修理やサイズ直しの直後に石が取れた、同じ所がまた切れたときは、まず直した店に連絡します。無料で直してもらえるかは、その店の保証の期間と「対象外」の決まりで変わります。ブランド品を買った店以外で直していた場合は、ブランドの保証が受けられなくなっていることがあります。
修理店3店(ここではA店〜C店と呼びます)の公式サイトに書かれた保証は、次のとおりです。
| 修理店 | 公式サイトの保証 |
|---|---|
| A店 | 修理後3か月間の無料保証 |
| B店 | 修理後1か月間の保証、同じ箇所の不具合は無償で再修理 |
| C店 | 同じ箇所が再び壊れたら相談を受ける(期間の記載なし) |
A店は、保証の中身を修理した箇所が壊れた・外れた等の不具合は無償で再修理としています。一方で同じ店は、石外れ・石合わせ後の宝石の紛失は保証対象外としています。こうした店では、石を失くすと、保証の期間内でも石の代金は別にかかります。
どちらの保証が使えるか
修理後の不具合で使える保証は、直した店の保証と、買った店の保証の2つです。どちらが使えるかは、誰がどこを直したかで分かれます。
直した店(修理店)の保証
- 直した箇所の不具合が対象
- 修理後から数える例がある
買った店(ブランド)の保証
- 買った品そのものの不具合が対象
- 購入日から数える例がある
- 他店で直すと外れる場合がある
ブランド品を、買った店以外の修理店で直していた場合は注意が必要です。ある修理店は、ブランド品は販売店以外で修理すると保証が受けられなくなると書いています。この場合、修理後の不具合はまず直した修理店に言い、ブランドの店には「他店で直した品でも見てもらえるか」を聞く順になります。
買った店で直してもらった場合は、修理の保証が別に付くことがあります。あるブランドは、アフターサービスの作業は修理日から1年間の修理保証(証明書・請求書の提示が条件)としています。
買った店の保証も、店によって期間と条件が違います。
- ある宝飾店:通常の使用で起きた不具合は購入後半年間無料。ただし購入日が確かめられないと、半年以内でも有料
- ある通販の宝飾店:自店で買った品の無償のアフターサービスで、石の留め直しは初回無料、2回目以降は1回500円
ブランド品を他店で直してよいかは、ブランドのジュエリーを他店で修理してよいかで確かめられます。
壊れた原因で、無料か有料かが分かれる
保証の期間内でも、壊れた原因によっては有料になります。上の宝飾店は、無料の修理について故意の事故による破損と、製品の主な部分の紛失は、購入後半年の無料修理から除くとしています。修理店の保証も、対象は「直した箇所の不具合」です。ぶつけた・引っかけたなど、着けていて起きた出来事が原因と見られると、保証の外になることがあります。
原因がどちらか分からないときは、自分で決めつけずに、気づいた日と着けていた場面をそのまま伝えます。店が対象外と判断したら、その理由を書面でもらいます。
修理店の保証の読み方
修理店の保証の書面や店頭の案内では、次の5つの欄を見ます。書いていない欄は、電話で聞いてください。
修理の保証で見る欄(見本)数字は仮
- ①期間修理後いつまでか起算日が修理日か、受け取り日かも聞く
- ②対象直した箇所だけか、品全体か直していない爪から石が取れたときも対象かを聞く
- ③対象外石の紛失・部品の紛失・事故「石の紛失は対象外」の店では、石代は自分で払う
- ④上限弁償するときの上限額高い品なら、上限を超える分をどうするか先に決める
- ⑤申し出の期限受け取り後いつまでか受け取った日にその場で仕上がりを確かめる
③の「対象外」は、店によって差が出る欄です。ある宝飾店は、製品の紛失は保証の対象外としています。自社で作った品の保証でも、保証の範囲でも、修理の内容・金性により料金がかかる場合があると同じ店は書いています。
④の上限は、店が壊したり失くしたりしたときの弁償の範囲です。公式の規約に書かれた例を並べます。
| 店の規約 | 弁償・補償の範囲 |
|---|---|
| 通販の宝飾店 | 店の過失で修理中に毀損・紛失した場合は同等品で代替か購入代金の範囲内で弁償 |
| リフォーム店 | 店が算出した一般的な市場価格の最大1割まで、上限30万円 |
| 修理・リフォーム店 | 店の責任で預かり品がなくなったり壊れたりしたとき、同等品の調達、加工代金相当額、10万円のうち最も低い額を上限に弁償する |
上限があるので、高い石の品は、弁償で元の価値が戻るとは限りません。預ける前に「壊れたときの補償の上限はいくらですか」と聞き、上限が品の価値より低ければ、預けるかどうかを決め直します。
⑤の期限は、あるリフォーム店の加工承諾書の例で、受け取り後1週間を過ぎた傷・品違いの申し出には責任を負わないと決められています。受け取りの場で、石の数・爪・留め具・サイズを確かめてから帰ってください。
自分の品だといくらで直るかは、壊れた所の写真を送って工房に相談できます。
サイズ直しの後に石が取れた
