もらった婚約指輪が合わないときは、全部を作り直す前に「どこが合わないか」を1つに絞ります。爪が高い・腕が太いだけなら、その部分だけを直す作り替えで済むことがあります。相手が選んだ指輪なので、注文の前に相手と話すことと、何を残すかを決めることが先です。
どこが合わないかで直し方を選ぶ
婚約指輪の不満は、次の5つに分けると直し方が決まります。どれに当たるかで、手の入れ方と費用が変わります。
| 合わない所 | 直し方 | 他店の公開料金 |
|---|---|---|
| 爪が高くて引っかかる | 爪だけ低くする | 5〜10万円前後(爪を低くするプチリフォーム) |
| 腕(指を通す輪)が太い | 腕を細くする | 実例 10,000円(K18のダイヤの指輪) |
| デザイン全体 | ダイヤを残して枠を替える | 16店の中央値 67,500円 |
| 指輪では着けない | ダイヤをペンダントにする | 8店の中央値 30,000円 |
| 結婚指輪と合わない | 結婚指輪の側を合わせる | 下の章で説明 |
※ 中央値は、工房・宝飾店が公式サイトに載せた「〜から」の価格の中央値です。税込・税別・税の表示なしが混ざり、指輪は元の枠の下取りを引く前、ペンダントはチェーン別の額です。爪を低くする価格帯は1店のブログの記載で、石の大きさは問いません。同じ金額で作れるという意味ではありません。
小さな直しで済めば、指輪の形の大半と、相手が選んだ印象が残ります。ある宝飾店の実例にも、爪の部分だけを低くする作り替えがあります。引っかかりを減らす別の方法として、爪をなくして石の周りを地金で囲う覆輪留め(ふくりんどめ)に替える作り替えもあります。「高い爪が引っかかる」だけが不満なら、枠ごと替える前に、爪だけで直るかを聞いてください。すり減った爪を直す修理とは別の作業で、修理の料金は指輪の爪の修理代と日数にあります。
サイズが合わないだけなら、作り替えではなくサイズ直しです。小さくするサイズ直しの他店の公開料金は、8店の中央値で2,500円です。詳しくは指輪のサイズ直しの料金と日数で確かめられます。
相手に話す前に決めておくこと
話す前に、「使いにくい場面」と「残したいもの」の2つを言葉にしておくと、話が具体的になります。「デザインが好きではない」とだけ伝えるより、「毎日着けたいのに、爪が袖に引っかかって着けられない」と場面で伝えるほうが、理由が伝わります。作り替えの目的が「もっと着けたい」なら、そのことも一緒に伝えます。
相手が選んだものを残す方法は、ダイヤ・内側の刻印・元の枠の3つです。何を残すかで、選べる作り方が変わります。
| 残したいもの | 作り方 | なくなるもの |
|---|---|---|
| ダイヤ | 新しい枠に留め直す | 元の枠の形 |
| 内側の刻印 | 輪を残して直す | 輪を溶かすと消える |
| 元の枠 | 枠を返してもらう | なし(手元に残る) |
| 指輪の形のまま | 爪・腕だけ直す | ほぼなし |
元の枠は、下取り(店が元の金属を買い取って、代金から引くこと)に出さず、返してもらうこともできます。指輪1本の枠の下取りの他店の公開例は6,900円から23,000円で、枠の重さと地金の相場で変わります。ある宝飾店の実例でも、古枠は希望により返却となっています。迷うなら返却にしておけば、後で使い道を決められます。返してもらった枠をペンダントトップに整えて首から下げる作り替えもあり、できるかどうかと費用は枠の形と金属の量で変わります。
日付や名前の刻印は、輪を残せば消えません。ある工房は、デザインや指輪の状態によっては、刻印を残したまま作り替えられる場合があるとしています。刻印を残したいなら、最初の相談で「内側の刻印を残したい」と伝えてください。
見積もりと完成図は、相手と一緒に見られます。どう作り替えるかを2人で選ぶ形にすれば、相手が選んだ指輪を勝手に変えることになりません。
手元の石でどんな形にできるかは、石と枠の写真を送って工房に相談できます。
結婚指輪と重ねて着けたいとき
結婚指輪と重ねたときに合わないことが不満なら、婚約指輪を作り替える前に、結婚指輪の側を合わせる方法があります。ある工房は、すでに持っている婚約指輪に合わせて、重ね付け用の結婚指輪をオーダーで作る注文を受けていて、既製品同士や違うブランドの指輪を重ねると、デザインの違いでうまく合わないことがあると説明しています。
ある宝飾店の説明では、同じデザインでなくても、S字・V字・一文字など重ねやすい形の組み合わせがあるとされています。同じ店は、婚約指輪と結婚指輪の隙間が気になる場合、メレ(小さな宝石)で埋めるアレンジができるとしています。
婚約指輪を作り替える
- 婚約指輪だけでも着けやすくなる
