光ってきたつや消しや浅くなった槌目は、表面に厚みが残っていれば付け直せることがあります。サイズ直しで切った所の模様も、作り直す方法があります。ただし、どの模様も買ったときとまったく同じにはならず、全周に模様がある指輪は断られることもあります。
模様のある指輪の直しは、2つに分かれます。表面の質感を付け直す作業と、サイズ直しの継ぎ目に模様を作り直す作業です。どちらに当たるかで、料金と仕上がりの見込みが変わります。
つや消しが光ってくる理由
つや消しは、表面に細かい傷を付けて光を散らす仕上げです。たとえばヘアラインは、ヘアラインは、表面に細い傷のような筋を刻む加工です。着けているうちに細かい傷がこすれてならされ、そこが光り始めます。
ある販売店も、マットやヘアラインの指輪も、着け続けるとつやが出てくることがあると説明しています。同じ店は、表面が傷んだマットの質感を、家での手入れで取り戻すのは難しいとしています。
ミル打ち(縁に並ぶ小さな粒)も、こすれて丸くなります。ある販売店は、日常の摩擦で、ミル打ちの粒の突起は少しずつ目立たなくなる場合があると書いています。
仕上げ直しの料金の例
次の表は、ある工房が公式サイトに載せている表面処理の料金です。他店の公開料金の例で、どこでも同じ額になるわけではありません。
| 付ける仕上げ | 指輪1本 |
|---|---|
| マット | 2,500円〜(税別・指輪1本) |
| ヘアライン(細い筋) | 2,000円〜(税別・指輪1本) |
| 槌目(金づちで打った凹凸) | 4,500円〜(税別・指輪1本) |
※ どれも税別の最低料金です。幅の広い指輪や傷の多い指輪は上がることがあります。
この工房は、表面処理の後にメッキが要る品は、メッキ代が別にかかるとしています。ホワイトゴールドの指輪は、白さを出すメッキのかけ直しが別にかかることがあります。メッキの料金と、メッキが取れる理由はホワイトゴールドの指輪のサイズ直し・修理で確かめられます。
ペアの指輪を2本とも付け直すなら、見積もりは2本まとめて頼み、同じ仕上げで頼むと伝えます。
元とまったく同じにはならない
付け直したつや消しは、買ったときの質感と少し違うことがあります。ある工房は、マット仕上げ・ヘアラインなど表面の模様はまったく同じには再現できないと断っています。別の工房も、マット仕上げ・いぶし加工などは全く同じには再現できないとしています。
ペアの片方だけを付け直すと、2本の質感がそろわないことがあります。片方だけ頼むなら、もう1本の写真も添えて、質感を合わせたいと伝えます。
付け直すたびに地金が減る
つや消しも鏡面も、表面を削って作ります。ある工房は、表面を削って傷を直すので、地金の重さが減る場合があると注意しています。薄い指輪や、何度も仕上げ直した指輪は、回数を重ねるほど細くなります。
ある宝飾ブランドも、修理の回数は少ないことが理想としています。少し光るたびに出すより、気になる所が増えたときにまとめて頼むほうが、削る回数は少なくて済みます。
自分の品だといくらで直るかは、壊れた所の写真を送って工房に相談できます。
サイズ直しで消える模様

サイズ直しは、輪の手のひら側を切り、地金(指輪の金属)を足すか抜くかしてつなぐ作業です。切った所の模様はいったん消えます。ある工房は、模様の入った指輪をサイズ直しで切ると、その箇所で模様が途切れると説明しています。
同じ工房は、彫金や模様のある指輪は、サイズ直しと同時にデザインを復元する作業が要るとしています。どこまで戻るかは模様の種類で違います。
| 模様 | 消える所 | 直し方 |
|---|---|---|
| つや消し | 継ぎ目の周り | 付け直す |
| 槌目 | 継ぎ目の周り | 打ち直す |
| ミル打ち(半周) | なし | 無地の所で切る |
| ミル打ち(全周) | 継ぎ目の粒 | 作り直す |
| 手彫り | 継ぎ目の線 | 彫り直す |
※ 手のひら側に模様がない指輪は、無地の所で切れば模様は残ります。
全周に模様がある指輪
