手元の婚約指輪をネックレスにする方法は、指輪のままチェーンに通す、指輪に金具を付けて下げる、ダイヤだけを外してペンダントにする、の3つです。どれを選ぶかは、後で指輪に戻したくなるかどうかで決まります。
しまったままの婚約指輪の使い道
結婚した後に婚約指輪をどう使うかは、人によって分かれます。結婚情報誌が結婚10年以上の女性に聞いた調査では、「毎日着けている」は10.9%、「特別な日だけ着けている」は33.6%でした。約半数が「普段ほとんど身に着けていない」という結果です。
しまったままの指輪の使い道は、手を加えない順に次の4つです。
- 特別な日に着ける:記念日や式に出る日だけ着けます。指に入らなくなっていれば、サイズ直しで足ります。
- 結婚指輪と重ねて着ける:形の相性で決まります。ある結婚指輪の店は、既製品同士や違うブランドの指輪を重ねると、デザインの違いでうまく合わないことがあると書いています。
- 普段用の指輪に作り替える:立て爪が引っかかるなら、石を低く留め直します。
- ネックレスにする:指輪を着ける習慣がないなら、首元で使います。方法は次の節の3つです。
選ぶ目安は、着けない理由です。理由がサイズなら直す、引っかかりなら低くする、指輪そのものを着けないならネックレスです。重ね付けの形の合わせ方はもらった婚約指輪が気に入らないときで、低くする費用は立て爪の婚約指輪のリフォームで確かめられます。
3つの方法と、指輪に戻せるか
3つの方法の違いは、元の指輪のどこが残るかです。残るものが多いほど、指輪に戻しやすくなります。
指輪のままチェーンに通す(両用)
- 加工しないので、いつでも指に戻せる
- かかるのはチェーン代だけ
- チェーンと擦れて、内側に傷がつくことがある
指輪に金具を付けて下げる
- 輪・刻印・石留めがそのまま残る
- 「バチカン」(チェーンを通す金具)を付ける
- 後で外せる付け方かを先に聞く
石だけペンダントにする
- ダイヤを外して、ペンダントの枠に留め直す
- 小さく軽くなり、毎日着けやすい
- 元の枠は返却か下取りかを選ぶ
チェーンに通すだけなら、いちばん手軽です。チェーンだけの公開価格は、確かめた店で11,370円から42,900円です。家にあるチェーンを使えば、費用はかかりません。
ただし、指輪をチェーンに通すと擦れます。ある宝飾店は、チェーンと指輪の内側が擦れて、指輪が傷つくことがあると説明していて、チェーンは指輪と同じか、それ以上の純度のチェーンを選ぶようにと案内しています。ホワイトゴールドやめっきの指輪は、別の宝飾店によると金属同士が擦れて、メッキやコーティングがはがれやすくなるので、この方法には向きません。
指輪に金具を付けて下げる方法は、輪や内側の刻印を残したい人に向きます。ある店の実例では、バチカンの代金が30,800円、長いチェーンを含めた総額が176,220円(いずれも税込)でした。
自分の品を何に作り替えられるかは、写真を送って工房に相談できます。
費用は、チェーンで大きく変わる
石だけペンダントにする費用は、飾り部分(トップ)の代金にチェーンの代金を足して決まります。工房や宝飾店が公式サイトに載せた、指輪をチェーン込みのペンダントにした実例は次の3件です。
| 公開例 | トップ | チェーン | 合計 |
|---|---|---|---|
| 公開例1 | 19,800円 | 37,000円 | 56,800円 |
| 公開例2 | 47,000円 | 36,300円 | 83,300円 |
| 公開例3 | 59,400円 | 42,900円 | 102,300円 |
※ どれもプラチナで、下取りを引く前の額。公開例1・3は税込、公開例2は税の表示なし。公開例2は婚約指輪の実例です。
3件とも、チェーンの代金が総額の大きな部分を占めています。家にあるチェーンを使えば、トップの代金だけで済みます。トップだけの最低価格は、確かめた8店の中央値で30,000円です(チェーン別。税込・税別・税の表示なしが混在)。
元の枠を下取り(店が金属を買い取って代金から引くこと)に出すと、支払いはさらに減ります。指輪1本の枠の下取りの公開例は6,900円から23,000円です。公開例2では、元の枠と使わなくなっていた地金の品を一緒に下取りに出し、実際の負担は0円でした。
後で指輪に戻すとき
指輪に戻せるかは、元の枠を手元に残すかで決まります。チェーンに通しただけなら、外すだけで指輪に戻ります。
石だけペンダントにした場合も、元の枠を返してもらっていれば、戻す相談の余地が残ります。返却は頼めます。ある宝石店が立て爪の指輪をネックレスにした例でも、古枠は希望により返却となっています。枠を受け取るときに「後でこの枠に石を戻せますか」と聞いておくと、戻すときの手間が分かります。
ある工房は、一度加工すると元の形には戻せない。特に地金を溶かした場合は戻せないと書いています。枠を手放した後で指輪に戻したくなったら、新しく指輪を作ることになります。ペンダントを指輪にする費用はネックレス・ペンダントを指輪にリメイクする費用で確かめられます。
