ペンダントの石を指輪にする費用は、指輪を作る加工代に、輪になる金属(地金)の代金を足して決まります。元のペンダントの枠を下取り(店が金属を買い取って代金から引くこと)に出すなら、その額が引かれます。指輪は輪の部分に金属が要るので、ペンダントにするより高くなりやすいです。
- 加工代(税抜)
- 27,000円
- プラチナの地金代(税抜)
- 15,000円
※ タンザナイトのペンダントの石を、プラチナの細い指輪にした例です。
※ 加工した当時の参考価格だと工房自身が書いています。下取りの記載はありません。
この例では、合計の3分の1以上が、指輪の輪になるプラチナの代金です。石が同じでも、輪を太く・厚くすれば地金代が増えます。
公開されている料金
工房や宝飾店の公式サイトで、ペンダントやネックレスの石を指輪にした実例を2026年10月に確かめると、次のとおりでした。どれも各店が加工した当時の価格です。条件が違うので、1つの相場にはまとめません。
| 実例 | 公開された金額 | 税 |
|---|---|---|
| 色石1つ→細い指輪 | 合計42,000円(税抜・加工当時) | 税抜 |
| 花の形の石3つ→細い指輪 | 合計63,000円(税抜・加工当時) | 税抜 |
| 色石と小さなダイヤ4つ→指輪 | 加工代加工代金72,000円+地金代プラチナ(地金代)19,202円 | 表示なし |
| エメラルドとダイヤ→平らな指輪 | 加工代金74,000円(プラチナ追加12,350円は別) | 表示なし |
| オパール→指輪 | 177,000円から下取り地金10,300円を差し引き | 表示なし |
| 飾りの形を残して輪を溶接 | 69,000円(税別) | 税別 |
※ 地金の相場や工賃の改定で変わります。
上の表は、加工代と地金代が別の行になっている例と、下取りを引いた後の額を出している例が混ざっています。ある工房は、見積もりの式をリフォーム費用=加工代+追加地金代+追加石代−下取と書いています。見積もりは「加工代・地金代・下取りを分けた税込の総額」で出してもらってください。
真珠のイヤリングとペンダントの珠を、1本の指輪にまとめた例もあります。ある工房は、この例で代金の87,000円から下取り地金14,000円を差し引きました。複数の品を1本にまとめたいなら、2つの指輪を1本に・1本を分けるリメイクで進め方を確かめてください。
指輪のほうが高くなる理由

指輪は、指を通す輪の部分にまとまった量の金属を使います。ペンダントの枠は小さいので、その金属だけでは輪に足りず、地金を買い足すことになります。上の表の「エメラルドとダイヤ」の例でも、元の地金とは別に「プラチナ追加」の行が出ています。
同じ店が出しているペンダントと指輪の最低価格を並べると、次のようになります。
| 店 | ペンダントにする | 指輪にする |
|---|---|---|
| A店 | 18,000円(税別・チェーン別・Pt900)くらいから | 50,000円(税別・Pt900・0.3カラット用)くらいから |
| B店 | ネックレスへのリフォームで¥40,000~ | 指輪へのリフォームで¥60,000~ |
| C店 | 27,500〜44,000円(飾り部分だけ) | ¥110,000~¥132,000(6本爪のシンプルな指輪・石のサイズで異なる) |
※ B店とC店は税の表示がありません。C店は、一粒の石を6本の爪で留めるシンプルな形の目安です。
首元で着けたいだけなら、ペンダントのまま石の留め方や枠を変えるほうが安く済みます。指に着けたいのか、首元で着けたいのかを先に決めてから見積もりを頼んでください。
自分の品を何に作り替えられるかは、写真を送って工房に相談できます。
2つの作り方
ペンダントを指輪にする方法は、飾りの形を残して輪を付ける方法と、石を外して新しい指輪の枠に留め直す方法の2つです。
飾りの形を残して輪を付ける
- 元のデザインが指の上に残る
- 新しい輪を作って溶接する
- 飾りが大きいと引っかかりやすい
石を外して新しい枠に留める
- 石だけが残り、形は新しく選ぶ
- 枠の見本から選べば値段を抑えやすい
- 元の枠は下取りか返却かを選ぶ
形を残した例では、ダイヤのペンダントトップに角ばった輪を作って溶接し、ペンダントから外した小さな石を輪に留めて、合計69,000円(税別)、期間は3週間でした。
石を外す方法は、店の枠の見本から選ぶか、一から形を決めるかで値段が変わります。一から形を決めるときの値段の幅は、指輪リフォームの値段で確かめてください。
石の大きさで変わること
指輪にしたときの値段と作りやすさは、石の大きさと数で変わります。手元のペンダントがどれに当たるかで、聞くことを決めてください。
| 石 | 聞くこと |
|---|---|
| 一粒のダイヤ | 何カラット用の枠か |
| 色石 | 石の高さに合う枠か |
| 小さな石がたくさん | 1石いくらで留めるか |
一粒の石は、枠が「何カラット用」と決まっています。A店の指輪の最低価格が50,000円(税別・Pt900・0.3カラット用)くらいからであるように、石の大きさを条件にした値段が出ています。鑑定書や石の大きさが分かる書類があれば、一緒に見せます。