- 相手が選んだ形は変わる
結婚指輪を婚約指輪に合わせる
- 婚約指輪の形はそのまま残る
- 結婚指輪がまだないか、作り直すときに向く
結婚指輪がもうあるなら、婚約指輪の側を直すことになります。2本を重ねて着けるか1本にまとめるかは、結婚記念に今の指輪をどうするかで費用を比べられます。
費用の決まり方
ダイヤを残して枠を替える費用は、新しい枠の作り方で大きく変わります。枠の見本から選んで留め直す「〜から」の他店の公開価格は、7店で4万円から9万7,600円の幅です(税込は1店、ほかは税の表示なし)。ある宝飾店は、枠の見本から選ぶ方式で8万円前後からとしています。
公開された額は、税の扱いも、下取りを引いた後かどうかもそろっていません。見積もりは「税込・下取り前」の総額と、下取りの額を分けて出してもらうと読めます。作り方3通りの値段の違いは立て爪の婚約指輪のリフォームにあります。見積もりの行の読み方は指輪リフォームの値段で確かめられます。指輪ではなくペンダントにするなら、婚約指輪をネックレスにする方法と費用が先です。
ブランドの婚約指輪
ブランドの婚約指輪は、購入した店以外で手を入れると、その店の保証が使えなくなることがあります。ある修理工房は、ブランド品は販売店以外で修理すると保証が受けられなくなると注意しています。別の宝飾店も、他社で手を入れた品は、生涯保証などのサービスで扱わないとしています。
もらって間もない指輪なら、購入した店のサービスで直せる場合があります。サイズ直しなら、ある店は婚約指輪は渡してから1年以内の初回だけ無料としています。元の形のまま直したいなら、相手に購入した店と保証書の場所を聞いて、先にその店の決まりを確かめます。デザインを変える作り替えは保証の対象外になることがあり、ある工房の料金表には「ブランド品は追加料金がかかる」ともあります。
写真で分かること、現物で決まること
小さな直しで済むかの見当は、写真で付きます。爪を低くできる余地や腕を細くできる厚みは、指輪を見てから決まります。
写真で分かること
- 爪の高さと本数、腕の太さ
- 内側の刻印の有無と、石の留め方
- 爪・腕だけ直す案と、枠を替える案のどちらが合うか
現物で決まること
- 石の深さと縁の位置(爪をどこまで低くできるか)
- 腕を細くしても強度が残る厚みか
- 爪の下の石の欠け、地金の重さ(下取りの額)
正面・横・内側の刻印の写真に、「爪だけ低くできるか」「元の枠を残せるか」のように残したいことを書き添えて相談すると、小さな直しの案と枠を替える案を並べて見られます。鑑定書があれば一緒に写します。
完成前に形を確かめる

作り替えで後悔しやすいのは、できあがってから「思っていた形と違う」と気づくことです。形を確かめる段階がある店なら、金属にする前に直せます。ある工房は、CGの完成図と原型(金属を流し込む前の型)で形を確かめてから金属で作ります。別の店も、金属を流し込む前のワックス原型の時点で確認できるとしています。原型を相手と一緒に見れば、2人で形を決められます。
取り消しの条件と内金も、注文の前に聞きます。ある工房は注文後のキャンセル不可です。別の工房はキャンセルは基本不可。CG確認後40%、精密モデル確認後50%、素材で製作後100%を負担としていて、進むほど取り消すときの負担が大きくなります。ある宝飾店はセミオーダー・フルオーダーは発注後キャンセル不可で、発注時に30%〜50%の内金を預けるとしています。ダイヤを外す作業には割れや欠けの心配もあり、ある専門店の補償は店が算出した一般的な市場価格の最大1割まで、上限30万円です。
見積もりで確かめる欄
- ①直す所爪・腕・枠全体のどこか小さな直しで済む案も出してもらう
- ②残すものダイヤ・刻印・元の枠元の枠は「下取りではなく返却で」と書いてもらう
- ③総額税込・下取り前と下取りの額下取りの額は、引く前の総額と分けて書いてもらう
- ④確かめる段階完成図・原型を見られるかどの段階から取り消せないか、内金はいくらかも聞く
作り替えを急がなくていいケース
次に当てはまるときは、注文を急がず、見積もりと完成図をもらう段階で止めてください。
迷っている間は、指輪をそのまま持っておき、結婚指輪と重ねて着けてみる・特別な日だけ着けるなど、着け方を変えて試すこともできます。
今日やること
- 1不満を場面で書き出すどこが・どんな場面で使いにくいか、残したいもの(ダイヤ・刻印・元の枠)を書く
- 2指輪を撮る正面・横・内側の刻印を撮り、鑑定書があれば一緒に写す
- 3写真を送って相談する「もらった婚約指輪の◯◯が使いにくいです。△△は残したいです。小さな直しで済む案と、枠を替える案の税込・下取り前の総額を教えてください」と書いて送る
