なくした結婚指輪は、購入店に紛失時の制度や注文の記録があれば、同じ形で作り直せることがあります。制度が使えなくても、相方の指輪・購入時の写真・保証書のどれかがあれば、同じ形に近い1本を作る手がかりになります。
なくした直後にすること
まず、警察に遺失届を出します。警視庁は、遺失届はどこの警察署・交番でも出せる(国外でなくした物は受理できない)としています。同じ案内では、東京都内の落とし物は、現金100万円未満ならオンラインで遺失届を出せるとされています。ただし警察庁によると「オンラインで遺失届を出せない都道府県警察もある(その場合は警察署・交番へ)。オンラインは受理まで時間がかかることがある」とのことです。
- 1心当たりを探す外した場所(洗面所・台所・職場・ジム)と、最後に着けていた日を思い出す
- 2遺失届を出す素材・幅・石の有無・内側の刻印の文字を伝える
- 3購入店に聞く紛失時の作り直しの制度があるかと、注文の記録が残っているか
遺失届には、内側の刻印の文字を書いてください。刻印は、見つかった指輪が持ち主の物だと示す手がかりになります。
警察が預かる期間は限られています。警視庁は、警察での保管期間、落とし主が探せる期間は3か月としています。法律でも、警察署長の公告は、遺失者が判明しない限り公告の日から3か月間続ける(遺失物法7条4項)と決まっています。作り直しを頼むのは、届け出た後で構いません。作り直す前に「元の指輪が見つかったらどうするか」を二人で決めておきます。
購入店の紛失時の制度を確かめる
結婚指輪の購入店の中には、紛失したときの作り直しや割引の制度を設けている店があります。保証書かカードを出して、購入店に聞いてください。
| 公開例 | 紛失時の扱い |
|---|---|
| 公開例1 | 盗難・紛失時は1回限り半額で作り直し(同品番・作り直し注文時の価格の半額) |
| 公開例2 | 紛失時の再購入は取り扱い価格から20%OFF(結婚指輪はペアも20%OFF・デザインは選び直せる) |
| 公開例3 | 同じ指輪の再制作は、いまの見積もり(税抜)の80%の価格 |
| 公開例4 | 紛失した結婚指輪の再制作は、制作記録をもとに注文当時の価格のまま作る |
※ 各店が自店で買った指輪に向けて公開している制度です。
作った工房なら、注文の記録が残っていることがあります。ある工房は、自工房で作った指輪は有料で作り直せる(依頼時に制作した日を伝える)としています。逆に、紛失を保証の外にしている店もあり、ある宝飾店は「製品の紛失は保証の対象外」としています。
購入店の制度が使えるなら、まずその条件を聞きます。注文の記録から作れれば、形や寸法をそろえやすくなります。
自分の品を何に作り替えられるかは、写真を送って工房に相談できます。
何があれば同じ形に近づけられるか

購入店の制度が使えない・店がもうない・どこで買ったか分からないときも、手元の材料から同じ形に近づけられることがあります。ある工房は、他店で買った指輪でも、写真やスケッチから同じデザインで作れる(貴金属のみ・シルバー不可)としています。同じ工房の案内は「再現の材料として、指輪の画像・写真入りの鑑別書・相手の指輪を送る」です。
| 手元の材料 | 分かること |
|---|---|
| 相方の指輪 | 形・断面・仕上げ・素材 |
| 購入時の写真 | 形・石の位置 |
| 保証書・鑑別書 | 素材・石の大きさ |
| 注文書の控え | 号数・幅・刻印の文字 |
相方の指輪がいちばん役に立ちます。同じデザインのペアなら、断面の形や表面の仕上げを手に取って測れるからです。ただし、男性用と女性用で幅や厚みを変えているペアもあります。なくした方の幅は、写真や注文書で確かめます。
号数が分からなくても困りません。新しく作るので、今の指に合う号数を選べます。ゆるくて抜けたのなら、今の号数を測り直してから伝えます。
1本作る費用