小さな石(メレ)をたくさん使う場合は、1石ずつ留める工賃が積み上がります。形を残した上の例では、1石2,000円×12石(ペンダントの石をリングに彫り留め)の工賃がかかっていました。石の持ち込みについて、ある店は直径2mm未満の小さな石(メレ)は、基本的に持ち込めないとしています。
小さな石だけのペンダントは、全部を使う案と一部だけ使う案の両方の見積もりを出してもらいます。小さな石を1つだけ使った例では、手持ちのK18の品を溶かして指輪を作り、石を1つ留めて30,000円(材料費込み・税抜・加工当時)でした。
石の種類によっては、外すときや熱をかけるときに割れやすいものがあります。エメラルドやオパールなどの扱いは、宝石ごとの加工できる・できないの一覧で確かめてから頼んでください。
指輪にするなら号数を決めておく
ペンダントには無かった「号数(指輪のサイズ)」が、指輪では最初に要ります。号数で輪の長さが変わり、使う地金の量も変わるからです。
号数が分からないなら、手持ちの指輪で合うものの内径を測るか、店でリングゲージ(号数を測る輪)を借りて決めます。号数と内径の対応は指輪のサイズ(号数)の表で確かめられます。でき上がってから号数を変えると、別に費用がかかります。費用の目安は指輪のサイズ直しの料金で確かめられます。
チェーンの扱い
ペンダントに付いていたチェーンは、下取りに出すか、手元に残すかでまず考えます。チェーンはつなぎ目が多く、溶かして使う材料に向かないと書く工房があるからです。
溶かして指輪に使う
- 向かないとする工房がある
- 溶かす前の分析に費用がかかる
下取りに出す
- 代金から差し引く
- 刻印と重さで額が決まる
手元に残す
- 別のペンダントに使える
- 費用はかからない
ある工房はチェーンは溶接箇所が多く、溶かして使う加工には不向きとし、別の工房はプラチナのチェーンは溶接材が使われているため、溶かすとプラチナの割合が変わると説明しています。溶かす作り替えを受ける工房でも、ネックレスは溶接が多いので、溶かす前の分析を勧める(分析費用がかかる)としています。持ち込んだ地金について、A店は持参した地金を溶かして使うリメイクは断る場合があるとしています。
チェーンの刻印(K18・Pt850など)と重さが分かれば、金属としてのおおよその価値は地金の価値の目安計算で出せます。刻印の意味は刻印図鑑で確かめられます。
写真で分かること、現物を見ないと決まらないこと
ペンダントの正面・裏・刻印の写真があれば、作り方の見当はつきます。金額が決まるのは、店で石と金属を確かめてからです。
| 写真で分かること | 現物を見ないと決まらないこと |
|---|---|
| 石の数と、おおよその大きさ | 石の正確な大きさと高さ |
| 形を残すか、石を外すか | 枠から外したときの石の傷 |
| 刻印(素材) | 足りない地金の重さ |
石の傷は、枠から外して初めて分かることがあります。外したときに傷が見つかったら作業を止めて連絡をもらえるかも、先に聞いておきます。
見積もりと期間
見積もりは、地金を足すか、元の枠とチェーンをどうするかで、同じ指輪でも金額が変わります。見積書を受け取ったら、次の欄を確かめます。
見積書で確かめる欄
- ①加工代枠の見本か一から作るか素材と輪の太さが書かれているか
- ②地金代元の枠を使うか、足すか足す地金の重さと代金を書いてもらう
- ③石を留める代金石の数と1石の単価小さな石を何個使うかで変わる
- ④元の枠とチェーン下取り・返却の別下取りの額は、引く前の総額と分けて書いてもらう
B店は、外した枠は地金として買い取りか返却かを選べるとしています。形見のペンダントなど、元の枠を手元に残したいなら、最初の連絡で「枠とチェーンは返却で」と伝えてください。
完成までの期間は、公開されている例で3週間、発注からおおむね4週間、通常6週間ほどです。誕生日や記念日に間に合わせたいなら、その日付を最初に伝えます。宅配で預けるなら、配送中と加工中の補償と、見積もりを見て断ったときの返送料を先に聞いてください。聞く項目は宅配修理の選び方で確かめられます。
形を残せるか、石を外すほうがよいか迷うなら、正面・裏・刻印の写真と、着けたい指の号数を添えて写真を送って相談することができます。
指輪にしないほうがいい場合
ペンダントの石を指輪にするのは、元のペンダントの形を手放すことでもあります。次に当てはまるなら、急いで頼まなくて構いません。
形見なら、家族との決め方を形見のジュエリーをどうするかで確かめてください。
今日やること
- 1ペンダントを撮る正面・裏・留め具の近くの刻印を撮り、石の数と大きさをメモする
- 2形と号数を決める飾りの形を残すか、石だけを新しい指輪に留めるかを決め、着けたい指の号数を確かめる
- 3写真を送って相談する「ペンダントの石で指輪を作りたいです。号数は◯号です。加工代・足す地金の代金・下取りを分けた税込の総額と期間を教えてください。チェーンは返却でお願いします」と書いて、正面・裏・刻印の写真と一緒に送る