立て爪をそのまま下げるか

立て爪(石を高い爪で持ち上げて留めた形)の婚約指輪は、指輪のまま下げると、爪が服や体に当たり続けます。日本ジュエリー協会は、宝石を留めている爪が、摩耗して弱くなったり、力が加わって変形したりすると宝石が外れることがあると注意しています。
石だけを移した実例があります。ある宝飾店は、高い爪に0.3ctのダイヤが留まった婚約指輪を、プラチナのトップにしました。製作期間は約1か月で、費用は上の表の公開例2です。
移す先の枠は、爪で留める枠か、覆輪留めの枠かを選びます。覆輪留めは、ある宝飾店の説明では「覆輪留め=周囲を地金で囲み、爪がないので引っかからない」という留め方です。服に引っかけたくないなら覆輪留め、費用を抑えるなら爪留めの枠を考えます。
指輪のまま普段使いしたい気持ちもあるなら、作り替え先を比べてから決めます。ある店の0.3ctの例では、6本爪のペンダントトップは24,000円〜(0.3ct・トップのみ)、普段使いの指輪は97,600円〜(0.3ct)です(税の表示なし)。指輪にする作り方は立て爪の婚約指輪のリフォームで比べられます。
ダイヤの大きさと首元での見え方
ダイヤの重さ(カラット)が分かれば、首元での見え方の見当がつきます。丸いダイヤなら、直径の目安は次のとおりです。
| 重さ | 直径の目安 |
|---|---|
| 0.2ct | 約3.8mm |
| 0.3ct | 約4.3mm |
| 0.5ct | 約5.2mm |
| 1.0ct | 約6.5mm |
| 2.0ct | 約8.2mm |
※ ある宝飾店の公開の表。同じカラットでも、カットの形や深さで見える大きさが変わるので、丸以外の形の石は鑑定書の寸法で読みます。
同じ枠でも、石が大きいほど代金は上がります。ある工房の価格表では、ペンダントの枠が23,000円〜40,000円(0.20〜3.00ct・Pt900・チェーン別)です。ペンダントの枠の価格にチェーン代は含まれないので、チェーンは別に考えます。大きさごとの向き不向きはダイヤの大きさで決めるリフォーム先で確かめられます。
ブランドの婚約指輪
ブランドの婚約指輪は、加工する前に、購入したブランドの保証とアフターサービスを確かめます。たとえばティファニーの案内では、ティファニーの商品は、職人によるアフターケアを生涯にわたり利用できるとされています。
他店で石を外したり枠を切ったりすると、ブランドの手入れを受けられなくなることがあります。ショーメは、正規の店以外で修理された場合、品質が損なわれ、保証の対象外になることがあると書いています。枠を溶かせば、内側のブランドの刻印も消えます。ある修理店によると、ブランドの刻印は、正規店以外の修理店では打ち直せないとのことです。
ブランドの形をそのまま残したいなら、加工せずチェーンに通す方法がいちばん確かです。保証が切れた品を正規店以外で直すときの条件は、ブランドのジュエリーを正規店以外で直すときで確かめられます。
写真で分かること、現物を見ないと決まらないこと
真上・真横・内側の刻印の写真と鑑定書があれば、どの方法が合うかの見当はつきます。金額が決まるのは、現物を見てからです。
| 写真で分かること | 現物を見ないと決まらないこと |
|---|---|
| 立て爪か、低い留め方か | 爪のすり減りと、石のぐらつき |
| 刻印(素材・ブランド) | 枠の金属の重さ(下取りの額) |
| 鑑定書の重さと寸法 | 外したときの石の傷 |
石の傷は、枠から外して初めて見つかることがあります。外したときに傷が見つかったら作業を止めて連絡をもらえるかも、先に聞いておきます。
パートナーへの話し方
婚約指輪を贈ってくれたパートナーには、注文の前に話します。伝える理由は、「着けたくない」ではなく「毎日身につけたい」にします。話すときは、次の3つを順に見せます。
- どの方法にするか(チェーンに通す・金具を付ける・石だけペンダント)
- 何を残すか(石・枠・内側の刻印)
- 見積もりの税込の総額と、元の枠を返してもらうか
言い方の例は、「指輪だと家事のたびに外すので、ネックレスにして毎日着けたいと思ってる。枠は返してもらって、後で指輪に戻すこともできるようにするね」です。
サイズだけが理由なら、ネックレスにせずサイズ直しで足ります。費用の目安は指輪のサイズ直しの料金で確かめられます。
どの方法にするか迷うなら、真上・真横・内側の刻印の写真と鑑定書を添えて写真を送って相談することができます。
今日やること
- 1方法を決める後で指輪に戻すかもしれないなら、チェーンに通すか「石だけペンダント+枠は返却」にする
- 2パートナーに話す「毎日着けたいからネックレスにしたい。枠は返してもらって、指輪に戻せるようにする」
- 3写真を送って相談する真上・真横・内側の刻印と鑑定書を撮り、「婚約指輪をネックレスにしたいです。チェーン込み・下取り前の税込の総額を教えてください。元の枠は返却を希望します」と書いて送る
