金の指輪やネックレスが赤茶色や黒っぽく変わるのは、多くの場合、金に混ぜた銀や銅が汗や温泉の成分と反応するためです。表面の汚れや薄い変色なら家の手入れで戻ることがあり、戻らなければ店の洗浄か新品仕上げに進みます。
刻印が読めず、金かどうか分からないときは、先に素材が分からないジュエリーの変色で素材を見分けてください。
変色するのは混ぜた金属のせい
純金(K24)は変色しにくい金属です。ある工房は純金(K24)は柔らかいが、変色や錆びに強いとしており、ある宝飾店も、純金のジュエリーは温泉で変色しないと説明しています。
指輪やネックレスの多くは、硬さと色を出すために、金に銀や銅を混ぜています。混ぜた金属を「割金(わりがね)」と呼びます。ある宝飾店の説明では、金に混ぜた銀や銅(割金)が酸化・硫化して、黒ずみやくすみが出ることがあるとのことです。
| 刻印 | 金の割合(千分率) | 変色 |
|---|---|---|
| K24 | 999 | しにくい |
| K18 | 750 | することがある |
| K10 | 416 | K18よりしやすい |
※日本ジュエリー協会の品位の基準では、K24=999、K22=916、K20=833、K18=750、K14=585、K10=416、K9=375、K8=333(千分率)です。
割金が多いほど、変色しやすくなります。ある販売店は、K10とK18について同じ環境に置いた場合、K18のほうが変色しにくいとしています。
ピンクゴールドは、銅を多く混ぜて赤みを出した金です。ある宝飾店のK18ピンクゴールドは純金75%に、銅20%、銀とパラジウムを数%で、変色の原因を「銅が銅が空気中の酸素と反応して酸化すること」と説明しています。銅の多いピンクゴールドは、汗や温泉の後に拭く手入れを欠かさないようにします。
見た目で決める、家か店か
変色の見た目で、家で戻るか、店の作業が要るかの見当がつきます。
| 見た目 | 主な原因 | まずすること |
|---|---|---|
| 全体が曇る | 汗・皮脂の汚れ | 家で洗う |
| うっすら黒い | 汗・温泉の成分 | 家で洗い、残れば店 |
| 赤茶色・濃い黒 | 割金の変色 | 店の洗浄・仕上げ |
| 継ぎ目だけ色が違う | 直したときのロウ | 店に相談 |
| 白い金が黄色い | メッキがはがれた | メッキのかけ直し |
曇りは汚れのことが多い変化です。ある販売店は、ゴールドやプラチナについて「ゴールドやプラチナは変色しづらいが、汗や油分で曇る」と説明しています。
黒ずみは温泉で出ることがあります。K10のジュエリーを作る店の説明は「温泉の硫黄が割金の銀・銅と反応し、くすみや黒ずみの原因に。新品仕上げで磨き直し可」です。ある修理店も、石鹸の成分・温泉の硫黄成分・プールの塩素で変色・変質のおそれと書いています。
塩素系の漂白剤に触れて変わった色は、家では戻りにくい変化です。ある宝飾店は、塩素系漂白剤などの塩化で変色したアクセサリーは、自分では元に戻せないとしています。台所や洗濯で漂白剤を使った後に色が変わったなら、家で何度もこすらずに店の作業を考えます。
自分の品だといくらで直るかは、壊れた所の写真を送って工房に相談できます。
家でできる手入れ
家では、ぬるま湯と中性洗剤で洗い、柔らかい布で拭くところまでにします。ある宝飾店が挙げる道具は、容器・40度前後のぬるま湯・中性洗剤(食器用で可)・柔らかいブラシ・タオルです。
- 1ぬるま湯に中性洗剤を溶かす食器用の洗剤でよい
- 2柔らかいブラシでなでる指輪の内側、チェーンのすき間
- 3よくすすいで拭く洗剤を残さず、布で水気を取る
洗ってよい品は限られます。同じ宝飾店の案内では、ぬるま湯で洗えるのは石のない金・プラチナと、ダイヤ・ルビー・サファイアなど硬い石です。エメラルド・オパール・ターコイズは布で優しく拭く程度にとどめます。
洗った後はクロスで乾拭きします。ただし、変色が強いとクロスでは足りません。ある販売店も「くすみや変色が強いと、クロスだけで落とすのは難しいことが多い」としています。
重曹の手入れは、ある修理店の案内ではシルバーの品に向けたものです。金の品で家の手入れが効かないときは、重曹や酢を試す前に店の作業に切り替えるほうが、品を傷めずに済みます。
店でできることと料金
店の作業は、洗浄・新品仕上げ・メッキのかけ直しの3つです。洗浄で汚れを落とし、それでも残る変色は、表面を磨く新品仕上げで取ります。下の金額は、工房や宝飾店が公式サイトに載せている料金の例です。
| 作業 | 戻るもの | 他店の公開料金 |
|---|---|---|
| 洗浄 | 汚れ・曇り | 1点500円から/1,100円〜(税込) |
