純金(K24)の指輪やネックレスは、普段使いでも曲がることがあります。金にほかの金属をほとんど混ぜていないので、K18より柔らかいからです。ゆがみ・サイズ・割れは純金のまま直した修理例がありますが、つなぐ方法がK18と違うため、受けない店や料金を高くする店があります。
純金のまま直すかK18に作り替えるかは、毎日着けるかどうかが目安です。たまに着ける形見の指輪なら純金のまま、毎日着けたいならK18、と分けると決めやすくなります。
純金が曲がる理由

純金は、金をほぼそのまま使った素材です。K18は金が75%で、残りに銀や銅など(割金:わりがね)を混ぜて硬くしています。日本ジュエリー協会の表示規定による品位(1000分のいくつが金か)は、K24=999、K22=916、K20=833、K18=750、K14=585、K10=416、K9=375、K8=333(千分率)です。
金は混ぜ物が少ないほど柔らかくなります。ある修理店も「理屈では24金・18金・10金の順に硬くなる」と説明しています。どれほど柔らかいかは、店の言い方で分かります。
- ある宝飾店:純金の指輪は手でも簡単に曲げられるほど柔らかく、曲がると石が外れることもある
- ある工房:純金はとても柔らかく、普通に使うだけでくにゃくにゃになることもある
手で曲げられるほど柔らかくても、曲がった指輪を手で戻すのはやめてください。輪が均一に戻らず、石が付いていれば緩むことがあります。家でしてよい直しの線はジュエリーを自分で直せるのはどこまでかにあります。
昔の純金の指輪は「開いている」ことがある
祖父母から受け継いだ純金の指輪は、手のひら側がつながっていないことがあります。ある工房は「昔の純金の指輪には、手のひら側の腕がつながっていないフリーサイズの作り(「極楽」)がある」と説明しています。柔らかい純金だから、指に合わせて輪を締めたり広げたりできる作りです。
この作りは、開いていても壊れたわけではありません。つなげて輪を閉じれば、今の指輪と同じように号数を決められます。
直せることと、純金ならではの注意
純金の指輪で直せることを、症状ごとにまとめます。どれも工房が公開している修理例にあるものです。
| 症状 | 直し方 |
|---|---|
| 輪がゆがんだ・楕円になった | 形を整えて磨き直す |
| サイズが合わない | 切って詰める・地金を足す |
| 割れた・切れた | 純金どうしでつなぐ |
| 手のひら側が開いている | つなげて輪を閉じる |
| 細い部分が折れた | 裏に補強を入れてつなぐ |
号数を大きく変えた例もあります。ある工房は、つながっていない純金の指輪をつなげ、3号から13号へ10号大きくした修理例を公開しています。ネックレスでも、曲がっては戻りを繰り返して折れた純金のネックレスを、裏に補強を入れて修理した例があります。ゆがみ直しの方法は曲がった・楕円になった指輪は直せる?にあります。
つなぐ方法がK18と違う
K18の指輪は、少し低い温度で溶ける金属(ロウ)を流してつなぎます。純金は、同じ純金を溶かし合わせてつなぎます。ある工房は「純金(K24)はロウ付けではなく、同じ純金を溶かし合わせる「トモ付け」でつなぐ」と説明しています。
本体も同じ温度で溶けるので、難しい作業です。
- ある工房:純金をつなぐとき、下手に接合すると本体が溶けてしまう危険がある
- 同じ工房の印台の例:「純金(K24)の印台はロー付けの熱で指輪のほうが先に溶けることがあり、つなぐ加工が難しい」
- 別の工房:金は火を入れると柔らかくなり、K22・K24では作業中の変形や仕上げ後の強度低下に注意が要る
このため、「24金のネックレスの修理は、受け付けていない店もある」と書く修理店もあります。断られたときの次の手はサイズ直しができないと言われたときにあります。
料金は、K18より高く出す店がある
ある工房は「純金のサイズ直しは、K18・Pt900のサイズ直しより高くなる」としています。K24の行を別に出している修理店の料金表を1店確かめると、K18より高くなっていました。
| 他店の公開例 | K18 | K24 |
|---|---|---|
| サイズ直しの基本料金 | 4,400円〜 | 5,500円〜 |
※ 修理店の料金表の1店の例です。どちらも最低額で、税込か税別かの表示はありません。幅・厚み・石で上がります。
K18のサイズ直しの料金の決まり方は指輪のサイズ直しの料金にあります。純金の品を出すときは、純金であることを最初に伝えて額を聞いてください。
自分の品だといくらで直るかは、壊れた所の写真を送って工房に相談できます。
K18に作り替えるとどうなるか
