指輪の形は、断面(横から切った形)と、正面から見た線の2つで決まります。着け心地を左右するのは断面と幅で、後の直しやすさを左右するのは正面の線と、石や模様の入り方です。
断面の形と着け心地

断面の形は、外側と内側が丸いか平らかで分かれます。ある工房は、腕(指輪の輪の部分)の断面の代表的な形を甲丸・平甲丸・平打ち・しのぎ・剣腕の5つとしています。よく見るのは次の4つです。
| 断面 | 形 | 着け心地 |
|---|---|---|
| 甲丸(こうまる) | 外側が半円 | 指当たりがやわらかい |
| 平甲丸 | 甲丸と平打ちの中間 | 中間 |
| 平打ち(ひらうち) | 外も内も平ら | 角が当たることがある |
| 内甲丸 | 内側が丸い | 指通りがよい |
甲丸は断面がかまぼこ状の形、平甲丸は平打ちと甲丸の要素を併せ持つ形です。内側の形にも名前があり、裏側にカーブがある指輪を「内甲丸」、両側にカーブがある指輪を「両甲丸」と呼ぶとされています。
平打ちは、平打ちは角がしっかり立っているので、指を曲げたときや強く握ったときに、隣の指に角が当たることがある。幅が広い平打ちなら、幅が広くなると指当たりが気になるので、内側の角を丸く加工したものを選ぶのがよいとする店があります。ただし内側を丸くすれば済むわけでもなく、内側を丸くしすぎると強度が足りなくなると説明する店もあります。丸みと厚みの両方が要ります。
幅の広い指輪は、同じ号数でもきつく感じます。ある店は、幅の広い指輪は指に触れる面が多くきつく感じるので、サイズを0.5〜1号大きくするのを勧めるとしています。今の指輪の角が当たって痛いなら、直し方は指輪の着け心地が悪いときの直し方にあります。
正面の線とサイズ直しのしやすさ
サイズ直しは、指輪の一部を切って金属を足したり抜いたりする作業です。正面がまっすぐで単純な形ほど、切ってつないでも形が変わりません。
| 正面の形 | サイズ直し |
|---|---|
| ストレート(甲丸・平打ち) | 直しやすい |
| V字・ウェーブ | 形が崩れやすい |
| ひねり・クロス | 形が崩れやすい |
| 全周に模様・石 | 難しい |
平打ちは、平打ちは断面が単純なので、サイズ直しは比較的やりやすいとされています。V字は反対に、V字は曲線や装飾が多く、サイズを大きく・小さくするときに形が崩れやすいと説明する宝飾店があります。ひねりやクロスの形も、切ってつなぎ直すと、デザイン全体のバランスが崩れることがある。
一周に模様や石が入った指輪は、形にかかわらず直しにくくなります。全面に模様が入ったもの・石付きはサイズ直しが難しいとする店や、全周にダイヤが入ったフルエタニティはサイズ直し不可とする店があります。断られたときの次の手は指輪のサイズ直しができないときにあります。
サイズ直しで見られる所(指輪の見本)数字は仮
- ①正面の線まっすぐか、V字・ウェーブかV字・ウェーブは、切る位置で形が変わる
- ②幅何mmか幅が広いと、料金が上がる店がある
- ③模様・石一周しているか、正面だけか一周していると、切る場所がない
- ④内側刻印の位置切る場所に刻印があると、消えることがある
料金の決まり方も、形と幅で変わります。ある工房の料金表では、1号大きくする・幅3mmまでは基本料金で直し、特殊なデザインは追加料金がかかる場合があるとしています(税別)。V字でも直せないわけではありません。他店の公開例では、プラチナのV字のダイヤの指輪を2号大きくして直し代3,000円と足す地金代1,000円で合計4,000円でした(税の表示なし)。形が崩れないかは、指輪を見てから決まります。
号数ごとの料金は指輪のサイズ直しの料金と日数で確かめられます。
手元の品で何ができるかは、写真を送って工房に相談できます。
V字・ウェーブで気をつけること
V字やウェーブは、正面の線が曲がっている分、細くなる所ができます。ある宝飾店は、V字は先が細くなることが多く、強度の低い素材だと変形や破損のおそれが高まるとしています。着け心地についても、同じ店は家事やデスクワークで手をよく動かす人は、V字の先が指に当たって痛むこともあると書いています。手をよく使う仕事なら、V字の先の厚みを確かめてから選んでください。
