工房が公式サイトに載せる宅配修理の流れは、写真で概算をもらい、指示を受けてから品物を送り、現物を見た正式な見積もりに承諾してから作業が始まる順番です。送る前に、行き帰りの送料・配送中と預かり中の補償・見積もり後に断ったときの費用を文字で確かめます。送り方は品物の時価(いまの値打ち)で決めます。
以下の送料・期間・取り消しの費用は、工房や修理店が公式サイトに載せている決まりの例です。店によって違い、同じ条件になるという意味ではありません。
宅配修理の流れ
品物をいきなり送らせず、写真での相談から始める決まりの工房があります。ある工房は申し込み前の郵送は断る(オンラインで申し込む)としています。品物は、送り先と送り方の指示を受けてから送ります。
写真で分かること、現物で決まること
写真で分かるのは、作業の種類と概算、宅配で受けられる作業かまでです。料金が決まるのは、品物が届いて現物を見てからです。
写真で分かること
- どの作業に当たるか(切れ・サイズ・石留め)
- 概算の金額と、送り方の指示
- 宅配で受けられる作業か
現物で決まること
- 刻印どおりの素材か
- 石のゆるみ・ひび、地金の薄さ
- 正式な料金と期間
写真の概算と正式な見積もりが違うとき、負担を分けて書く工房があります。ある工房は現物が仮見積もりと違い、問い合わせ時に店が確認できなかった事情でのキャンセルは店の負担で返却としています。同じ工房は客の申告と現物の状態が違って値上げになった場合のキャンセルは着払いで返却としています。傷・へこみ・石の欠けを近くから撮り、刻印(K18・Pt900など)が読めればそれも伝えると、差が小さくなります。刻印の読み方は刻印図鑑で確かめられます。
自分の品だといくらで直るかは、壊れた所の写真を送って工房に相談できます。
送る前に確かめる4つ
送料・補償・断ったときの費用・期間は、品物を送る前に答えをもらいます。
送る前に聞くこと
- ①送料行き・帰りをだれが払うか一定の額で無料になる店もある。税込か税別かも聞く
- ②補償配送中と預かり中の事故配送会社の補償とは別に、工房の保険があるか
- ③断ったとき見積もり後にやめた場合の費用返送料だけか、キャンセル料もかかるか
- ④期間届いてから返送までの日数往復の配送日数が加わる
送料
下の公開例7件のうち5件は、代金が一定の額を超えると送料を店が持つ決まりです。
- 公開例1:見積もり2万円以下は送料客負担
- 公開例2:受付金額2万円以上で送料無料、未満は全国一律1,800円
- 公開例3:代金30,000円(税別)以上は返送料無料、未満は全国一律600円(税別)
- 公開例4:総額33,000円(税込)以上で返送送料は店負担
- 公開例5:返送は全国一律1,650円(税込)、5万円以上で往復無料
- 公開例6:修理の可否に関わらず、返送の梱包・配送料1,100円(税込)
- 公開例7:往復の宅配キット3,300円(税込・上限30万円の損害保険付き。北海道・沖縄は4,950円)
無料になる境界の額は店ごとに違い、税込と税別も混ざっています。チェーン切れのような数千円の修理は境界に届かず、往復の送料が修理代に近い額になることがあります。数千円の修理の料金はネックレスのチェーン修理の料金で確かめられます。
- 修理代(税込)
- 5,000円
- 工房へ送る送料(自分で払う)
- 1,000円
- 返送料(工房の決まりで払う)
- 1,000円
※ 数字は計算の仕方を見せるための仮の値です。
配送中と預かり中の補償
工房へ送る途中の事故の扱いは、工房によって逆です。ある工房は配送中の破損・紛失・遅延は店では責任を負わないとしています。別の工房も店へ送る途中の破損・紛失は店が責任を負わないので、緩衝材で保護して宅急便などで送るとしています。この場合、送る途中の事故には配送会社の補償で備えることになります。
反対に、ある工房は発送から加工中・到着まで全工程で保険適用としています。同じ工房は、預かり品の保険の補償額は客の自己申告価格が基準と説明しています。工房が送る宅配キットに保険が付く方式もあり、ある工房は宅配キット税込2,750円(北海道・沖縄県を除く)、保険の賠償限度額は30万円としています。完成品の返送にだけ運送保険を付ける工房もあり、その公開例は返送は運送保険付き(30万円まで)です。
見積もり後に断ったときの費用
正式な見積もりを見て断ったときの費用は、返送料だけの店も、キャンセル料がかかる店もあります。
- 公開例A:キャンセル料不要・返送料は着払いで客負担
- 公開例B:正式見積もり後にキャンセルすると、返送の送料は客負担