なくした結婚指輪を同じ形で1本作る料金は、他店の工房の公開例で1本10万円前後から(税の表示なし)です。比べるために、他店がプラチナの結婚指輪を1本新しく作るときの公開価格を確かめると、5店の中央値は99,000円でした。素材・幅・税の扱いがそろっていない集計なので、見当として読んでください。
石が並ぶデザインや、珍しい素材の指輪は高くなる例があります。ある工房が注文当時の価格のまま作り直した例では、珍しい金属の幅2.5mmの指輪1本で183,060円(税・送料込み)でした。
内側の刻印は、新しい指輪に入れ直します。他店が公開しているレーザー刻印の料金はレーザー彫り(アルファベット・数字)12文字まで7,500円(税別)です。元と同じ文字にするか、作り直した日付を足すかは、二人で決めて伝えてください。刻印の入れ方は指輪に後から刻印を入れるで確かめられます。
婚約指輪の中央の石もなくした場合は、同じ品質の石を探すことから始まります。石が取れたときの保証を公開している宝飾店でも「無償で新しい石を用意(婚約指輪の中央の石は対象外)」とされ、中央の石は保証で補えない例があります。指輪は手元にあり、石だけをなくした場合は指輪の石が取れたときへ。
写真で分かること、現物で決まること
写真で決まるのは、作れそうかと見積もりの見当までです。厚みや色味は、相方の指輪を手に取って測ってから決まります。
写真で分かること
- デザインと石の位置
- おおよその幅と、刻印の文字
- 相方の指輪の傷の目立ち方
現物で決まること
- 厚みと断面の形
- 刻印どおりの素材か、色味
- 相方の指輪の磨き直しが要るか
片方だけ新しくすると、並べたときに艶が違って見えることがあります。何年も着けた相方の指輪には細かい傷があるからです。そろえたいなら、新しい1本と同時に相方の指輪を磨き直すかを聞きます。
相方の指輪の正面・真横・内側の刻印の写真と、購入時の写真があれば、写真を送って相談することができます。「なくした方の幅と、相方の指輪と違う点」を書き添えると、同じ形に近づける前提の見当が出やすくなります。
保険で補えるか
携行品の損害を補う保険は、確かめた3社とも紛失を対象外にしています。ある損害保険会社は「傷害保険の携行品損害補償特約では、紛失・置き忘れは補償の対象外」としています。別の損害保険会社も「国内旅行保険の携行品損害では、紛失・置き忘れによる損害(その後の盗難を含む)は支払われない」としています。
盗まれた場合は、対象になる例があります。3社目の損害保険会社は「携行品損害補償特約は、紛失・置き忘れは支払対象外、盗難は支払対象(盗難の証明書類が必要なので警察へ届け出る)」としています。同じ会社の案内では、盗難で保険金を請求するには盗難の事実を証明する書類が必要なので、遅れずに警察署へ届け出るとされています。
対象になっても、払われるのは購入価格ではありません。ある国内旅行保険では「携行品の損害額は時価額か修繕費の低い方、1個・1組・1対あたり10万円が限度。免責3,000円」です。
同じ形にしない選び方
同じ形にこだわらないなら、別の選び方もあります。二人の指輪を新しいデザインで作り直す、残った相方の指輪に合わせて新しい形を作る、といった方法です。残った指輪を溶かして使う作り方は、結婚指輪のリフォームで確かめられます。
もう一度なくさないためには、外す場所を決めて、指輪の置き場を1か所にします。相方の指輪もゆるくなっているなら、サイズを合わせ直します。直す費用の目安は指輪のサイズ直しの料金で、指が変わったときの考え方は結婚指輪のサイズが変わったらで確かめてください。
今日やること
- 1遺失届を出す素材・幅・内側の刻印の文字を伝え、受理番号を控える
- 2購入店に聞く「結婚指輪を片方なくしました。紛失時の作り直しの制度と、注文の記録は残っていますか」
- 3写真をそろえる相方の指輪の正面・真横・内側の刻印と、購入時の写真を1か所にまとめる
