ラボグロウンダイヤ(ラボで作ったダイヤ)も、モアサナイトも、キュービックジルコニア(CZ)も、指輪のサイズ直しや石の留め直しの対象になる石です。受けてもらえるかを分けるのは、石より枠の金属です。
3つの石の違い
ラボグロウンダイヤは、ダイヤそのものです。GIA(米国宝石学会)によると、ラボで作ったダイヤは化学的・物理的な性質は、天然ダイヤにとても近い石です。モアサナイトとCZは、ダイヤに似せた別の石です。GIAは、キュービックジルコニアや合成モアッサナイトは、見た目がダイヤに似ているだけで、化学的・物理的な性質は大きく違うと説明しています。
| 石 | 中身 | 硬さ(モース硬度) |
|---|---|---|
| ラボグロウンダイヤ | ダイヤ | 天然ダイヤと同じ扱い |
| モアサナイト | 別の石 | 9.25 |
| キュービックジルコニア | 別の石 | 8.5 |
※ 硬さはGIAの「類似石・模造石」の説明によります。
硬さの数字で見れば、3つとも傷がつきにくい石です。違いが出るのは、熱と、作業中に壊れたときの補償と、年月での見た目の変わり方です。CZについて、GIAは「時間がたつと黄色くなる」と書いています。
受けてもらえるかは枠の金属で決まる
石が何であっても、サイズ直しや石の留め直しは、枠の金属を切る・つなぐ・磨く作業です。だから、受けてもらえるかは枠の金属で決まります。指輪の内側の刻印を見てください。
内側の刻印で見るところ(例)数字は仮
- ①Pt900・K18・K10プラチナ・金サイズ直し・石の留め直し・作り替えの相談ができる
- ②SV925・925シルバー相談できる。シルバーの修理を受けない店もある
- ③GP・金メッキの表示メッキ熱や磨きでメッキがはがれる。受けない店がある
- ④STAINLESS・316Lステンレス貴金属でないので、受けない店がある
シルバーについて、ある修理店はプラチナやゴールドは直せても、シルバーのジュエリーの修理は断る店があると書いています。メッキの品について、ある工房はメッキの品は溶接の熱でメッキがはがれたり色が変わったりするため、メッキをかけ直して仕上げることがあると説明しています。
ステンレスについては、ステンレス・チタン・真鍮・合金素材はサイズ直し不可とする工房がある一方で、貴金属以外の指輪のサイズ直しを2,500円〜(貴金属以外の指輪のサイズ直し)で受ける修理店もあります。店によって分かれるので、刻印の写真を見せて最初に聞きます。
刻印の読み方は刻印図鑑、メッキの品は18KGPとは、ステンレスやチタンの指輪のサイズはチタン・タングステンの指輪で確かめられます。メッキやステンレスで断られたときの次の手(切らずに直す方法・作り替え・保管)は、指輪のサイズ直しができないときにあります。
手元の石でどんな形にできるかは、石と枠の写真を送って工房に相談できます。
購入したブランドの保証を先に見る
ラボグロウンダイヤやモアサナイトの指輪を専門のブランドで買ったなら、そのブランドのサイズ直しの保証や有料のアフターが最初の相談先です。ある修理店も、ブランド品は販売店以外で修理すると保証が受けられなくなると注意しています。
ラボグロウンダイヤのあるブランドは、自社で販売した商品のサイズ直しを7,700円(税込)〜で受け付け、購入後のサイズ直しの範囲には限りがあると案内しています。何号まで直せるか、ひびや変形があるときは作り直しになるかを、保証書を手元に置いて聞いてください。購入店で無料になる条件と、他店の公開料金の読み方は、指輪のサイズ直しの料金と日数で確かめられます。
熱と補償で気をつけること

サイズ直しは、金属をバーナーの炎でつなぐ作業です。石を付けたままにするか、外すかで、石への負担が変わります。
ラボグロウンダイヤ
- 熱の注意は天然ダイヤと同じ
- 石の近くを炎でつなぐなら、外すかレーザーかを聞く
モアサナイト
- 修理の炎に耐えるとする説明がある
- 補償の扱いはダイヤと違うことがある
キュービックジルコニア
- 石を付けたまま炎を当てるかを聞く
- 石が安い分、替える選択もある
ダイヤは熱に気をつける石です。ある宝飾店は「ダイヤは熱に弱く、ピアスの金具を作り替える加工では特に注意が要る」と書いています。別の店も、ダイヤが留まった指輪同士をつなぐと、熱が石に伝わり負担をかけるおそれがあると説明しています。GIAはラボで作ったダイヤの性質を天然ダイヤに非常に近いとしているので、ラボグロウンダイヤも同じ注意で頼みます。
