関節が太い指の指輪は、サイズを関節で決め、根元のゆるさは指輪の内側で埋めるのが基本です。根元の細さに合わせて小さくすると、関節を通らなくなります。
まず関節と根元を別々に測る

関節と根元は、別々に測ります。金属のリングゲージ(号数ごとの輪)は関節を通るかを見るのに向き、根元の細さは紙を巻いて測ります。
- 1関節で測るリングゲージを順に通し、関節をぎりぎり通る号を探す
- 2根元で測る幅5mmほどの紙を根元に巻き、重なった所に印を付けて長さを測る
- 32つを並べる「関節◯号・根元◯号」とメモする
紙で測った長さは、指輪のサイズ号数表で号数に直せます。指の太さは時間帯で変わるので、時間を空けて何度か測ります。
関節の号の決め方について、工房や宝飾店は次のように説明しています。
- 測り方:根元は紙をテープ状にして巻いて測り、関節はサイズゲージでぎりぎり通るサイズを測る。2つを合わせて決める
- 決める場所:関節が太い場合は、関節を通るサイズが基本
- 選ぶ号:関節が太く根元が細い指は、関節にサイズを合わせ、指に入る中でいちばん小さなサイズを選ぶ
- 通すとき:関節を通すときに、痛くなったり赤くなったりしないサイズを選ぶ
- 外すとき:関節が太い場合は、指輪を抜くときに第二関節でひっかかるサイズ
着け外しの多い仕事なら、自分で楽に外せる号を選びます。
関節に合わせると、根元では指輪がゆるくなります。根元のゆるさを止めるのが、次の直し方です。
手持ちの指輪を直す方法と料金
手持ちの指輪は、内側に何かを足して根元のすき間を埋める方法がよく使われます。指輪の外側の形を変えずに済みます。
| 直し方 | 公開例の料金 | 向く場合 |
|---|---|---|
| 内側に樹脂を盛る | 2,000円〜(税別・幅5mm以上は3,000円など) | 少しだけ詰めたい |
| 内側に同じ金属の板を張る | 20,000円〜+足す地金板の代金(税別) | 刻印や模様を切りたくない |
| 内側に地金の球を付ける | 公開なし | 回るのを止めたい |
| 指輪と指の間に部品を挟む | 部品代のみ | 細い指輪をすぐ止めたい |
| 1か所切って交差させる | 5,000円〜(税別) | ほかの方法で合わない |
※ 金額は、1つの修理店が公式サイトに載せている料金(税別・「〜から」の最低料金)です。他店の公開例で、同じ金額で直せるという意味ではありません。
内側に樹脂や板を足す
指輪を切らずに、内側に樹脂か金属の板を足して内径を小さくします。ある修理店は、内側に樹脂を盛る加工は、関節の太さに合わせた微調整に使われることがあるとしています。
公開例では樹脂のほうがずっと安く、金属の板は足す地金の代金も別にかかります。内側に刻印があるなら、板をどこに張るかを聞きます。別の修理店は、内側に板を張る方法は、全周に張ると刻印が消え、代金も高くなるため、多くは刻印のない所にだけ板を張ると説明しています。
内側に地金の球を付ける
根元で回るのを止めたいなら、内側に小さな地金の球を付ける方法があります。ある宝飾店は、指輪が回るのを防ぐ方法として、少し大きめにサイズを直し、指輪の内側に地金の球を付けて回りにくくするやり方を紹介しています。
その店は料金を載せず、現物を見て加工料を伝えるとしています。球の数や位置で費用は変わります。
挟む部品と、切って交差させる方法
指輪と指の間に挟む市販の部品もあります。加工せずに済みますが、使えない指輪があります。ある工房は、指輪と指の間に挟む部品(ピタリング)は、手のひら側の幅が4mm以上か、厚みが1.8mm以上の指輪には使えないとしています。
1か所を切って輪を交差させる方法は、ある修理店が、関節が太すぎてサイズが決まらないなど、ほかのサイズ直しでは対応できない場合に限って受ける特殊な方法としています。指輪の形が変わるので、ほかの方法で合わなかったときの最後の手です。
サイズそのものを直す場合
今の指輪が関節を通らないなら、まず関節を通るサイズに大きくします。他店の公開料金では、大きくする基本料金は確認した3店の中央値で2,500円、足す地金の代金が1号ごとに1,000円から3,000円です。どちらも「〜から」の額で、税の表示のない店が多く含まれます。
切らずに内側を削って大きくする方法もあり、ある修理店の公開料金は10,000円〜(税別・幅5mm以内・1〜2号程度まで)です。別の修理店は、内側を削って大きくする方法では、内側の刻印が消えるとしています。刻印のある指輪なら、削る方法は避けます。サイズ直しの料金と日数は指輪のサイズ直しの料金で確かめられます。
自分の品だといくらで直るかは、壊れた所の写真を送って工房に相談できます。