傷の目立ち方と重ね付け
平打ちの傷の見え方は、店によって説明が分かれます。平打ちは表面の丸みが少ないので、傷が目立ちにくいとする店と、表面が平らなので、磨きや彫りの仕上げに少しでも歪みがあると目立つとする店があります。形で傷を防ぐことは難しいので、傷が気になるなら、表面をつや消しや槌目(つちめ)に仕上げる方法を考えます。仕上げの違いは槌目・つや消しの仕上げにあります。
重ね付けは、形の組み合わせで決まります。V字はストレートの指輪と合わせにくく、組み合わせを見つけるのが簡単ではないとする店がある一方で、同じデザインでなくても、S字・V字・一文字など重ねやすい形の組み合わせがあるとする店もあります。婚約指輪と重ねる指輪を作り替えるなら、婚約指輪も一緒に見せて、重ねたときにすき間ができないかを確かめてください。
ペラペラに薄い指輪は曲がる
薄い指輪は、どの形でも曲がりやすくなります。ある宝飾店は、薄い結婚指輪は、厚みのある指輪より変形しやすいとしています。同じ店は、変形や破損で直せないか、修理代が高くなることがあるとも書いています。
厚みの目安を公開している工房があります。3つとも、それぞれの工房の考えです。
- 結婚指輪の厚さの目安:1.5〜2.0mm(男女とも)(ある工房)
- 手のひら側の厚み:手のひら側にくる中央部の厚みは1.0〜1.8mmぐらいは必要(別の工房)
- 作らない細さ:幅2.0mm以下・厚み1.5mm以下の指輪は作らない(別の工房)
厚みはノギス(はさんで測る道具)で、手のひら側の一番薄い所を測ります。指輪は使ううちに薄くなり、ある店はメンテナンスのたびに、幅や厚みは少しずつ細く薄くなっていくとしています。もともと薄い指輪は、仕上げを何度も重ねないほうが長持ちします。
すでに薄くなって曲がる指輪は、輪の部分だけを作り替える方法があります。ある工房は、薄く歪みやすい指輪も、腕交換で厚みのあるしっかりした指輪にできるとしています。輪の部分を全部替える工賃の公開例は、別の工房で12,000円(地金代は別)です(税の表示なし)。詳しくは指輪の腕(輪)の修理で確かめられます。
写真で分かること、現物で決まること
正面・真横・内側の写真があれば、形の名前と、直し方の候補までは決まります。厚みと変形の程度は、現物を見てから決まります。
写真で分かること
- 断面の形(甲丸・平打ち)と正面の線(まっすぐ・V字・ウェーブ)
- 模様や石が一周しているか、正面だけか
- 内側の刻印の位置
現物で決まること
- 手のひら側の厚みと、曲がりや楕円の程度
- 前にサイズ直しをしたつなぎ目があるか
- 石のゆるみと、切ってつなぐときの石への影響
真横の写真には、定規かノギスを添えると厚みの見当が付きます。形を変える作り替えやサイズ直しができるかを知りたいなら、正面・真横・内側の写真で相談することができます。そのとき「角が痛い」「曲がる」「サイズが変わった」のどれで困っているかを書き添えてください。
作り替えるときの形の選び方
今の指輪を作り替えるなら、着け心地と直しやすさのどちらを優先するかを先に決めます。
直しやすさを残したい
- 正面はまっすぐ(ストレート)
- 石や模様は正面だけ
- 厚みは工房の目安を下回らない
着け心地を変えたい
- 内側を丸く(内甲丸)
- 幅広なら号数を少し上げる
- 角が当たるなら平打ちを避ける
元の指輪を溶かして作るなら、形に制限が出ることがあります。溶かして作れるデザインはシンプルなストレートタイプの指輪とする工房や、厚みが薄く平たいデザインは加工途中で地金が割れるため不向きな場合があるとする工房があります。作り替えの費用と流れは結婚指輪のリフォーム・作り直しの費用に、石を使って作り替える値段の決まり方は指輪リフォームの値段にあります。
今日やること
- 1今の指輪を見る断面(甲丸・平打ち)、正面の線(まっすぐ・V字・ウェーブ)、幅と厚みを書き出す
- 2困っていることを決める角が痛い・曲がる・重ね付けが合わない・サイズが変わった、のどれか
- 3写真を送って相談する「今の指輪は平打ちで、角が当たって痛いです。内側の丸い形に作り替えられますか」と書いて、正面・真横・内側の写真を送る