モアサナイトについて、宝石の買取店のコラムはモアサナイトは修理の炎(約1,100℃)に耐え、サイズ直しや地金の修理を石を付けたまま行える場合があると説明しています。同じコラムは、モアサナイトを扱った経験がない店では、作業を断られる場合があるとも書いています。最初の連絡で、石がモアサナイトだと伝えてください。
補償は、石の種類で扱いが変わることがあります。ある工房は、ダイヤ以外の石は、損傷が起きても店が責任を負わないことを承諾してもらってから加工するとしています。モアサナイトとCZは「ダイヤ以外の石」にあたります。作業中に石が欠けたら、どうするかを先に聞いてください。補償の上限を決めている店もあり、ある専門店では店が算出した一般的な市場価格の最大1割まで、上限30万円です。
直す価値の決め方
直す価値は、修理代と、その指輪を買ったときの値段を並べて決めます。売ったときの値段は当てにしないでください。モアサナイトについて、ある買取店はモアサナイトを中古で売ると、買ったときの値段を大きく下回るのが一般的と書いています。ラボグロウンダイヤについても、別の買取店がラボグロウンダイヤは希少性がないため、価値の減少や売るときの値段に影響しうると書いています。
| 作業 | 他店の公開料金 |
|---|---|
| 取れた石の留め直し(1か所) | 2,000円から5,000円 |
| 指輪を小さくするサイズ直し | 2,500円 |
| シルバーの指輪のサイズ直し | 2,000円 |
※ 留め直しは10店の最低額の幅、サイズ直しは8店と5店の中央値です。どれも石の種類を限らない料金表の額で、税込・税別の表示は店ごとに違います。大きくするときは地金代が加わります。
CZの石が取れた指輪を留め直した例もあります。ある工房のブログには、キュービックジルコニアの石落ちを、メレダイヤと同じく石を合わせて留め直した修理例が載っています。石が取れる前の、爪のすり減りやぐらつきの直し方は指輪の爪の修理代と日数にあります。
修理代が買ったときの値段に近いなら、同じ品を買い直すほうが安いこともあります。作業ごとの料金の幅は、工房の公開料金データで確かめられます。
石の種類が分からないとき
譲られた指輪などで石が何か分からないなら、鑑別(石の種類を調べること)で分けられます。モアサナイトとCZは、宝石の専門家なら見分けやすい石です。ラボグロウンダイヤと天然ダイヤは、GIAによると天然ダイヤかラボグロウンダイヤかは、高度な科学機器で調べないと分からない場合があるとされています。
自分で見て分かる手がかりもあります。
- 石の外周(ガードル)に小さな文字がないか、ルーペで見る。GIAのレポートが付いたラボグロウンダイヤは、ガードル(石の外周)に「Laboratory-Grown」とレポート番号がレーザーで刻まれている
- 斜めから見て、裏の面の線がぼやけて見えないか。GIAによると、モアッサナイトは光を二重に曲げる石で、裏側の面が二重に見えることがある
鑑別書について、ある鑑別機関は鑑別書は宝石の種類を科学的に特定した証明書としています。基本料金は、確かめた鑑別機関で2,640円(税込)と3,850円(税込)です。早い機関では原則として翌営業日です。進め方は石の種類が分からない指輪と鑑定書と鑑別書の違いで確かめられます。
天然の石に替えるとき
モアサナイトやCZの指輪の枠を活かして、天然のダイヤや色石に替える相談もできます。今の枠の石座(石を留める台)に合う大きさの石なら、枠を活かせる場合があります。替えるときは、外した石を返してもらうかを先に決めます。新しい石の用意の仕方と費用は指輪の石だけ交換できるかで確かめられます。
写真で分かること、現物で決まること
写真で決まるのは、受けられそうかと見積もりの見当までです。石の種類は、写真では決まりません。
写真で分かること
- 内側の刻印(枠の金属)
- 石の留め方と、石の近くに継ぎ目が来るか
- 爪のすり減り・石のぐらつきの見当
現物で決まること
- 石の種類(鑑別書か鑑別で)
- 石を付けたまま作業できるか
- 地金の重さと、足す地金の量
指輪の正面・真横・内側の刻印を撮って写真で相談するときは、保証書や鑑別書に書かれた石の名前も一緒に書きます。石を付けたまま作業するか外すかは、そのときに確かめられます。
今日やること
- 1刻印を見る内側の Pt・K18・SV925・GP などの文字を探し、明るい所で撮る
- 2保証書を見る購入したブランドのサイズ直しの条件と、石がラボグロウン・モアサナイト・CZのどれかを確かめる
- 3写真を送って相談する「モアサナイトの指輪(枠は◯◯)を◯号にしたいです。石は付けたまま作業しますか。作業中に石が欠けたときの扱いも教えてください」と書いて、正面・横・刻印の写真と一緒に送る
