手元のジュエリーをどうにかしたいときに頼む作業は、3つに分かれます。元の形のまま使えるようにする「修理」、石や金属を使って別の形にする「作り替え」、何もないところから作る「オーダー」です。店のサイトで見かける「リフォーム」と「リメイク」は、どちらも作り替えのことです。
他店が公式サイトに載せている「〜から」の価格(いちばん安い条件の値段)を、作業ごとに集めると次のとおりです。中央値は、集めた店の値を小さい順に並べた真ん中の値です。
| やりたいこと | 公開価格の幅 | 中央値(店の数) |
|---|---|---|
| 指輪のサイズを小さくする | 1,320円から3,300円 | 2,500円(8店) |
| 途中で切れたチェーンをつなぐ | 1,000円から7,150円 | 2,000円(9店) |
| 真珠ネックレスの糸を替える | 1,980円から7,260円 | 2,400円(8店) |
| 指輪をペンダントにする(チェーン別) | 22,000円から66,000円 | 集計なし |
| 手持ちの石で指輪を作り替える | 54,000円から110,000円 | 集計なし |
※ どの行も他店の公開料金の集計で、税込・税別・税の表示なしが混ざっています。同じ金額で頼めるという意味ではなく、見積もりは税込で出してもらってください。作業ごとの金額と出典は工房の公開料金データで見られます。
修理は数千円、作り替えは数万円からで、金額の桁が1つ違います。迷ったら、まず修理で済むかを考えてください。
「リフォーム」と「リメイク」は店によって意味が逆
どちらを大きな作り替えと呼ぶかは、店によって逆です。ある作り替えの専門店は大きな作り替えを「リフォーム」と呼び、別の工房は「リメイク」と呼びます。ブライダルジュエリーの店のコラムには、その逆の説明もあります。
そのため、「リメイクしたい」とだけ伝えると、店は小さな手直しの話だと受け取ることがあります。「この指輪のダイヤだけを使って、毎日着けられる低い指輪にしたい」のように、残すものと変えたいことを書いてください。呼び名が違っても、話がずれません。
やりたいこと別の地図
自分のやりたいことが、修理・作り替え・オーダーのどれに当たるかを先に決めます。それぞれのリンク先で、費用と頼み方を確かめられます。
直す(修理)
- チェーンが切れた・留め具が壊れた:ネックレスのチェーン修理の料金と日数
- 指輪のサイズが合わない:指輪のサイズ直しの料金と日数(断られたらサイズ直しができないとき)
- 爪がすり減った・石がぐらつく:指輪の爪の修理代と日数
- 指輪が曲がった・石が取れた:曲がった指輪の直し方・石が取れたときの修理代
- 真珠の糸がゆるんだ:真珠の糸替え
- ピアスとイヤリングを付け替えたい:ピアスをイヤリングに・イヤリングをピアスに
- 傷・くすみ・ホワイトゴールドの黄ばみ:新品仕上げの料金・ロジウムメッキのかけ直し
- 刻印を入れたい・消したい:指輪に後から刻印を入れる・消す料金
- ブランドの品を直したい:ブランド品を正規店以外で直すとき
- 頼み先が分からない・断られた:ジュエリーの修理はどこに頼むか・修理を断られる品と次の手
作り替える(リフォーム・リメイク)
- 石を使って別の指輪にしたい:指輪リフォームの値段
- 立て爪の指輪を普段使いにしたい:立て爪のリフォーム費用
- 形見の指輪をペンダントにしたい・遺品を仕分けたい:形見の指輪をペンダントに・形見のジュエリーをどうするか
- 母の婚約指輪のダイヤで婚約指輪を作りたい:母の婚約指輪のダイヤを使う
- 結婚指輪・ペアリングを作り直したい:結婚指輪のリフォーム・結婚指輪・ペアリングの作り直し
- ネックレスを作り替えたい・指輪にしたい:ネックレスのリメイク費用・ネックレスを指輪にリメイク
- 指輪とピアスを作り替えたい・2本を1本にしたい:指輪をピアスにリメイク・2つの指輪を1つにリメイク
- 帯留めにしたい・帯留めを使いたい:帯留めのリメイク
- 石の種類で決めたい:エメラルド・ルビー・サファイアなどの色石・オパール・翡翠・珊瑚・琥珀
- 金属アレルギーで着けられない:金属アレルギーが出た指輪の選び方
