婚約破棄や別れのあとに残った指輪は、返すかどうかが決まるまで、そのまま保管します。溶かす・石を外す・手放すは、元に戻せないからです。自分の物として扱ってよいと決まってから、刻印を消すか、作り替えるかを選びます。
今の状況で、することは次のように分かれます。
| 今の状況 | すること |
|---|---|
| 返すよう求められている | 加工せず、法律の相談へ |
| 自分から返したい | 鑑定書・箱と一緒に返す |
| 自分の物として残す | 刻印を消す・作り替える |
| 決められない | そのまま保管する |
- ペンダントの枠(仮に)
- 30,000円
- チェーン(仮に)
- 15,000円
- 古い枠の下取り(仮に)
- −10,000円
※ 数字は計算の仕方を見せるための仮の値です。枠・チェーン・下取りの額は、品と店で変わります。
返すかどうかの考え方
婚約指輪を返すかどうかは、法律の判断になります。自分の場合を、自分だけで決めないでください。
相手から返すよう求められている、または代金を払うよう言われているなら、法律の専門家に確かめます。どこに聞けばよいか分からなければ、法テラス(国が作った法律相談の案内窓口)に電話します。番号と受付時間は法テラス・サポートダイヤル 0570-078374(平日9時から21時・土曜9時から17時)です。
この窓口では、問い合わせの内容に応じて、使える法制度や相談先の機関・団体を案内するとしています。弁護士・司法書士による法テラスの無料法律相談は、収入と資産が一定の基準以下の人が対象で、基準は家族の人数や住んでいる地域で異なるです。
どれも、後で「返してほしい」と言われたときに、元の指輪では返せなくなります。話がついたら、「指輪は返さなくてよい」「返す」といった結論を、メッセージや書面で残しておきます。
自分から返すと決めたなら、鑑定書・保証書・箱も一緒に返します。送るなら、届いたことが記録に残る方法を選びます。
交際中にもらったペアリングやプレゼントの指輪も、返すよう求められてもめているなら、同じように加工せず相談窓口に聞きます。求められていないなら、次の「手元に残すなら」から選びます。
手元に残すなら、3つの道
自分の物として残すと決まったら、指輪の何を残したいかで選びます。
刻印を消して着ける
- 指輪の形はそのまま残る
- 名前や日付だけが消える
ダイヤを残して作り替える
- ペンダントや普段使いの指輪になる
- 古い枠は下取りか返却かを選ぶ
加工せずに保管する
- 費用はかからない
- 後から、どの道も選べる
費用の見当は、他店の工房や修理店が公開している料金で次のとおりです。
| 方法 | 他店の公開料金 |
|---|---|
| 刻印を削って消す | 2,000円から6,000円 |
| 刻印を埋めて消す | 5,000円から10,000円 |
| ダイヤを残してペンダントに | 中央値30,000円から |
| ダイヤを残して指輪に | 中央値67,500円から |
| 古い枠の下取り | 6,900円から23,000円 |
※ 税込・税別・税の表示なしが混ざります。作り替えは「〜から」の最低料金の中央値で、ペンダントはチェーン別、どちらも下取りを引く前の額です。
形を見るたびに思い出すのがつらいなら、作り替えを選びます。指輪として気に入っていて、名前や日付だけが気になるなら、刻印消しで足ります。作り替えの見積もりが、加工代・地金代・石の留め代・下取りのどれでできているかは、指輪のリフォームの値段の決まり方で読み方を確かめられます。
自分の品を何に作り替えられるかは、写真を送って工房に相談できます。
刻印を消す
刻印の消し方は、表面を削って磨く方法と、彫った溝に同じ金属を埋めてから磨く方法の2つです。どちらにするかは、指輪の厚みと刻印の深さで決まります。
削る方法について、ある修理店は研磨消しをすると金属がやや薄くなり、耐久性に支障が出る可能性があると書いています。別の修理店は、厚みが十分でない金・プラチナの指輪は、共付けやロー材流し(埋める方法)を勧めるとしています。削った金属は戻せないので、自分でヤスリをかけて消すのはやめておきます。
頼むときは、次の3つを伝えます。
- 刻印の文字数と、深く彫ってあるか(写真で見てもらう)
