに載せている料金は次のとおりです。
| 近い作業 | 他店の公開料金 | 条件 |
|---|---|---|
| 内側を削ってサイズを上げる | 10,000円〜 | 1店の最低料金・税別 |
| 指輪の新品仕上げ(磨き) | 2,100円 | 6店の最低料金の中央値 |
※ 新品仕上げは税込と税の表示なしが混ざります。どちらも他店の料金で、同じ額で加工できるという意味ではありません。
角を丸くする作業は、内側を削る作業と仕上げの磨きを合わせたものです。見積もりを頼むときは「内側の角を丸くして、磨き直しまで含めた額」と伝えます。
幅広の指輪がきつい
幅の広い指輪は、角を削るよりサイズを上げるほうが楽になります。指に触れる面が広いぶん、同じ号数でもきつく感じるからです。
上げる号数の目安は工房によって幅があります。通常より0.5号〜1号ほど大きめとする工房と、幅広の内甲丸リングは、通常のジャストサイズより1〜2号大きめが基本とする工房があります。今の号数から0.5〜1号上げて着けて確かめるところから始めると、上げすぎを防げます。
幅が広いと、サイズ直しの料金も上がります。他店の公開料金の例です。
| 公開例 | 幅による料金 |
|---|---|
| 公開例1 | プラチナの1サイズアップ 幅4mm以下3,300円・幅4mm以上5,000円・幅6mm以上7,500円〜(税別) |
| 公開例2 | 幅2.6〜5.0mmは1.5倍、5.1mm以上は2倍 |
※ 公開例1は基本工賃(税別)、公開例2は幅2.5mm以下の料金に掛ける倍率です。
号数ごとの料金と日数は指輪のサイズ直しの料金と日数で、号数を変えたときに足す金属の量は号数と地金の増減の計算で確かめられます。
関節で引っかかり、根元で回る
関節が太い人は、関節が太い場合は、関節を通るサイズが基本です。そのぶん根元ではゆるくなり、指輪が回ります。
回りにくくする手は2つあります。1つは内側の形で、関節が根元より太い指には、内側の面を丸くカーブさせ、角も丸く仕上げて引っかかりを減らす作り方があります。今の指輪が平らな内側なら、内側を丸くする加工が候補です。もう1つは幅で、アーム幅3mm以上の幅広の指輪は回る心配が少ないとされています。細い指輪が回って気になるなら、幅のある指輪に作り替える道もあります。関節と根元の測り方と、内側に足して直す方法は関節が太い指に合う指輪にあります。
指がしびれる・色が変わるほどきついなら、加工の相談より外すことを先にします。抜けないときは、無理に引かずに指輪が抜けないときの外し方を読んでください。
写真で分かること、現物で決まること
内側の形と厚みは、真横から撮った写真でおおよそ分かります。削れる量と仕上がりの感触は、現物を見てから決まります。
写真で分かること
- 内側が平らか、丸いか
- 幅と、おおよその厚み
- 内側の刻印の有無と位置
現物で決まること
- 削っても強さが残る厚みか
- 刻印を残して削れるか
- 丸くした後のゆるさ(号数を変えるか)
痛む場所と、真横から断面が分かる写真・正面・内側の刻印の写真があれば、写真で相談することができます。「指を曲げると付け根に当たる」「刻印は残したい」のように書き添えると、削る案と削らない案を分けて考えやすくなります。
直さなくていいケース
夕方や夏だけきついなら、指輪ではなく指の太さが変わっています。朝と深夜では2号ほど変わることも珍しくないとされています。
反対に、薄い指輪でも痛みが続く、サイズも形も大きく変えたいなら、削って直すより作り直すほうが向きます。元の指輪の金属を使って作り直す方法は結婚指輪のリフォーム・作り直しの費用で確かめられます。
今日やること
- 1痛む場所を書き出す指を曲げたとき・隣の指・全体・関節のどれか。朝と夕方で違うか
- 2指輪を撮る真横から断面が分かる写真・正面・内側の刻印。幅と号数が分かれば書く
- 3写真を送る「内側の角が当たって痛いです。内側を丸くできる厚みが残っていますか。刻印は残したいです」と書いて送る