新しく作る(オーダー)
- 結婚指輪を作りたい:結婚指輪のオーダーの費用と期間・手作り結婚指輪の値段と当日の流れ
- 婚約指輪を作りたい:婚約指輪をオーダーで作る費用と期間
- 遺骨を指輪やペンダントに納めたい:遺骨を指輪・ペンダントにする
直す価値があるか分からないときは、先に刻印図鑑で内側の刻印を読み、地金の価値の目安計算で金属としてのおおよその価値を出してください。作り替える・作るときの素材は、指輪の素材の選び方で比べられます。
手元の石でどんな形にできるかは、石と枠の写真を送って工房に相談できます。
修理で済む場合と、作り替えを考える場合
元のデザインのままでよく、壊れた所や合わない所だけを直したいなら、作り替えではなく修理を頼みます。上の集計のとおり、作り替えより金額の桁が1つ小さく、期間の公開例も短いです。
ただし、修理では形は変わりません。「立て爪が服に引っかかる」「デザインが古くて着けない」が理由なら、修理を重ねても着けるようにはなりません。その場合は作り替えを考えてください。
直すたびに地金は少し減ります。ある宝飾店は、メンテナンスのたびに、幅や厚みは少しずつ細く薄くなっていくと説明しています。爪が細くすり減った指輪や、輪が薄くなった指輪は、同じ所を直してもまた傷むことがあります。爪なら指輪の爪の修理代と日数で立て直しの料金を、輪が薄い指輪なら腕(輪の部分)の交換か作り替えかを、見積もりのときに聞いてください。
作り替えの3段階と期間
作り替えは、デザインの決め方で3つの段階に分かれます。段階が上がるほど自由に決められますが、値段も期間も増えます。
| 段階 | 決め方 | 他店の公開価格 | 期間の例 |
|---|---|---|---|
| 枠の見本に留め直す | 店の枠から選び、手持ちの石を留める | 54,000円から110,000円 | 2週間から1か月 |
| 既成の枠を一部変える | 枠を選び、幅や石の数などを変える | 公開例なし | 公開例なし |
| 一から作る | デザイン画と原型(試作の型)から作る | 13万円〜 | 通常1か月半〜2か月 |
※ 価格は、枠の見本が7店の「〜から」の幅、一から作るが1店の公開例(税の表示なし)です。一部変える作り方は、価格の公開例が見つかりませんでした。期間は、枠の見本と一から作るが、それぞれ1店の案内です。
迷ったら、まず枠の見本から選ぶ方法を見てください。試着できる見本で仕上がりを想像しやすく、値段も抑えやすい方法です。見本に合う枠がなければ、一から作る方法になります。
一から作る場合は、金属で作る前に形を確かめる段階が入ります。画面上の立体の画像(CG)、樹脂で作った試作品、ろうで作った原型などで確かめます。形を確かめた後に取り消せるかどうかは、注文の前に書面で確かめてください。来店の回数と段階ごとの日数は、ジュエリーリフォームの流れと期間で確かめられます。
期間は、修理なら数日から約1か月、作り替えなら2週間から2か月の公開例があります。長いほうの例では、ある専門店がリフォームは約1.5か月、修理は約1か月と案内しています。記念日やプロポーズの日に間に合わせたいなら、その日付を最初に伝えて、間に合うかを聞いてください。
何を残すか

作り替えでは、元のジュエリーのどこを新しい品に残すかを先に決めます。残し方は、大きく3つです。
石だけを使う
- 石を外して新しい枠に留める
- 元の枠は返してもらうか、下取りに出す
金属も溶かして使う
- 元の金属を材料にして作る
- 足りない分の金属は買い足す
形を残す
- 指輪のまま金具を付けて下げる
- 刻印や輪がそのまま残る
費用は、ある工房の説明ではリフォーム費用=加工代+追加地金代+追加石代−下取です。下取りは、店が元の金属を買い取って代金から引くことです。ある宝飾店は、下取りは石を外した地金重量×当日相場、外した石は返却としています。下取りの額が作り替えの代金を超えたときの扱いは店で分かれ、ある店は下取りの額が加工料金を超えたら、差額を返金するとしています。超えた分をどうするかは、注文の前に聞いてください。値段の読み方は指輪リフォームの値段にまとめてあります。