| 新品仕上げ | 変色・小傷 | 6店の中央値2,100円 |
| メッキのかけ直し | 白い金の白さ | 別料金の例あり |
※どれも「〜から」の最低料金です。新品仕上げは指輪の料金で、公開例は1,500円~から3,300円(税込)〜まで。税込と税の表示なしが混ざります。
洗浄は、買った店のアフターサービスに含まれることもあります。ある宝飾店は、その店で買ったジュエリーはいつでも無料としています。
ピンクゴールドの変色には、磨かずに色を戻す方法もあります。ある宝飾店は、工房のアルカリ性の液の中で、酸化した表面の膜を還元して本来の色に戻すと説明しています。
新品仕上げは、表面を少し削る作業です。ある工房は、地金を研磨するので、わずかに地金が減るとしています。細い指輪や、すでに何度も磨いた指輪は、その前に相談します。ホワイトゴールドについては、ある工房の料金表に「ホワイトゴールドは別にメッキ料金がかかる場合がある」と注記があります。仕上げの料金の比べ方は、指輪の新品仕上げの料金で確かめられます。
写真で分かること、現物で決まること
刻印と変色した所の写真があれば、金の変色か、メッキや継ぎ目の問題かの見当はつきます。洗浄で戻るか、磨く量がどれだけ要るかは、現物を見てから決まります。
写真で分かること
- 刻印(K18・K10・WG・GP など)
- 色が変わった範囲(全体か、継ぎ目だけか)
- 石や真珠が付いているか
現物で決まること
- 洗浄で戻るか、磨きが要るか
- 磨いてよい厚みが残っているか
- メッキの下の地金の状態
金の変色ではないケース

刻印を見ると、金の変色か、別の問題かが分かります。刻印は指輪の内側か、ネックレスの留め具の近くにあります。
ホワイトゴールドが黄色くなった
ホワイトゴールドが黄色く見えるのは、白いメッキがはがれて、下の金の色が見えている状態のことがあります。プラチナの広報機関もホワイトゴールドのメッキは時間がたつとはがれ、元の色が出て変色したように見えるとしています。ある工房の修理例でも、表面のロジウムメッキが剥がれると、薄黄色いホワイトゴールドの地の色が見えると説明しています。白さを戻すには、メッキのかけ直しが要ります。料金と持ちはロジウムメッキのかけ直しで確かめられます。
刻印にGP・GFがある
刻印のGPとGFは、日本ジュエリー協会の基準でGP=金めっき、GF(Gold Filled)=張り合わせた金合金の質量比が20分の1以上の金張りを表します。どちらも中の金属は金ではないので、使ううちに中の金属の色が出ることがあります。ある宝飾店も、メッキ加工されたジュエリーは、使用頻度によって年月とともに地金の色が出てくるとしています。この場合は洗っても戻らず、メッキのかけ直しになります。金メッキが剥がれたらへ進んでください。
サイズ直しの継ぎ目だけ色が違う
サイズを直した所や、切れたチェーンをつないだ所だけ色が違うなら、つなぐときに使ったロウ(金属をつなぐ合金)の色のことがあります。ある工房は、本体より品位の低い地金(ロウ材)を使うと、その部分の色が変わると説明しています。ピンクゴールドの修理では、ある修理店がロー材が後々変色する可能性があると注意しています。
継ぎ目の色は洗っても戻らないので、色の近い金属で直し直せるかを相談します。指輪ならサイズ直しの料金、ネックレスならチェーン修理の料金で、つなぎ直しの費用の決まり方を確かめられます。
変色しにくくしたいとき
変色を防ぐには、汗や水に触れる場面で外します。先の修理店は、入浴や食器洗い・手洗いのときは外すよう勧めています。少なくとも、温泉とプールでは外します。
同じ品の変色を何度も繰り返すなら、素材を変える方法もあります。K10ならK18に、変色を気にせず着けたいならプラチナにします。プラチナの広報機関は、プラチナは温泉の硫黄分・漂白剤・プールの塩素・汗を気にせず身につけられるとしています。今の品を溶かして別の素材で作り直す方法と目減りは指輪を溶かして作り直す、素材の比べ方は指輪の素材の選び方で確かめられます。
家で洗っても戻らなかったら、刻印と変色した部分を明るい所で近くから撮り、写真で相談できます。「洗浄で戻るか、新品仕上げが要るか」と書き添えると、どの作業に当たるかの話から始められます。
今日やること
- 1刻印を確かめる内側か留め具の近くの刻印を見る。GP・GF・WGなら、それぞれの記事へ
- 2家で一度洗うぬるま湯と中性洗剤で洗い、柔らかい布で拭く。酢や重曹は使わない
- 3戻らなければ写真を撮る刻印と変色した部分を撮り、「K18の指輪が赤茶色に変色しました。洗浄で戻るか、新品仕上げが要るかを教えてください」と書いて送る