写真で分かること、現物で決まること
関節と根元の号数と、指輪の正面・内側の写真があれば、内側に足すか、サイズを直すか、作り直すかの候補は絞れます。足せる量と最終の方法は、現物の厚みを見てから決まります。
写真で分かること
- 関節と根元の号数の差
- 指輪の幅と、内側の刻印の位置
- 全周の模様や石の有無
現物で決まること
- 指輪の厚みと、内側に足せる量
- 球や板を付ける位置
- 削っても強さが保てるか
新しく作るなら内側の形で合わせる
新しく作る指輪なら、内側の形で関節と根元の両方に合わせる作り方があります。内側を平らにせず、丸く盛り上げて、場所によって内径を変えます。
ある工房は、関節10号・根元8号の指なら、内側を平らにせず、いちばん盛った所を8.5号・内側の角を9号で作ると、根元でゆるくならずに関節も通ると説明しています。
内側が平ら
- 指に当たる面が広い
- 関節を通るときに角が引っかかる
- 関節に合わせると根元で回る
内側を丸く盛る
- 関節を通るときに引っかかりにくい
- 盛った所で根元のすき間を埋められる
- 地金を多く使う
内側を丸くする仕立ては、内甲丸(うちこうまる)と呼ばれます。ある工房の説明では、内甲丸は、指輪の内側の角を丸く削り落とし、ゆるやかなアーチを持たせる仕立てです。別の工房は、関節が根元より太い指には、内側の面を丸くカーブさせ、角も丸く仕上げて引っかかりを減らすとしています。
角を削るだけでは、根元のすき間は埋まりません。あるブランドの説明では、内側の角を削り取るのでなく、内側に地金を足して丸く仕上げる作り方もあるとされています。根元のすき間を埋めたいなら、地金を足して内側を盛る作り方を頼みます。
サイズの選び方には注意が要ります。ある専門店は、内甲丸をゆったりめのサイズにすると、ぐらつく感じがして合わないことがあるとしています。内側を丸くするなら、関節をぎりぎり通る号で作ります。
頼むときは、関節と根元の2つの号数を伝え、「関節を通って、根元で回らない内側にしてください」と書き添えます。新しく作るときの費用の決まり方と流れは、ジュエリーのオーダーメイドで確かめられます。手持ちの指輪の内側を丸く直す方法は指輪の着け心地が悪いときの直し方にまとめています。
開閉式の指輪は向く人が限られる
輪の一部が開く開閉式(ヒンジ)の指輪なら、関節を通さずに根元で閉じられます。既製品の例では、輪が大きく開いて好きな位置で止められ、関節を通すときは広げ、付け根で締めて着ける開閉式のリングがあると紹介されています。
金やプラチナの指輪を開閉式に作る・作り替えることは、仕様によってはできます。ただし、開く部分の金具を作り込むので費用がかかります。料金は、作りたい形を伝えて見積もりで確かめます。
開け閉めのたびに、金属には力がかかります。開閉して大きさを変えるリングについて、ある宝飾店は、開け閉めをしすぎると、一番力が加わる所が金属疲労を起こして割れるとしています。開閉式は、内側を盛っても関節を通らないほど差が大きい人に限って考えます。
関節が急に太くなったときは受診を先に
産後や年齢を重ねて関節が太くなったと感じ、痛みや腫れがあるなら、指輪を直す前に医療機関で診てもらいます。ある宝飾ブランドのコラムも、関節で引っかかる原因が指の変形なら、医療機関に相談するとしています。
第二関節が骨のように硬くふくらむ変化もあります。医学書には、第二関節(近位指節間関節)の骨の出っぱりは「ブシャール結節」と呼ばれ、手の変形性関節症で見られるとあります。原因は人によって違うので、自分で決めつけずに診てもらい、太さが落ち着いてから指輪を直します。直してから指がまた変わると、もう一度直すことになります。
結婚指輪のサイズが産後や体重で変わった場合の直し方は、結婚指輪のサイズが変わったらで確かめられます。
サイズ直しを断られた指輪は、指輪のサイズ直しができないときでほかの方法を確かめられます。
直さなくていいケース
根元で回っても困っていないなら、直さなくて構いません。回って困るのは、石や模様が手のひら側に寄る指輪です。
直すと決めたら、関節と根元の号数と、指輪の正面・内側の写真をそろえて写真で相談できます。「内側に足すか、作り替えるか」を迷っていることも、そのまま書き添えます。
今日やること
- 12か所を測る関節はリングゲージ、根元は紙を巻いて、それぞれの号数をメモする
- 2指輪を撮る正面・横・内側(刻印と幅が分かるように)を撮る
- 3写真を送って相談する「関節◯号・根元◯号です。関節を通って根元で回らないように直したいです。内側に足す方法の税込の総額を教えてください」と書いて送る