溶かして使えるのは、金とプラチナが中心です。シルバーについて、ある修理店はシルバーは溶かして作り直すのが非常に難しく、加工中に酸化しやすく強度や仕上がりに問題が出やすいと説明しています。シルバーやメッキの品は、溶かすのではなく、石や形を残す方法を考えてください。
内側の刻印や名前を残したいなら、溶かす方法は選ばないでください。指輪の形のまま金具(バチカン)を付けて下げる方法なら、ある専門店の公開例で金具の代金は30,800円(税込)です。
写真で分かること、現物で決まること
修理か作り替えか、どの方法が候補になるかは、写真で決まります。石の状態と地金の量は、現物を見てから決まります。
写真で分かること
- 修理で済むか、作り替えになるか
- 石の数と留め方、輪の幅、刻印の有無
- 残せるもの(石・輪・刻印)の候補
現物で決まること
- 石の欠け・割れと、加工に耐えるか
- 地金の重さと、下取りの額
- 刻印どおりの素材か
ある宝飾店は、欠けや硬度の低い石は割れる可能性があり、加工に耐えられるか先に確認するとしています。写真の概算は、現物を見て変わることがある前提で読んでください。修理か作り替えかを自分で決めきれないときは、正面・横・内側の刻印を撮って写真を送って相談すると、どちらに当たるかと方法の候補から始められます。
見積もりと取り消し
写真で出す概算は目安で、注文は現物を見た正式な見積もりで決めます。ある工房も、正式な見積りは現物を見てからで、写真の概算と異なる場合があると書いています。
注文のときには内金を求められることがあります。ある工房の宅配の受付では、見積もり金額の50%を内金として払い、完成後に残金を払う流れです。金やプラチナの値段は毎日変わります。別の工房は見積もり作成時の相場で確定し、納品までに相場が変動しても追加請求なしと約束しています。見積もりの時点で金額が決まっていれば、後から金額が上がる心配がありません。
やめるときの費用は、進んだ段階ほど増えます。
- 見積もりを見てやめる:A店はキャンセル料不要・返送料は着払いで客負担
- 品物が届いた後に自分の都合でやめる:B店は見積もり金額の50%のキャンセル料がかかる
- 注文を決めた後に変える:C店は注文内容を決めた後の変更は原則として断り、やむを得ず変える場合はそれまでにかかった費用を客が負担する
迷っているなら、正式な見積もりの段階でやめてください。A店の条件なら、かかるのは返送料だけです。
預けた石が違って見えたとき
作り替えた後に石が同じかどうかは、預ける前に残した記録と見比べて確かめます。ある宝飾店は預かるときにダイヤを拡大して写真に撮り、直径・高さを電子ノギスで測るとしており、ある工房は預かり時の撮影画像を客の控えと工房の控えにその場で添付としています。
預かり書に「ダイヤモンド」と書かれていなくても、それだけで疑う必要はありません。ある宝飾店は、ダイヤモンドを預かるときの預かり書には「透明石」と書くのが業界の慣習だと説明しています。鑑定書をなくしたときは、鑑定書・鑑別書の再発行で再発行と受け取った後の照合の仕方を確かめてください。店と話し合っても解決しないときは、消費者ホットライン「188」に電話すると、近くの消費生活相談窓口を案内してもらえるので、そこで相談してください。
頼まない選択
作り替えは、元に戻せません。迷っているあいだは、加工しないで保管しておけば、何も失いません。
自分で石を外したり、金属を切ったりするのはやめてください。オパールやエメラルドのような割れやすい石は、外すときに欠けることがあり、欠けると店でも直せません。自分でできるのは、ピアスをイヤリングに変える金具を付けることと、汚れを落とすことまでです。
今日やること
- 1写真を撮る正面・横・内側の刻印を撮り、残したいもの(石・輪・刻印)に印を付ける
- 2作業を決める上の地図で修理か作り替えかを決め、リンク先で費用を確かめる
- 3写真を送って相談する「この指輪の石を使って、毎日着けられる指輪にしたいです。税込の総額と期間、正式見積もりの後にやめる場合の費用を教えてください」と書いて、正面・横・刻印の写真と一緒に送る
