昔の指輪をどう直すかは、何が合わないかで決まります。形が好きで入らないだけならサイズ直し、爪の高さや石の見え方が合わないなら石を活かして枠を替えます。刻印や形そのものが思い出なら、そのまま残す道もあります。
何が合わないかで道を決める
気になることを1つ選び、下の表で道を決めます。
| 気になること | 選ぶ道 |
|---|---|
| 入らない・ゆるい(形は好き) | サイズ直し |
| 爪が高い・引っかかる | 枠を替える |
| 石が大きく見える・派手 | 枠を替える |
| 地金の色が合わない | 枠を替える・色を変える |
| 元の金属で別の形にしたい | 溶かして作り直す |
| 刻印や形が思い出 | そのまま |
2つ以上が当てはまるなら、変える所が大きいほうの道を選びます。入らないうえに爪も高いなら、サイズ直しはせず、新しい枠を今の号数で作ってもらいます。
指の付け根ではなく関節が太くなって入らないなら、号数を上げるだけでは回ってしまうことがあります。その場合は関節が太い指に合う指輪の直し方を先に見てください。
道ごとの費用
下の表は、ほかの工房・宝飾店が公式サイトに載せている料金の集計です。どれも「〜から」の最低価格か目安で、税込・税別・税の表示なしが混ざります。
| 道 | 公開されている料金 |
|---|---|
| サイズ直し(小さく) | 1,320円から3,300円(8店) |
| サイズ直し(大きく) | 基本料金+1号ごと1,000円から2,000円 |
| 枠の見本に留め直す | 54,000円から110,000円(7店) |
| 溶かして指輪1本 | 6万円から10万円 |
| 一から形を作る | 公開例は13万円〜 |
金額を決めるのは、指輪の古さではなく、どこまで変えるかです。ある工房も、古い指輪か新しい指輪かで、リフォーム料金は変わらないとしています。
自分の品を何に作り替えられるかは、写真を送って工房に相談できます。
似合わない理由を分ける
「似合わない」原因は、爪の高さ・石の大きさ・地金の色の3つに分けられます。どれが原因かで、変える所が変わります。
- 爪の高さ:爪で石を留めた指輪は、爪が出っ張っているため、衣類やバッグに引っかかることがあります(ある工房の説明)。
- 石の大きさ:石の大きさは変えずに、枠で見え方を変えます。低く留める、周りの小さな石を外すと、同じ石でも控えめに見えます。
- 地金の色:黄色い金が合わないならプラチナやホワイトゴールドの枠に、白が冷たく見えるなら金の枠に替えます。表面だけならメッキで色を変える方法もあり、指輪の色を変える方法にあります。
爪の高さについて、別の工房は、立て爪の指輪を石を低めに留めて引っかかりを抑えたフラットな形に作り替えています。爪だけを低くする直しは、さらに別の工房のブログで5〜10万円前後(爪を低くするプチリフォーム)です。
立て爪の作り替えの費用は立て爪の婚約指輪のリフォーム、石をペンダントに移す費用は形見の指輪をネックレスにする費用で確かめられます。
サイズだけ直す

形が好きで入らないだけなら、サイズ直しで済みます。素材・日数まで含めた料金は指輪のサイズ直しの料金と日数にあります。何号変えると地金がどれだけ増えるかは、号数×地金の増減計算で出せます。
どれかに当たるなら、サイズ直しと枠を替える見積もりを両方もらって比べます。断られる素材や作りは指輪のサイズ直しができないときで確かめられます。
サイズを直す前に、爪も見てもらいます。ある工房は、経年劣化で爪が摩耗すると強度が落ち、石が外れることがあると説明しています。若いころによく着けていた指輪なら、爪のすり減りを確かめてもらいます。
石を活かして枠を替える
爪・石の見え方・地金の色が合わないなら、石を外して新しい枠に留め直します。店の枠の見本から選ぶか、一から形を作るかの2つです。
枠の見本から選ぶ
- 店にある形から選び、石を移す
- 形の自由は少ない
一から形を作る
- 図やCGで形を決めてから作る
- 好みの形にできる
- ある工房では、枠の見本より6万円高い
見積もりは、ある工房が示す式「リフォーム費用=加工代+追加地金代+追加石代−下取」の4つに分けて読みます。
- 加工代
- 80,000円
- 追加地金代
- 20,000円
- 追加石代
- 0円(手持ちの石だけ使う)