- 公開例C:品物が届いた後に客の都合で取り消すと、見積もり金額の50%のキャンセル料がかかる
承諾した後は、取り消せないことがあります。ある修理店は加工途中のキャンセルは不可としています。送る前に「現物を見た見積もりで断った場合、かかる費用は返送料だけですか」と聞いておきます。
期間と、宅配で受けない作業
期間は、作業日数に往復の配送日数が加わります。公式に書かれた目安は次のとおりです。
- 修理の公開例:10日程
- 加工の公開例:注文後、基本10日〜2週間以内に加工完了
- 修理とリフォームの公開例:リフォーム約1.5ヶ月・修理約1ヶ月
指輪のサイズ直しは、宅配では受けない店があります。ある修理店は指輪のサイズ直しは、対面で相談できない宅配では受けないとしています。宅配でサイズ直しを頼むときの号数の伝え方と料金は、指輪のサイズ直しの料金で先に確かめてください。
送り方と補償の上限
配送会社の公式の決まりでは、事故のときに払われる額に上限があり、上限を超える品を受けない送り方もあります。
| 送り方 | 事故のときの上限 |
|---|---|
| 宅急便 | 1個30万円まで(税込) |
| ゆうパック | 30万円 |
| ゆうパック+セキュリティサービス | 50万円 |
| 一般書留 | 申し出れば500万円まで(申し出がなければ10万円) |
| 簡易書留 | 原則5万円までの実損額 |
| レターパック | 賠償の対象外 |
※宅急便はヤマト運輸、そのほかは日本郵便の公式ページの記載です。
ヤマト運輸は、宅急便では1梱包の価格が30万円(税込)を超える荷物は送れないとしています。日本郵便は、大切なもの・高価なものは書留、ゆうパックならセキュリティサービスにすると案内しています。また、金・銀・ダイヤモンドなどは郵便で送るなら必ず一般書留としています。
一般書留は、窓口で申し出た額が上限になります。申し出られるのは品物の時価までです。
工房が送り方を指定することもあります。ある工房は「レターパックプラスまたは宅急便」と指定しています。ただ、日本郵便はレターパックを事故があっても損害賠償の対象外としています。郵便受けに入る送り方を断る工房もあります(ある工房は郵便受けに投函されるレターパックライト・ゆうパケット等で送らないよう求めている)。指定と配送会社の決まりが合わないときは、補償のある送り方でよいかを工房に聞きます。
時価30万円まで
- 宅急便か、セキュリティサービス付きのゆうパック
- 追跡番号を工房に知らせる
30万円を超え50万円まで
- ゆうパックにセキュリティサービスを付ける
- 宅急便では送れない
それより高い・値段が分からない
- 郵便局の窓口で一般書留にし、時価を申し出る
- 送らずに持ち込むことも考える
梱包と、送る前に残すもの

品物は小さく包み、箱の中で動かないようにします。ある修理店は、クッション材に包む・小箱に入れるなど、壊れないように梱包するよう案内しています。
ブランドの箱やケースは、送らずに手元に残します。公開されている決まりの例です。
- ある修理店:購入時のケースに入れて送るのは控えるよう求めている
- 別の工房:箱・ケース・梱包材は返せない場合があるので、処分してよいもので送る
送る前に、品物の正面・横・内側の刻印を写真に撮り、送り状の控えと一緒に残します。届いた状態で話が食い違ったときに、送ったときの状態を示せます。箱には、名前・連絡先・頼みたい内容を書いたメモを入れます。
宅配にしないほうがよい場合
ブランドで買った品が保証期間内なら、先に買った店の保証を確かめます。考え方はブランドのジュエリーを他店で修理してよいかにあります。サイズ直しを断られたときの次の手は指輪のサイズ直しができないときで確かめられます。
宅配で出すと決めたら、品物を送る前に、写真で相談するところから始められます。概算と送料・送り方の答えを見てから、品物を送ってください。
送った品が戻らない、壊れて戻った、約束と違う料金を求められたなど、話がつかないときは、消費者ホットライン「188」に電話すると、身近な消費生活センターや相談窓口を案内してもらえるので、そこで相談できます。
今日やること
- 1品物を撮る正面・横・内側の刻印と、壊れた所を近くから撮る
- 2送る前に聞く「行き・帰りの送料、配送中と預かり中の補償、見積もり後に断った場合の費用、期間を教えてください」と書いて、写真と一緒に送る
- 3送り方を決める時価30万円までなら宅急便かセキュリティサービス付きのゆうパック、それより高ければ郵便局で一般書留にして時価を申し出る