- 素材。ホワイトゴールドなら、ホワイトゴールドは刻印消しでロジウムメッキが剥がれる可能性がある
- 消した後に、新しい文字を入れたいか
消した後に別の文字を入れる料金や、消し方ごとの違いは、指輪に後から刻印を入れる・消すで確かめられます。
ダイヤを残す・次の婚約に使う
ダイヤを残すなら、石を枠から外し、新しい枠に留め直します。ペンダントにするか、普段使いの指輪にするかは、着ける場面で決めます。ペンダントにする費用と流れは婚約指輪をネックレスにする、立て爪を低い留め方に変える作り替えは立て爪の婚約指輪のリフォームにあります。
次に婚約するときの指輪に、このダイヤを使い直す道もあります。枠も刻印も新しくなるので、見た目から元の指輪は分かりません。石の由来を新しい相手に伝えるかどうかは、作る前に決めておくと、デザインの相談で迷いません。
鑑定書は、作り替えた後も手元に置きます。石を磨き直すと重さや形が変わり、鑑定書の数字と合わなくなります。今の鑑定書を使い続けたいなら、磨き直しは頼まないでおきます。鑑定書がないなら、石を外したときが作る機会です。ある鑑定機関の案内では、新しく鑑定書を作るのはルース(裸石)の状態に限り、指輪などの製品の状態では作らないとされています。
石の外し方と料金は指輪の石外しの料金、鑑定書の作り直しは鑑定書・鑑別書は再発行できる?で確かめられます。
写真で分かること、現物で決まること
写真で決まるのは、刻印消しか作り替えかの候補と、見積もりの見当までです。消し方と石の状態は、現物を見てから決まります。
写真で分かること
- 刻印の文字数と、深さの見当
- 石の留め方と枠の形
- 素材の刻印(Pt900・K18など)
現物で決まること
- 指輪の厚みと、削るか埋めるか
- 爪の下の石の傷・欠け
- 古い枠の重さと、下取りの額
ダイヤの大きさと刻印、古い枠をどうしたいかが決まっていれば、指輪の写真を送って相談することができます。正面・横・内側の刻印と、鑑定書のカラットの欄を写してください。
ペアリングとシルバーの指輪
ペアリングは、素材で扱いが分かれます。内側の刻印(K18・Pt900・SV925など)で素材を確かめてから決めます。
| 素材 | 向く扱い |
|---|---|
| 金・プラチナ | 刻印消し・作り替え |
| シルバー | 刻印消し・保管 |
| メッキ・ステンレスなど | 保管 |
シルバーは、溶かして別の形に作り直すのに向きません。ある修理店は、シルバーは溶かして作り直すのが非常に難しく、加工中に酸化しやすく強度や仕上がりに問題が出やすいと説明しています。金・プラチナ・銀以外の金属は、工房が加工を受けないことがあります。そうした金属の加工を受けないと公式ページに書いている店が、確かめた中に7店ありました。
元のペアリングを、自分の指輪として着け続けることもできます。左手の薬指を避けて別の指に着けるなら、サイズ直しを頼みます。小さくする料金は、他店の公開例で1,320円から3,300円です。料金の決まり方は指輪のサイズ直しの料金にあります。
手放すなら
手放すと決めた指輪でも、金・プラチナなら、捨てる前に素材を確かめます。金・プラチナは、新しく作るときの下取りや材料に回せることがあるからです。ある宝飾店は、下取りは石を外した地金重量×当日相場、外した石は返却としています。刻印と重さが分かれば、地金の価値の目安計算で金属としての価値の目安が分かります。
金・プラチナの刻印がないアクセサリーを捨てるなら、住んでいる市区町村のごみの分け方に従います。指輪だけでなく、ほかのジュエリーもまとめて見直すなら使わないジュエリーの整理が役に立ちます。
作り替えなくていいケース

作り替えは、話し合いと気持ちの両方が片づいてからで間に合います。
結婚した後に離婚して残った婚約指輪は、離婚の話し合いもかかわるので、離婚後の婚約指輪はどうするで確かめてください。
今日やること
- 1話がついたかを確かめる返すよう求められていれば、加工も手放しもせず、法テラスか弁護士に聞く
- 2指輪を撮る正面・横・内側の刻印と、鑑定書のカラットの欄を撮る。素材の刻印(K18・Pt900・SV925)も控える
- 3したいことを1つ書く「刻印を消したい」「ダイヤを残してペンダントにしたい」のどちらかと、古い枠を下取りか返却か