- 下取り
- −10,000円(元の枠を出す場合)
※ 数字は計算の仕方を見せるための仮の値です。元の枠を返してもらうなら、下取りの行はなくなります。
見積書の読み方と値段を下げる順番は指輪リフォームの値段で確かめられます。
石を外す前に、石の状態を見てもらいます。ある工房は、古い指輪は石が劣化していることがあるので、専門家に確かめてもらうとしています。あるリフォーム専門店は、加工で壊れるおそれがある石としてひびのあるオパール、経年劣化で脆くなった真珠、琥珀・サンゴ・カメオ・象牙・エメラルドなどを挙げています。
外した元の枠は、下取りに出さずに返してもらうこともできます。ある宝石店の実例では、古枠は希望により返却しています。刻印のある輪を残したいなら、最初の連絡で「元の枠は返却で」と伝えます。
地金を溶かして作り直す
元の金属を引き継いで別の形にしたいなら、地金を溶かして作り直します。溶かす材料に向くのは、Pt900とK18のイエローゴールドです。要る重さは、ある宝飾店の説明で、作りたい指輪に使う量の1.5倍くらいです。
- ホワイトゴールド・ピンクゴールドは避けます。ある工房は、K18WG・K18PGは再加熱でぼそぼそになったりヒビが入ったりしてリフォームが困難と書いています
- 溶かすと、内側の刻印は消えます
- 若いころの細い指輪1本では、重さが足りないことがあります。足りない分は新しい地金を足します
目減り(溶かして作る途中で減る重さ)や作り方の違いは指輪を溶かして作り直すにあります。手持ちの地金がいくらぶんかは、刻印と重さが分かれば地金の価値の目安計算で出せます。
古い刻印と素材の確かめ方
作り替えでもサイズ直しでも、最初に内側の刻印を見ます。古い指輪には、今は使われていない書き方の刻印があります。
| 刻印 | 意味 |
|---|---|
| Pm900・PM | 昔のプラチナの記号 |
| Pt1000・1000 | 今の999と同じ品位 |
| 18K(数字が先) | 海外式の表示。素材を確かめる |
| 刻印なし | 素材が分からない。分析する |
- Pm:日本ジュエリー協会の表示規定に、プラチナの表示にかつてPmが使われていたが現在は使われていないとあります
- 1000:造幣局は、「999」は改正前の「1000」と証明している品位は同じと説明しています
- 18K:ある修理店は、刻印が「18K」のように数字が先にくるものは、表示と中身が違うことがあり、受けられない場合があると書いています
- 刻印なし:ある修理店は、素材不明品・品位を示す刻印がない品物は受付対象外としています。別の工房は、地金不明の品は分析後に可否判断(分析は有料)としています
刻印がないから偽物、とは限りません。表示規定には、アンティーク・歴史的なジュエリー・ナゲットを使ったジュエリーには品位の刻印がないものがあるとあります。刻印の一覧は刻印図鑑にあります。
写真で分かること、現物で決まること
写真で分かるのは、どの道になりそうかの見当までです。石の傷みと地金の量は、現物を見てから決まります。
写真で分かること
- 爪の高さと、石の留め方
- 刻印の文字と、輪の幅
- サイズ直しか枠を替えるかの候補
現物で決まること
- 爪のすり減りと、石の傷・劣化
- 地金の重さと、溶かして足りるか
- 刻印どおりの素材か
正面・真横(爪の高さが分かる向き)・内側の刻印を撮り、今の号数を添えて相談すると、サイズ直しで済むか、枠を替えるならどこまで変えるかの見当が分かります。石の状態と最終の見積もりは、現物を見てから決まります。
そのまま残してよいケース
作り替えは、一度したら戻せません。ある工房も、一度加工すると元の形には戻せないと書いています。迷っているあいだは、加工の注文を急ぎません。
そのまま残して時々着けるなら、爪の点検だけ頼みます。着けないなら、ほかの指輪とこすれないよう、1本ずつ袋やケースに分けてしまいます。
今日やること
- 1今の号数を確かめる着けたい指の号数を測るか、今ちょうど合う別の指輪の号数を調べる
- 2指輪を撮る正面・真横・内側の刻印を撮り、気になる所(入らない・爪が高い・石が大きい・色)を1つ選ぶ
- 3撮った写真で相談する「若いころの指輪で、今は◯号です。サイズ直しで済むか、枠を替えるならどこまで変えるか。刻印は残したいです」と書いて送る