純金を溶かし、銀や銅などの割金を足すとK18になります。ある工房は、純金を溶かして18金にし、硬さを増して、日常で簡単には曲がらないペンダントにした例を公開しています。K18になると硬さが増し、毎日着けても曲がりにくくなります。
K18は重さの75%が金です。手持ちの純金を全部使うなら、割金を足した分だけ重くなります。
- 手持ちの純金
- 10g
- 足す割金(銀・銅など)
- 約3.3g
※ 溶かす・削る・磨く作業で少し減ります(目減り)。
増えた分は、新しい指輪を太くするか、ペアにするかに使えます。純金を全部使わない頼み方もあります。ある宝飾店の例は「祖父の純金(K24)印台メンズリング→K18平打ちのペアリング。余った純金は下取りして費用に充てた」というものです。
純金のまま溶かして作り直した例もあります。ある工房は、K24の指輪8.2gを溶かして、幅3mm・厚み1.4mm・11号の甲丸リング(仕上がり4.2g)にした例を公開しています。その店の公開例での費用は加工代55,000円(1本・余った地金の買取額から差し引いて精算)でした。新しい指輪が細ければ、手持ちの純金は余ります。余った分を返してもらうか、加工代から引いてもらうかは、注文の前に決めてください。
純金のまま直す
- 濃い山吹色がそのまま残る
- 曲がりやすさは変わらない
- たまに着ける・形見として残す品に
溶かしてK18に作り替える
- 色は少し薄くなる
- 硬くなり、毎日着けても曲がりにくい
- 割金の分だけ重くなり、デザインに使える
溶かす前に確かめることが2つあります。1つは、ほかの素材と一緒に溶かさないことです。ある専門店は「異なる金種を混ぜて加工することはできない」としています。K18の指輪と純金の指輪を一緒に使いたいときは、どう分けるかを先に聞いてください。もう1つは、溶かすと元の刻印や彫りが消えることです。作り替えの費用の決まり方は指輪のリフォームの値段、目減りは指輪を溶かして作り直すにあります。
刻印で、純金か確かめる
直すか作り替えるかを決める前に、内側や留め具の刻印を見てください。
| 刻印 | 意味 |
|---|---|
| K24・24K・999 | 純金 |
| 1000 | 純金(古い表示) |
| K24GP・24KGP | 純金のメッキ |
「1000」は古い品の刻印です。造幣局によると「「999」は改正前の「1000」と証明している品位は同じ」です。今の表示規定では、純度表示に1000‰は使えないとされています。
「GP」が付いた刻印は、中が別の金属で、表面だけを純金でメッキした品です。メッキの品は、溶かしても純金の地金にはなりません。純金の修理を受ける工房でも「まれに純金メッキの品があるため、純金の指輪をつなぐ前に変色しないかも考える」と書いています。メッキの品の扱いは18KGPとは、刻印の一覧は刻印図鑑にあります。
ブランドの純金の品
純金の喜平ネックレスやブランドの純金リングは、購入した店の保証が使えるかを先に見てください。ある喜平のブランドは、無償で直す期間を「18金は購入から1か月未満、24金は1年未満」としており、純金とK18で期間が違います。期間内なら、購入した店に出すのが先です。
喜平ネックレスの長さ調整や溶かすリメイクは喜平ネックレスのリメイク・修理の費用、印台リングは印台リングのリメイクにあります。
純金のまま着けるなら
純金のまま着けるなら、力のかかる場面で外すことが一番の対策です。ある工房は「家事・入浴・スポーツのときは外し、保管は指輪同士が擦れないように分ける」ことを勧めています。
細かい傷は、純金の柔らかさから避けにくいものです。気になるなら磨き直しで目立たなくできますが、ある工房の説明では「表面を削って傷を直すので、地金の重さが減る場合がある」です。磨き直しの料金は新品仕上げにあります。
写真で分かること、現物で決まること
写真で分かるのは、純金のまま直すかK18にするかの見当までです。
写真で分かること
- 刻印(K24・999・1000・GP)
- ゆがみ・割れ・開きの場所
- 石の有無と留め方
現物で決まること
- 純金かメッキか(刻印と重さ)
- 割れの深さと、地金の厚み
- 作り替えたときの重さと余る地金
石の付いた指輪が楕円になった、割れた、サイズが合わない、のどれかなら、直し方を決める段階です。刻印とゆがんだ所が写った写真で、純金のまま直すかK18にするかを相談することもできます。
今日やること
- 1刻印を見る内側や留め具に「K24」「999」「1000」「GP」のどれがあるかを確かめる
- 2写真を撮る刻印の写真と、ゆがみ・割れ・開いた部分を正面と横から撮る
- 3聞くことを決める「純金のまま直す場合とK18に作り替える場合の、税込の総額と余る地金の扱いを教えてください」と書き、写真と号数を添える