石付きの指輪は、サイズ直しで石の留まり方が変わることがあります。宝石の研究機関(GIA)は、石が付いた輪を伸ばしてサイズを上げると石の間や石の下が弱まり、石を失くすおそれがあると説明しています。
そのため、ある加工店は石が留まったままのサイズ直しで石が破損しても補償しないと先に決めています。この店は、依頼した時点でそのリスクを了承したものと見なすとも書いています。こうした店で直した品は、石が取れた後に無料で直るとは限りません。
直した店には「サイズ直しの後、◯日目に◯番目の爪の石が取れました。保証で留め直してもらえますか」と、日付と場所を入れて伝えます。対象外と言われたら、留め直しの料金と、石を失くしたときの石代を書面で出してもらいます。出てきた料金は、石が取れたときの修理代の公開料金や、指輪のサイズ直しの料金と見比べてください。
写真で分かること、現物で決まること
写真で分かるのは、どこがどう壊れたかと、直す作業の候補までです。修理が原因か、着けていての出来事が原因かは、現物を見ても言い切れないことがあります。
写真で分かること
- どの爪・どの石座から石が取れたか
- 爪の曲がり・折れ、輪のゆがみ
- 切れた場所と、つないだ跡との位置
現物で決まること
- 爪の残りの厚さと、留め直せるか
- 取れた石が欠けていないか、元の枠に合うか
- 修理した所の仕上がりの状態
爪がすり減っていると、留め直しだけでは足りないことがあります。爪の直し方と料金は指輪の爪の修理代で確かめられます。
連絡する前にそろえるもの

店とのやりとりは、何を預けて何を頼んだかを書面で示せるかで進み方が変わります。国民生活センターも、相談前に約款・契約書・広告などの関係書類を集めておくよう案内しています。
- 1書類預かり証・見積書・領収書・保証書(修理店の分と買った店の分)
- 2写真修理前の写真と、今の状態の写真(取れた所が分かるように)
- 3現物取れた石・切れた部品を小さな袋に入れて
- 4記録受け取った日・不具合に気づいた日・店とのやりとりのメール
修理前の写真が手元に無ければ、店の控えに写真が残っていないか聞きます。ある工房は、預かり時の撮影画像を客の控えと工房の控えにその場で添付するとしています。こうした店なら、控えの書類に修理前の写真が付いています。
連絡は電話でかまいませんが、要点はメールでも送ります。「◯月◯日に受け取った指輪の、直していただいた所の石が◯月◯日に取れました。保証で直していただけるか、対象外なら理由と料金を書面で教えてください」と書けば、何を求めたかが残ります。
話がまとまらないとき
店が保証の対象外と言い、その理由に納得できないときや、返事が来ないときは、公的な相談窓口を順に使います。
最初の公的な窓口は、消費者庁の消費者ホットラインです。消費者庁は、消費者ホットライン「188」に電話すると、身近な消費生活センターや相談窓口を案内してもらえると案内しています。相談は無料ですが、相談窓口につながった時点から通話料がかかる点に気をつけてください。
センターの相談でも解決しないときの手段として、国民生活センターは相談で解決が見込めないときなどに、国民生活センター紛争解決委員会へ和解の仲介や仲裁を申請できると案内しています。対象は全国的に重要な消費者紛争なので、自分の件が当てはまるかはセンターの相談員に聞いてください。
法務省の「かいけつサポート」は、法務大臣が認証した民間事業者による調停・あっせんの手続です。裁判とは別に、第三者が間に入って話し合いを進めます。費用は事業者ごとに違うので、申し込む前に確かめます。どちらが責任を負うかの判断は、こうした窓口や専門家に任せ、店との話では起きたことと求めることだけを伝えます。
店に送り返すときの補償
遠くの店で直した品を送り返して見てもらうときは、配送中の事故に気をつけます。ある工房は、配送中の破損・紛失・遅延は店では責任を負わないと書いています。補償のある送り方は、送る側が選びます。
| 送り方 | 補償の上限 |
|---|---|
| ヤマト運輸の宅急便 | 1個30万円まで(税込) |
| ゆうパック | 30万円 |
| ゆうパック(セキュリティサービス付き) | 50万円 |
ヤマト運輸の案内では、宅急便は1梱包の価格が30万円(税込)を超える荷物は送れないとされています。その額を超える品は、セキュリティサービス付きのゆうパックで送るか、店に持ち込みます。梱包と送り方は、宅配で修理を頼むときの送り方で確かめてから送ってください。
リフォームや作り替えの仕上がりに不満がある場合は、注文の段階の約束が争点になるので、ジュエリーリフォームの失敗を防ぐにはを見てください。直した店との話とは別に、今の状態でどんな直し方が考えられるかの見当を付けたいときは、正面・横・取れた所の写真で相談することができます。
今日やること
- 1着けるのをやめる取れた石・部品を袋に入れ、今の状態の写真を撮る
- 2書類を探す預かり証・見積書・領収書・保証書を出し、保証の期間と対象外の欄を読む
- 3直した店に連絡する「◯月◯日に受け取った指輪の、直していただいた所の石が取れました。保証で直していただけますか。対象外なら理由と料金を書面でください」