全周にミル打ちや模様がある指輪は、切る所を選べません。ある結婚指輪の販売店は、全周にミル打ちのある指輪は、サイズ直しができないか、交換の扱いになることがほとんどと説明しています。槌目についても、ある鍛造リングの店は、槌目模様の指輪は、サイズ直しが難しい場合があると書いています。
受ける工房では、継ぎ目の模様を周りに合わせて作ります。ある工房は、ミル打ちの指輪を5号ほど大きくしたとき、ミル打ちを地金から作り出すのは難しいと判断し、足す部分を型から作ったと記録しています。この工房も、ミル打ちの部分は元と違いが出ることを事前に伝えています。
変える号数が小さければ、切らずに広げる方法もあります。ある工房は、模様が均等に入った指輪は、切らずに熱を加えて少しずつ延ばす方法もできる場合があるとしています。切らずに延ばせる幅は、別の工房の目安で1号程度です。
全周に模様がある指輪のほかに、どんな作りが断られやすいかは指輪のサイズ直しができないときにまとめています。
サイズ直しの料金
模様のある指輪のサイズ直しは、基本の料金に模様を作る手間が加わります。ある工房の公開料金は、サイズ直しが3,300円〜(税込)で、全周に模様のある指輪などは、デザインやサイズの幅で料金が変わるとしています。
基本料金の幅は指輪のサイズ直しの料金で、号数ごとの地金の増減は号数と地金の増減計算で確かめられます。
消えた模様を付け直せるか
摩耗した模様を付け直せるかは、残っている地金の厚みで決まります。ミル打ちの粒を打ち直すには、粒を作る分の厚みが縁に残っている必要があります。ある販売店は、摩耗したミル打ちを打ち直すかは、摩耗の程度と地金の残りの量を職人が見て決めるとしています。
手彫りの模様も彫り直せることがありますが、元の線をなぞる作業になります。ある工房は、薄くなった模様を彫り直すときは、元の線をなぞるので、完全に元と同じ模様にはならないと説明しています。
付け直す
- 縁や表面に厚みが残っている
- つや消しが光った・槌目が浅くなった
作り直す
- 縁が薄く、粒や彫りを入れる厚みがない
- 仕上げ直しを重ねて、輪が細くなった
作り直すときの費用と流れは、結婚指輪のリフォームで確かめられます。
鏡面とつや消しを入れ替える
つや消しの指輪を鏡面にするのは、新品仕上げ(表面を磨いてつやを出す作業)と同じです。確認した6店の指輪の新品仕上げの最低料金は、中央値で2,100円でした(税込・税別・税の表示なしが混ざります)。ただし、ある工房は、磨いても傷を完全には落とし切れない場合があると断っています。
鏡面の指輪をつや消しや槌目にするのは、上の表面処理の料金に当たります。結婚指輪の傷をどこまで直すかは結婚指輪の傷で確かめられます。
写真で分かること、現物で決まること
写真で見当がつくのは、どの作業に当たるかと、料金の見当までです。付け直せるかどうかは、現物の厚みを測ってから決まります。
写真で分かること
- つや消し・槌目・ミル打ち・手彫りのどれか
- 模様が半周か全周か
- 光った所・粒が丸くなった所の範囲
現物で決まること
- 縁と表面に残る地金の厚み
- 継ぎ目の模様をどこまで合わせられるか
- 刻印どおりの素材か(メッキの要否)
模様の拡大写真と、手のひら側・内側の刻印の写真をそろえて写真で相談すると、仕上げ直しで足りるか、サイズ直しでどこの模様が途切れるかの見込みを聞けます。サイズも変えたいなら、今の号数となりたい号数を書き添えます。
買ったブランドの保証を先に
ブランドの結婚指輪なら、まず保証書を見てください。ある国内ブランドの保証では、つや消し加工のブライダルリングを買った人には、再つや消し加工を受けるとしています。保証で受けられるなら、先にそちらを確かめます。
同じ保証には、デザインが全周に及ぶ指輪などは、購入したブランドでもサイズ直しを受けられない場合があるともあります。全周に模様がある指輪は、買ったブランドでもサイズ直しを断られたり、交換を案内されたりすることがあります。
今日やること
- 1保証書を見る再つや消し・サイズ直しが保証に入っているか、期間はいつまでかを見る
- 2模様を撮る模様の拡大、手のひら側、内側の刻印を明るい所で撮る
- 3聞くことを書く「仕上げ直しで戻るか。◯号から◯号へ直すと、どこの模様が途切れるか。メッキ代を含めた税込の総額はいくらか」
